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わたしと、この頭のおかしな幼馴染みとの出逢いは病院の新生児ベッドの上だった
もちろん、わたしは記憶にはない。
生まれた日も、時間も同じ。ベッドも隣同士なら必然的に両親同士が意気投合する。
小さい時の親の口癖は、「天くんのお嫁さんになりなさい」だった。
そんな淡い気持ちをもったことはないが、幼馴染みだからといつも一緒に居た。
しかし、わたしは青葉天という男に苦手意識を持っていた
「しょうこちゃーん。鉛筆かーしーてー。」
「えー……、いいけど……噛まないでよ?」
「うん!噛まない!!」
天が鉛筆を借りに来るのはいつもの事だった
貸すのは別に良いのだけれど、返されたとき必ずと言っていいほど鉛筆はボロボロにかじられているのだ。
その日は、お気に入りの鉛筆しかなく貸したくはなかった
無かったのだが、幼馴染みだから無下には出来ない。
噛まないように釘をさして、渋々貸すしかなかった。
けれどお気に入りだった花柄の鉛筆はデコボコになって返ってきた
それに私はキレた
そりゃもう盛大に。
だって私は噛むなと言ってあったのだ。なのに、だ。奴は噛んだ。
「天のばかっ!」
バチンッ!
横っ面を一発いってやった。
それを見ていた生徒が呼んできたのだろう先生に私だけが説教を食らった。
私は悪くないといくら言い張ろうが、天くんに謝りなさいと頭ごなしに言われるだけ。
小さいながらも、社会の不平等を知った日でもある
「酷いとは思いませんか。」
「んー、そうだねー。時に戸草?遅刻じゃないかな?」
「いやだな先生。青葉くんがC組である私をA組に拉致監禁しようとしたから、学校中を逃げ回っていたと説明したじゃないですか。痴呆ですか?」
「戸草……あとで職員室に来なさい。」
解せぬ。




