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第六章 プログレッション (増殖)   4

 俺達はジェネの家へと向かった。興味本位でアデノも着いて来ていた。

 地図に載らない城。神に一番近い場所カプジ。これで三度目の訪問となった。


「そろそろ来る頃だと思っていたわ」

 千里眼を持つ娘ジェネ。彼女の能力であれば、解決策も何か分かるかもしれない。


「これが、この世の破滅の始まりなのか?」

 各地で起こっている異常気象はどれも原因不明のものばかりだ。


「そう…かもしれないわね」

 歯切れの悪い返事をよこす。彼女には全てが見えているわけではないのだろう。


「でも。こんなことを出来るのは彼しかいないわ」

 EPIの城の最上階から、窓の外を眺めながらジェネは言う。

 これらの異常気象が、誰かの意思によって起こされているのだと。

 そして、それは恐らく、オンコジーンのパワーを止めるためにしている事なのだと。


「だれがいったいそんなことを。国民を偽性にしてもいいというの?」

 朱里も怒りを募らせる。オンコジーンを得て自分たちは生き延び、やっと幸せを手に入れようとしているのに、何故国民がその犠牲にならなければならないというのか。


「それは……。神よ」

 誰にも語られることのない真実。誰も知りえない事実。


「ここが神に近い場所って呼ばれているのは知っているわね。それは本当なの。神はいるわ。実在する。彼はこの世の全てを支配しているのよ」

 そんな宗教じみた話、と、今までなら思ったかもしれないが、ジェネが話すと信憑性がある。


「彼の名はブレイン。今は六野にいるのかしら。あちこち移動する人だから、会えないことも多いけど」

 ジェネの話によると、このカプジの地下のずっと下に、神の住む場所がるという。いくつかのテリトリーを持ち、支配する領域ごとに分かれているという。


「会わせてくれ。オンコジーンの力が原因なら、なにか解決方法があるかもしれない」

 他に打つ手立てはないのだ。

 このままこの世の破滅を迎えるなどとは考えたくはない。


「原因は、四天王を倒したことかもしれないけど」

 四天王は、この国の統制。神より選ばれし護衛。特殊の能力を持つ彼等の代役は誰にも務まらないのかもしれない。


「でも、やっぱりオンコジーンでしょうね。諸悪の根源は。行ってきなさい。どうなるか想像もできないけど」

 ジェネの話によれば、今までプレインと会ったことなる人は誰一人としていないという。ジェネの特殊な能力のお陰でその存在が知りえるだけなのである。

 だが、会いに行く方法が無いわけではないというのだ。

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