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my favorite Papa☆  作者: Maria
1/1

baby1...温人&パパ★

『パパ〜!!』


俺の名前は桐島瑛二。27歳★

5年前に早稲田大学を卒業して今は翻訳関係の仕事についている。俺は昔から勉強でもスポーツでも何においても挫折を知ることなく、なんなくこなして過ごしてきた。

顔も悪くはないし背だって180近くある。仕事も出来る。だから今までモテはやされチヤホヤされた、誰もが羨むであろう人生を歩んできた。

俺の好きな言葉は"完璧"と"クール"

これからも俺は輝かしい人生を送っていくんだ☆

『パーパ〜!!』

それにしてもさっきからあの子供うるせ〜なぁ。迷子かな?だいたい最近の親は無責任過ぎるんだよ。自分のガキの世話くらいしっかり見とけよ。


『パ〜パ!!』

『…え?』

『パ〜パぁ??』

『……俺!?』

『うん♪♪』


何だこのガキ…!パパって何だよ。パパって…俺が!?

結局その子は交番に連れて行って何とかなったけどその日俺の頭の中は今まで付き合った彼女のことことでぐるぐるまわりっぱなしだった。

──Next morning☆

『朝か…』


一睡も出来なかった…。

俺の辞書に失敗やヘマなどといったそんな言葉はない。だから俺に子供なんてそんな話はまったく関係のない話だ。関係のない話のはずなのに…。なぜだ。夢か!?いやいや夢じゃないよな…★


今日は休み★冷蔵庫の中は空だし何も食べるものがないから買い物行かなきゃな。それからたまってた洗濯物を片付けなきゃ。めんどくせー★こういう時奥さんでもいればな…でも俺は当分結婚するつもりはない。女などという面倒な生き物と一つ屋根の下で毎日暮らすなんて考えただけでゾッとするよ…。とりあえずスーパー行こ。ビールと〜チーズと〜あーあと水だ!!あと何か食べるもんは〜パスタでいっか★ペペロンチーノでも作ろうかな。(ちなみに俺は料理も出来る!)

買い物を済ませ車を軽快に飛ばして家に帰った。『おッッ洗濯終わってんじゃん!完璧だな〜♪』

我ながら俺って完璧過ぎて凄い★(笑)★

プルル〜♪

『はい』

『桐島瑛二さんのお宅ですか?』

『そうですけど…』

かかってきた電話は警察からだった。内容は…きのうのガキ!!

今すぐ来てくれとか一体何なんだよ!!警察署に着いた俺を待っていたのは間違いなくきのうのあのガキだった。

『お子さんがこれを持っていましてね』

『…手紙?』


【この子の父親は桐島瑛二です。この子は温人(はると)といいます。5才です。温人をよろしくお願いします。明美より。】

『ね?"桐島瑛二さん"あなたで間違いありませんよね?』『間違いはないですけどでも明美って…そんな女』

『本当にご存知ないんですか?よく考えてみて下さいよ』

『…あッッ』

『心あたりあるんですね?』


─そういえば半月前、俺は仕事の帰りで。

確かその日はすげー雨が降ってて、テキトーに雨宿りがてら入った店で1人の女と会ったんだ。

確かそいつの名前が"明美"だった。

そいついきなりすげー泣き始めて、その店に居づらくなって店を出たんだけどその女、行くとこないとか言うし雨は凄いし1人には出来なくて…仕方なく俺は一晩家に泊めたんだった。でも確かあの時俺はあの女に何もしなかった…はずだけど…ってその前にこのガキ5才なら俺なわけがないよな!!やばいどうかしてるよ俺。焦るな俺。

『パパー??』

『…俺はパパじゃない!!』



うわ━━ん!!!


泣くんじゃねーよ…俺はガキが嫌いなんだ。"完璧"だとか"クール"だとか言ってる俺にも唯一苦手なものがある。

それが【子供】だ。

ガキはすぐ泣くし、何を伝えたいのかさっぱり分からないし、ちょっと冷たくするとまたすぐ泣くし…女と同じくらい意味不明だよ…。


『とりあえずその明美さんに連絡取ってみて下さいよ』


『でも!!俺は全く無関係でッッ』

『無関係ってあなた〜(笑)そういうことしたんでしょう?はっきりしておかないからこういうややこしいことになるんですよ〜お父さん!』

『だから俺は!!…だいち俺は"お父さん"じゃないよ!!』

『とりあえずあとはその女性と2人でよく話合って下さい』

『どうやって話すんだよ!連絡の取りようがないのにッッ』

『元はといえばあなたの不始末が原因でしょうよ!!我々にはどうすることも出来ませんので…』

『……!!もういい!』うわ━━ん!!

『おいガキ!行くぞ!!泣くんじゃねぇ!!男だろ?』


『…うん☆!!』


そいつは俺がそう言うと泣きやんで、強い瞳で俺を見たんだ。けがれを知らない綺麗で真っ直ぐな瞳で。

──帰り道。IN Car★

シ─────ン。

『…かわいそうになお前。親の勝手に振り回されて』


『…???』


『って、お前に言っても分かんねぇか。』


『……。』

『お前いくつ?ってか名前何て言うんだっけ?』


『……。』

『シカトかよ!良い度胸してんじゃん(笑)』

『…うぅ〜』


『…どうした?…何だよ!!?』

『うぅ〜……おしっこぉ〜!!』

『…はッッ!!??待て!我慢しろよ車降りるまで我慢ッッ』

『出ちゃった〜ぁ(涙)』

『…最悪……』

『えへへ〜』

『えへへじゃねーよ…マジかよ…。』

『ごめんなさい(泣)』

『……(怒)』

『ごめんなしゃぁいパーパぁ(涙)!!』ま〜た泣いてるよ…だいたい俺はパパじゃねーし…うざいし…ムカつくし…。

『パパ…?』

…そんな綺麗な瞳で俺を見るんじゃねーよ。

『…お前、名前は?』


『…はるとぉ!!神崎温人ぉ♪』

『温人か★俺の名前は桐島瑛二だ!パパじゃねぇ。瑛二さんて呼べ。』



『えーじたん?』


『"たん"じゃない!"さん"だ!!』



『えーたん!えーたん!キャハ♪』『…もうそれで良いよ…(苦笑)おい温人!!まず家帰ったら風呂場だ!いいか!?部屋には入るんじゃねーぞ!?もし入ったらッッ』


『入ったらぁ〜??』


『…おしりペンペンだ!!』



…って。俺は一体何を言ってるんだよ…(照)

はーぁ…一体これからどうなるんだよー!!




こうして俺と見ず知らずのガキ、"温人"との、はちゃめちゃ共同生活が始まったんだ…♪

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