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23 襲撃

 “黒”の反応は十分に早かった。

 爆発の寸前にさなかの前に出、飛来する破片を打ち払う。もう一方の手では、懐から獲物を抜き取っていた。だが、

 ……分が悪い。

 相手は、既に照準を定め、引鉄に指を掛けている。対してこちらは、今ようやく銃を抜いたところなのだ。その上、

 ……姿が見えない。

 粉塵ではない。腕は見えているのだ。それは問題にならない。突き出された腕から、背の高さ、肩幅、身体の向きなどは容易に把握できる。ただ、

 ……警備員が重なっている。

 爆破の瞬間、扉前に構えていた者たちだろう。余波で吹き飛びながらも、遮蔽となってしまっている。これが意図的なものなのかどうかはわからないが、不用意に撃てばこちらの弾丸は不幸な警備員の身体に阻まれ、襲撃者まで到達しない。

 ならば、打てる手は少ない。

 ……雇い主の幸運に賭けるとしよう。

 銃を持つ“黒”の腕が跳ね上がる。それは常人とは比較にならないほど速い。襲撃者が引鉄を引くより早く、“黒”の銃口もまた照準を終える。

 銃声は、一発だった。


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