7話•壁がそこにはある
ドグート先生が来てから3ヶ月。文字は着々と覚えられていて幼児向けの本くらいなら読める様になった。まだまだ書斎にある魔法の本だったりは読めないけどだいぶ進歩してると思う。まぁ最近は実験のこととかも考えられてないんだけどね…
そして肝心の魔法はというと、
「ぐぬぬぬぬぬ!ふぅん!はぁ!とぅ!」
「…」
「えい!とやぁ!」
「だ、大丈夫ですよ!きっとできるようになります!」
ご覧の通りダメダメです…なんというか!難しいんだよ!こう!魔法陣の四角が火になるってのが理解できないんだよ!火っていうのは酸化反応だろ!いくら魔力があるからと言って四角が火になるわけないじゃないか!
「大丈夫ですよ、ナオ様。ナオ様の学習速度は普通に子に比べて相当早いですし、魔法が苦手でも遅れを取ったりはしません!むしろ他の子より進んでいます!」
「ありがとうございます、せんせい…」
うぅ…先生の優しさが心に沁みるぜ!
早く使えるようになりたいなぁ…でも理解できないからね。図形だけ覚えても発動するもんじゃないみたいだし。どうしようかなぁ…
ーーーーーー
クーゼルの執務室にて
「ふむ。報告ありがとうドグートさん。」
「いえ、ナオ様はとても熱心で文字の習得は順調、算術に関しては教えることがないレベルなのですがね」
「困ったわねぇ。あなた、どうするの?ナオちゃんの学園への受験やめておく?」
執務室ではクーゼル、リアスとドグートが対面に座って話していた。
「いや、リアス。ナオは逸材だ、学園に入学できないことはないだろうしナオの将来を考えると学園に行かせておくべきだろう」
「そうは言ってもあなた、魔法が使えない子が学園に行くのはいじめの種になるわよ!それも魔道伯家の次男ともなればあの子がどんな目にあるか…」
重く苦しい雰囲気が部屋を支配した。
誰一人として言葉を発せずナオのことだけを考える沈黙。
この沈黙を破ったのは
「ナオ様を外にお連れするのはいかがでしょうか?」
ドグートだった。
「ナオ様はまだ外に出たことがないと聞いております。私は男爵家の生まれですから幼い頃から外に出て遊んでおりその際に見たことは魔法へのイメージに繋がっていることが多くあります。幼少期の経験は魔法の形に大きく影響するという論文もありますし、ここは気分転換にいかがでしょうか?」
「ふむ。確かにナオもそろそろ外に出てもいいかもしれないな。せっかくならナオと同い年ぐらいの子も探してみよう。友人という存在があの子に良い影響を与えるかもしれない」
「そうと決まれば用意しないとね!ナオちゃんの初めてのお友達かぁ。どんな子かしら!」
「では大体1ヶ月後くらいに近くの森に行けるように用意を整えておこう」
それぞれこの策がうまくいくようにと心の中で強く願いながら執務室を出て行った。
読んでくださってありがとうございます!
誤字脱字などがありましたら教えていただけると嬉しいです!(コメントや反応もお待ちしてます!)
不定期更新になるので書けたら上げていくので気長に待っていただけたら幸いです。
ドグート先生もといい、シイナさんはとっても優しい女性です。ドジだけど。王立学園の大学校魔法学部を次席で卒業しています。ドジだけど。魔力量は銀級です。ドジだけど。そんな愛嬌溢れるドジっ子天才先生!応援してあげて欲しいです!




