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第二章 プロセス(進化) 15

 まずは、手錠をCTでスキャンし、内部構造を探る。

 EPIの科学力は今や世界一だろう。彼等に出来ないことはない。


「あなたって、命を粗末にするのね」

 ジェネは物見楽しそうにちょっかいを出して来る。

 朱里の地下組織での一件は、全て揉み消されたと思っていたが、ジェネの情報網はそれ以上だった。

 

「で、惚れたの?あの娘に」

 心の中を見透かされるような、ジェネと話ているとまるで自分が裸にされたような気分になる。

 今更嘘をついてもしょうがない。

 俺は真実をジェネに話した。

 今、人体実験の最終段階であることも。

 あと数十時間で病死することも。


「ふーん。解毒剤ね。副作用とかないのかしら。楽しみね」

 退屈しのぎに丁度いいといった口ぶりだ。

 こっちは生死をかけているというのに。


 ジェネの屋敷へと着てから十時間が経過し、やっとのことで腕輪が外れた。

 同時に、爆弾の処理も終り、安全な腕輪となった。

 その腕輪を、宅急便で、朱里の家宛に送ることにした。

 爆弾は外して、発信機だけなので、荷物が朱里の家に着くころには、俺は自由になっているはずだ。


「いろいろ世話になったな。この借りは必ず返す」

 ジェネの家に滞在中には、食事、休憩を満足に取らしてもらった。

 さらに、武器として使えそうなものまで用意してくれた。さすがに銃などはないが、ナイフや、小型爆弾、携帯電話、そして金庫を開けるための特殊用具。

 そして、俺がジェネの家に来たことなども、一切口外しないと約束してくれた。

 リコの情報網を持ってしても、この絵卑家までは及ぶまい。

 晴れて俺は自由の身となった。

 残りの時間は三十四時間。解毒剤の効果発現の時間も考慮すれば、あと三十時間くらいがリミットだろう。


 ジェネの家からは、車を一台拝借した。いつまでも盗難車で逃げるわけには行かない。

 後は爺の家へと向かうだけだ。

 発信機は運搬屋に運ばれて、ゆっくり朱里の家へと向かっているはずなので、俺の足取りは追えまい。


 三時間くらい車を走らせ、爺の家へとついた。

 骨頭屋は店番がいないらしく、『CLOSE』 の看板が掛かっている。

 裏口の鍵は古いものなので、すぐに解錠することが出来た。

 中には人の気配はない。

 早速金庫の鍵を開ける作業へと取り掛かる。

 番号は、毎月変更されているので、無理やり開けるしかないのだ。


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