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トークにはマチコなる人物から『かい』と一言だけ書き込まれていた。
意味がわからない。
途端に恐怖が膨らんでくる。
頭のネジが外れた人間に、オレは監禁されてるんじゃないか……? と。
その不安を払拭したい一心で、オレは続けて書き込んだ。
『いや、ふざけないで聞いてほしいんです。なぜオレがここにいるかわかりますか?』
と、それに対し、
『かき』
の一言だけが返ってきた。
……ダメだ。
意味がわからないし、
「……ん?」
ふと、足元を見ると、ぼんやり光っている。
……なんだ?
それは、白く輝く見たことのない貝と、牡蠣だった。
「はぁ?」
なんで急に?
さっきは無かったよな?
貝特有の生臭さがあるし、あったら気づいていたはずだ。
なんで貝が二つも……
……待て。
待てよ……?
『かい』と『かき』なのか?
だから、出てきたのか?
そんなことが?
ある……のか?
あまりにも突拍子もない考え。
だけど、それが真実だと、本能みたいな「何か」で感じる。
現実離れした「何か」に「どこか」で巻き込まれている。
気づかないうちに、手が震えていた。
これは、きっと「ルールがある」、「何か」だ。
そのルールを間違えたら、すぐに死んでしまうような……
慌てて、アプリを見直す。
何か、何かルールに繋がるものがあるはずだ。
「――っ!」