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序章
序章
カーテンから差し込む光で目が覚めた。
そこにはいつも通りの景色。部屋には読みかけの本と、書きかけの小説が散漫している。朝食を取る前に部屋の掃除をする。何も変わらない。普通の日常だ。
空が青い。なぜ空はあるのだろうか。ぼんやりと考えることがある。考えても考えても答えは出ない。人間の想像を遥かに上回る世界の話だ。ふと我に帰ると、そんなことも考えられないくらいの、日々の焦燥がまっている。いつもと変わらない毎日をただ消化している。何か目的があって生きているわけでも無い。潤いのある日々でも無ければ、乾き切った日々でも無い。ただ平然と、当たり前のように日常を過ごしている。
生きている意味など考えない。
それは目の前に広がる空と同じくらい無謀なことだ。
そんな当たり前の毎日を、この"空の下"で生きている。