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満たされない世界  作者: 駿河流
9/14

休み時間でも出来る事 その3

長かったこの話も、ようやく今回で完結します。


そして、遂に明かされる浩二の発言の真意とは?


その答えは読んでからのお楽しみという事で!

「日の丸弁当なのに、ぷちトマトは絶対にオカシイだろ!!」


「…はぁ?一体、いつの話をしてるんだ??」


「…え??」


「そうだよ、流ちゃん。それ、一週間前のネタだよ~」


「…え、アレ??」


呆れたように、俺を見る浩二と雪菜。


つか、あの浩二にまで、そんな呆れた顔で見られると、何か知らんがスゲーむかつくのだが…。


浩二のクセに生意気!!←お前はジャイ○ンか!?www


「流ちゃん、一週間前にも全く同じ事で突っ込んでいたでしょ~」


「一週間前?」


「そうだよ~、あの日から一週間経ってるんだよ。大丈夫、流ちゃん?」


「……」


「あっはっはっは!流の奴、暑さの所為で遂におかしくなったのかぁ~!!」


「お前にだけは、言われたくないわ!!」


…浩二に馬鹿にされるなんて、何と言う屈辱だ~!


それにしても…。


一体、どういう事なんだ?


アレから一週間が経過しているって、意味が分からんのだが…。


日の丸弁当のネタは、ついさっきの出来事じゃないのか?


「流ちゃんが疑問に思うのも無理はないよね~」


「へ?」


「つまり、これは作者の意志なんだよ」


「はぁ?言ってる事が、全く意味不明なんだけど…」


「だからね~。作者は何だって出来る神みたいな存在なんだよ~。だからこそ、もう一人の流ちゃんの分身である作者は、この世界で出来ない事は無いんだって~」


「……」


ヤバイ、雪菜が何を言ってるのかマジで分からん…。


神とか作者とか、一体何のこっちゃ?


もしかして、あまりの暑さに雪菜おかしくなっちまったのかな??


「むぅ~。流ちゃん、また失礼な事考えてるね!私、おかしくなってないよ~!」


「だから、無意識に俺の心を読むの止めろっつの!」


「とにかく、もう一人の流ちゃんの力によって、アレから一週間の時間が経過してるんだよ~!分かった?」


「……」


…分かった?とか言われても、イマイチ雪菜の言ってる事がよく分からんが、とにかく謎の神とやらの力によって、アレから一週間が経過しているらしい。


俺の中では、この一週間の記憶が全く無いのが、かなり気になるのだが、深く気にすればする程、頭が痛くなりそうなんで、もう考えるのは止めにしよう!


もう一人の俺とか、真剣に考えると怖いからな…。


「作者イズ神!正に、フリーダム!!」


「おわ!何だ、突然!?」


俺がぼ~っとそんな結論に達した所で、いきなり浩二の馬鹿が大声でそんな事を叫んだので、マジでビビッた!


「や、何となく言いたくなっただけだから、気にするな」


「何なんだよ、お前は…」


ホント、意味が分からん…。


「パクパク。そんな事より、お前達も早く飯を食わないと昼休みの残り時間少ないから、食う時間なくなるぞ」


「あ、あぁ、そうだな」


気付けば、一人もくもくと昼飯の弁当を食べている宏。


さっきから宏が会話に参加しないと思ったら、一人で弁当に夢中だったのか。


そんな事を考えながら、宏の座っている席に、空いてる席をくっ付けて島を作る俺たち。


そして、座ると同時に、浩二の奴は嬉々として弁当の蓋を開けた。


「今日のお弁当は、なっにっかなぁ~?」


「……」


俺の中では、ついさっきまで昼飯を食べていた記憶があるので、これからまた昼飯を食うというのは、何かやはり妙な気分だ…。


カパ!


「おぉ~!今日は、野菜カレーだ!!母ちゃん、ありがとう♪」


「って、ヲイ!?」


「ん、何だよ?言っとくけど、これは俺のカレーだから、お前にはやらんぞ…」


「って、違う!そうじゃなくて!!」


浩二の弁当箱の中に広がっていた光景に、俺は思わず驚愕していた!


だって、その弁当箱の中には…。


「野菜カレーっていうか、野菜そのものじゃん!?」


そう、浩二の弁当箱の中には、トマトやキュウリやナスが、丸ごとそのままの形でゴロゴロと鎮座していたのである…(汗


「何言ってるんだ?これは、野菜そのものじゃなく、野菜カレーだって!」


「違う、絶対お前騙されてるよ!つか、野菜カレーって、肝心のカレーは一体何処に??」


どう見ても、浩二の弁当箱の中には、野菜(丸ごと)しか見当たらんのだが…。


「ははは!カレーなら、ここにあるじゃないか~」


そう言って、浩二が弁当の入っていた巾着袋から取り出した物。


それは…。


「カレーパンっ!?」


「そう、このパンの中のカレーをこうやって…」


そう言うと、取り出したカレーパンの袋を開けて、パンを割り中身のカレーだけを器用に、弁当箱の中身へと落とす。


うにょ~。ぼと。


「ほら、完成!これぞ、出来立て野菜カレーだ♪」


「違あぁぁぁぁうっ!!カレーを冒涜するなっ!!」


幾ら何でも、これは有り得ないだろ…(汗


これの一体何処が、カレーパンだ!?


…あ、間違えた!


野菜カレーだっ!?だった…www


「ちょ!流ちゃん、落ち着いて~!」


「おいおい、食事はもっと落ち着いて食おうぜ?」


「……」


そんな俺を宥める雪菜と、冷静にそう言う宏。


俺か?俺が、変なのか??


いや、絶対に変なのは浩二の弁当だろ…。


「ははは、しょうがない奴だな~、流は~」


「お前が言うなぁ!!」


はぁはぁ…さっきの件とは別で、また何か頭が痛くなってきた…。


「さっきから何をそんなにムキになってるのか知らんが、間違いなくこれは野菜カレーだって」


「だから、違うって!それは単純に、カレーパンの中の具を、生野菜の上に落としたモノだろ!!」


「そうだよ?それの何が悪いっ!?」


「や、逆ギレすんなよ…」


はぁ~、これじゃ全く話にならんぞ…。


でも、このまま放っておいたのでは、浩二の今後の為によくないと思う!


今の内に、間違いは正しておかねば、何だか俺自身が納得いかんからな!


それに、見て見ぬふりは出来ないだろ!!


「なぁ、宏。これ、絶対に野菜カレーじゃないよな?」


このメンバーの中では、かなりまともそうな宏にそう聞いてみる。


すると…。


「浩二の奴が、野菜カレーって思ってるんなら、それで良いんじゃね?ぱくぱく」


「おいおい…」


宏の奴は自分の弁当を食うのに夢中なのか、そんな適当な答えが返ってきた。


それならば!と、今度は雪菜に同じ質問を振ってみると…。


「野菜カレー、美味しいよね~♪」


「ま、確かに美味いけどさ…」


…何故か、カレーの美味しさについて語りだしやがった!ww


「や、そうじゃなくて!野菜カレーって、明らかにもっと違う料理だよな?」


「う~ん?住んでる土地によって、色んなご当地グルメがある位だから、浩二君の住んでいる地域では、こういうカレーが普通なんじゃないかな~」


「って、ご当地グルメって…。俺たち、同じ地域に住んでるだろ!」


「あ、そうだったね~。あはは~」


「……」


駄目だ、雪菜は天然入ってる所があるから、別の意味で話にならん…。


つか、ご当地グルメにしたって、そもそもアレは料理以前の問題だろ!


グルメからかけ離れてるっての!!


くそぅ~、こうなったら俺自身で、間違いを正してやるしかないのか…。


結局は、頼れるのは自分自身ってね…。


「おい、浩二。お前、絶対に間違ってるからな!」


「バリボリ、お?」←キュウリを齧ってたw


「だから、ソレは野菜カレーじゃないから!」


「…お前もしつこいなぁ。我が家では、これが野菜カレーなんだよ、バリボリ」


「そもそも野菜が丸ごとなのも、如何なものかと…。せめて、皮を剥いて切る位はしようぜ…」


「わはは!我が家ではこれが普通なんだよ~。バリボリ。母ちゃん、大雑把な性格だかんな~、バリボリ…」


「いや、大雑把すぎるだろ!!」


「はははは!それこそが料理の醍醐味なんだって~、バリボリ。とにかく、お前に何と言われようが、我が家ではこれが野菜カレーなの!バリボリ…」


「お前んちではそうなのかも知れんが、世間一般ではソレは野菜カレーとは絶対に言わん!!」


「ん、そうなのかぁ?バリボリ。んじゃ、コレは世間一般とやらでいうと、何ていう料理なんだよ、バリボリ…」


「只の、生野菜の上にカレーパンの中の具を乗っけたモノ、だろ…」


「やたら、長い名前の料理なんだな~、バリボリ…」


「や、だから料理ですら無いんだって!あと、どうでも良いけど、キュウリ齧りながら喋ってるから、さっきから語尾に『バリボリ』って付けて喋ってるような錯覚が…」


「おぉ~、言われてみれば!バリボリ…」


「……」


「……」


「……」


「…バリボリ」


…何か知らんが、ドッと疲れてきた…(汗


もう突っ込む気力も無くなったので、俺も無言でさっさと自分の弁当を片付ける事に。


……。


…。


「ふ~、ごちそうさんと」


「ご馳走様でした~」


「はふ~、食った食った~」


「ごっそさん」


四人一緒に食事を終えると、皆揃って手を合わせる。


「さてっと、まだ若干昼休みが残ってる訳だが、次の授業何だっけ?」


「えっと、確か国語だったと思うよ~」


「うむ、それなら移動しなくて済むから、まだもう暫くはノンビリ出来そうだな」


俺がそんな事を言いつつ、伸びをすると、ふとこの前の会話を思い出した。


俺の中ではついさっきの出来事だが、皆の中では一週間前の出来事らしいが…。


「なぁなぁ、そういえば浩二」


「うん、何だ?」


「一週間前の休み時間に、お前何か納得イカンって言ってただろ?結局、アレは何だったんだ??」


「あぁ、そんな事もあったっけなぁ」


「おう、それで何が納得いかなかったんだ?」


「あぁ、それは俺も興味あるな」


「私もこの前から気になってたんだよ~」


俺がそんな話題を振ると、宏と雪菜の奴も食いついてきた。


やはり皆、あの事が気になっていたらしい…。


「えっと、何だっけ?」


「や、俺が聞いているのだが…」


そんな皆の疑問に対し、あっけらかんとそんな事を言う浩二。


「あはは、スマン!もう一週間も前の事だから忘れた…」


「って、おい!!」


あんな登場の仕方した上に、俺に怪我までさせておいて、そりゃ無いだろ!!


くそ~、マジで納得いかんぞ!!


「何かお前が納得いかない理由を聞けない事が、俺には更に納得いかんのだが…」


「そう言われてもなぁ~。忘れちまったもんは、仕方ないべ?」


「おぉ!良い事思いついたぞ!!」


「お?何だ何だ??」


「この前みたいに、思い切りお前をぶん殴れば、その衝撃で忘れていた記憶が蘇るかも知れないぞ!」


俺がそう言いつつ、おもむろに椅子を振りかざすと…。


「ちょ!流ちゃん、早まっちゃ駄目~!!」


雪菜に羽交い絞めにされて、無理矢理止められてしまった。


「おい、邪魔するな!男には、無駄だと分かっていても、やらねばならぬ時ってものがあるのさ!!」


「意味、分かんないよ~」


「おぉ!その言葉を聞いて、思い出したぞ~!!」


「…マジか?」


そんなやり取りをしていたら、浩二の記憶が不意に蘇ったらしい。


チッ、運の良い奴め…ww


「それにしても、都合の良い脳してんだな~」


「うむ、ヤシガニ」


宏の冷静な突っ込みに思わず、同意する俺。


「ヤシガニって何、流ちゃん?」


「…間違えた、確かに!」ww


我ながら、どんな間違いだ!?www


「それで、この前納得いかなかったのは何でだ?」


宏がそう尋ねると…。


「水着はビキニに限る!それ以外は納得イカンって言いたかったんだよ!!」


「はぁ…」


浩二は鼻息荒く、そう答えていた。


って、何じゃそら??


「え、この前、プールに行くって言ってただろ?」


「あぁ、確かに言ったけどさ」


「だから、その時に着る水着はビキニが良いな~って話」


「え~、やだよ~。俺、そんなの着たら、只の変態じゃん…」


「って、お前の話じゃね~よ!!」


え?違うの??ww


ま、分かってて言ったんだけどさ…www


「え、え?それって、もしかして私??」


「そう、そうだよ~。雪菜ちゃん~」


「び、ビキニなんて恥ずかしいよ~」


「そこを何とか!お、お願いします!!」


「うぅ~…」


何故か土下座までして、雪菜に懇願する浩二。


そこまでして、雪菜のビキニ姿が見たいのだろうか?


てか、雪菜の奴、どうして良いのか分からず赤面しちゃってるよ…。


仕方ない、助けてやるか!


「はぁ~、分かった分かった」


「ん?」


「お前の熱意に免じて、そこまで言うのなら、しょうがないからビキニ着てやるよ」


「いらね~!つか、だからお前じゃないって!!」


「俺だって、ホントは嫌だけど仕方ないだろ?」


「仕方ないって何だよ?」


「お前の所為で、雪菜困ってるじゃんか…」


「え!うわわ…」


そこでようやく、雪菜が恥ずかしさのあまり、オロオロしているのに気付いたらしい浩二。


「な、だからこれ以上、無理言って困らせるなよ」


「あ、あぁ、スマン雪菜ちゃん」


「え、べ、別に気にしてないよ~」


そうは言うものの、雪菜の奴、明らかに動揺してやがんなぁ~。


何か、どもってるし…ww


「でも、確かに雪菜ちゃんのビキニ姿、良いかもな!」


ようやく話が一段落したかと思いきや、今度は宏までもが、そんな事を口走った。


「え、えぇ!宏君まで~!?」


「だよな、だよなぁ!ふんが~!!」


「浩二、お前はとにかく落ち着け…」


ふんが~って、お前興奮し過ぎだからな…ww


「え、えっと、流ちゃんも見たいの?わ、私のビキニ姿…」


「はい?いきなり何だ…」


「皆、ビキニに拘ってるみたいだから、男の子は皆、そういうものなのかなぁ~と…」


「う~ん、確かにそういうものなのかもな。ビキニ姿を見たいかって聞かれれば、そりゃ見たいに決まってる!俺だって男だかんな~」


「そ、そうなんだ~。流ちゃんも見たいって言うのなら…。か、考えて見ても良いかな~?…なんて」


「…はぁ」


…どういうこっちゃ?←鈍感男ww


「ひゃっほ~!!雪菜ちゃんのビキニ姿が、見られるのかぁ~!益々もって、プール行くのが楽しみになってきたぜぇ♪」


「あぁ、確かに!!」


雪菜のそんな言葉を聞いて、更に興奮しまくる浩二と、それに同意する宏。


何か心なしか、宏の奴もいつもよりも若干、テンションが高くなってるような気がするし…。


まぁ、何にしても今からプール行くの、マジで楽しみだな♪


暑い太陽の下では、冷たいプールの水がスゲー気持ち良い事だろう☆


こうして、俺達の長い長い夏休みが始まる!


おわり。

はい、そんな訳で今回でこの番外編は完結です!


またしても勢いで書いたんで、前半とか物凄いグダグダっぷり…(汗


時間をも超越って、我ながらやりすぎたかも?ww


ま、何にしても、次の番外編は「真夏のプール編」ですよん☆


読者の皆様、是非とも楽しみに待っていて下さいませ~♪


雪菜のビキニ姿、自分も楽しみ~!!ww


自分は勿論、ビキニは着ないけどね~!!←当たり前だwww

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