表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/81

第五章 プロモーション  (促進)   4

朱里の両親に経緯を全て話をし、俺たちを狙う上の者との話合いを持てないかだろうかと相談した。

 彼女の両親は、上の者とのコンタクトを持っており、何とかしてみると心強い返答をもらえたのだ。

 これで無駄な血は流さなくても済むかもしれない。


「ルイ、久しぶりだな」

 俺と朱里が戻ったことを聞きつけて挨拶にやってきたのはシーズだった。

 彼はその後も警備隊体長としてその職を全うしていた。


「以前は世話になった」

 全てを知る人物はこのシーズくらいかもしれない。彼の助勢がなければ、生きてはいられなかっただろう。


「聞いてくれ、ルイ。朱里さんも。栗夏の奴は、やはりどうしようもないぜ」

 シーズの話によれば、三年前のあの事件以降、ベタとアルフの街を統治するのは当然の如く栗夏の一族となり、二十歳を迎えた栗夏は全ての実権を握ったのである。

 本当であれば、朱里と結婚し、ベタの街は朱里の管轄となる予定であったが、結婚相手が逃げたとなって、彼は本性を現したのである。

 権力を傘に、その統治はやりたい放題だった。特別徴収などで、税金は上がりに上がり、栗夏一族が石油関係を独占していたので、石油の値段を高騰させ、そこに住む人々から自由を奪っていったのである。 

 全ては栗夏一人の欲望のために。

 お陰で、街の治安も悪化し、夜は一人で出歩けないほどになってしまったというのである。


「それは済まない事をした。知らなかったとはいえ、もとは俺が蒔いた種だ。何とかしよう」

 朱里とも相談し、栗夏と直談判に行こうということになった。 

 もし、こちらの要望を聞き入れない場合は、力ずくでも言う事を聞かせなければならない。

 暴力は反対の立場を取っていた朱里だが、栗夏を懲らしめるのであれば、目をつぶるといってくれた。


 まずは、ミイフに頼んで、ことの経緯を手紙で栗夏に送ることにした。

 彼に頼んでおけば、他に情報が漏れる心配がない。

 必要であれば話し合いの場を持ってもらいたいと提案したのだが、帰ってきた返答は、意もしないものだった。


「卑劣な悪党と話し合う必要などはない。果し合いで決着をつけよう。明日の正午に、ルイ一人で来い」

 とだけ、手紙に記されていた。


「きっと罠だわ。行っちゃダメよ。よってたかってあなたを始末する気よ」

 朱里は心配して俺を行かせまいと必死だった。

 

「でも、俺がやらなきゃ、この街もよくなることはない」

 全ての根源は、栗夏の悪政なのである。これも朱里という錘が外れた結果なのだ。

 責任は俺にある。

 

 何とか朱里を説得して、一人で栗夏の下へと出発した。

 罠かもしれない。だが、その罠にさえ、期待に胸膨らませていたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ