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枕の下に 希望の上に(6)

B級映画

レシートに書かれた

メモ書きを

クシャクシャにしては

ゴミ袋へ捨てる

西日の当たる部屋は

黄緑色のカーテンで

遮られていた

キッチンの椅子には

誰かが座った跡

今では誰かの跡




作り終わった味噌汁

換気扇は消えていた

いきなり鳴った炊飯器の音

普段と変わらないから

手探りに

普段と変わらない行動を探した

息を吐けば白い息

息を吸えば




語るに落ちる

広がる終わり

オリジナルの痛みは

誰も言葉にしない

我関せずで

知らないふりは

枯れ木のようだ

細い木々が

露呈しては

雪を纏う

あの景色に

取り残される




そのままになった椅子に

夕食を準備して

そのまま座って

食事をする

どんな時でも腹は空くと

知ってはいたが

それを感じる事は少ない




淡々と過ぎる時間に

響く咀嚼音

部屋の明かりで

明確になった黄緑色のカーテン

目の前の固形物が無くなれば

器を片付ける

一つ一つを決めていくのは

いつ以来だろうか




悟るに終わる

過ぎて遠く

オリジナルの痛みは

誰も表に出さない

我関せずで

知らないふりは

布団の中みたいだ

自らの温もりを

気に入り

時間を祓う

あの景色に

取り残される




白い蛇が

思い出を擦り抜けて

あれを殺せなかった人は

ストーカーになり

あれを殺した人は

普通に戻った

白い蛇が

睨みつける勢いは

想いの強さ

あれを殺しながら

人は生きていく

白い蛇の皮は

高く売れる

本当に高く

売れるのだ

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