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第二章 プロセス(進化) 11

 警察には、シーズから連絡が行っていた。

 俺が突入すると同時に、多くの捕らわれた人と、薬物中毒者が多数いることも言い含めてあり、それなりの部隊と、救急車がこちらへと向かっているはずだった。


 地下四階まで降りてきたが、朱里の父親も母親も、その他一族の顔もまだ見ていない。

 深夜なので、仕方ないが、彼等主犯が捕まらないことには事は収まらない。決定的な証拠を握り、突きつけるしかない。それが今回の目的である。

 人体実験の現場や、有り様は、デジカメにて撮ったが、それだけでは不十分だ。

 奴隷となっていた人達の名簿や、出所の分かる資料がいる。


 さらに下へと階段を降りる。

 地下五階に降り、扉を開けると、そこは豪華な大広間になっていた。

 深夜にもかかわらず、煌煌と大きなシャンデリアがついており、中央には、大理石のテーブルに、床もおそらく大理石だ。

 奥にいける扉が二つ見える。

 そこに人の気配はない。


 足音を立てずに、右側の扉へと向かう。

ガチャ

 鍵が掛かっていない。

 静かに扉を押す。中は真っ暗で何も見えない。

 懐中電灯を口にくわえ、前を照らしながら奥へと入って行った。


 部屋の中は結構広く、奥にはベット、シャワールーム。手前の大きなテーブルの上にはパソコンが置いてある。

 引き出しには鍵がかかっていた。

 時間が惜しいので、引き出しの鍵を銃で壊した。

 同時に、パソコンの電源も入れて、持ってきたUSBを用意した。


「そこまでだ」

 はっ、と声の方を向くと、そこには大男が立っていた。

 気配などは微塵もさせずに。

 部屋は暗く、逆光のようになっていたので、はっきりとは顔を見れなかったが、見覚えのある風貌だった。

 

 俺が拳銃を構えるより速く、俺の胸には麻酔の弾が突き刺いた。

 ここまで来るのに、手強い相手はいなかった。

 用心棒などの類の者が一人や二人いてもおかしくないはずなのだが。

 そして主犯なども、誰一人としていない。

 俺の計画が漏れていたということなのか。


 薄れ行く意識の中で、朱里の笑顔が浮かんだ。

 これで彼女が救えたのだろうか。


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