2話・テンプレは守りましょう
見渡す限りの白い雲の上で神は一人楽しそ…いや、笑いこけながら世界を見つめていた。
「あはは!赤ん坊から人生やり直すのって思春期終わったとはいえ大学生にはまだキツいものがるよねwぐふふw」
「こうなること分かってんなら神、ちゃんと対策しとけよ!」
「ごめん、ごめんw おっと、そろそろ君のお母さんが戻ってくるな。それじゃあ頑張ってね〜」
「あ、ちょっ!話はまだおわっt」
神が覗いていた雲で囲われた窓はどこかへ飛んでいってしまった。
「頑張ってくれよ、上谷直生君。いや、ナオ・フィン・アストライトくん。」
ーーーーーーー
天国のお父さん、お母さん、俺は今元気な赤ちゃんをやってるよ…
「あぅ!あうああう!(いや!理解できるか!)」
「あらあら、どうしたのナオちゃん」
この俺のことをナオちゃん呼びしているのは今の世界のお母さんだ。名前はリアス・フィン・アストライト。腰まで伸びた上品な金髪に穏やかな緑色目が特徴の美人さんである。
そして!この美人さんにオムツなんかを変えられる羞恥!こんなの思春期過ぎた人なら誰でも恥ずかしい!
はぁ、それにしても広いベットの上で寝っ転がって天井を見ているだけだけど天井の至る所に施されている装飾が家の格の高さを物語っている。
俺はなんと貴族の家に生まれたのだ。
「リアス、どうだいナオの様子は?」
「クーゼル!とっても元気いっぱいで可愛いわよ!」
「そうか、そうか、うん。やはりシルと似てとても愛おしいな」
「そりゃ私とあなたの子ですもの」
この現在進行形で親バカアンドアツアツを見せつけてくれているのがこの世界の両親だ。
父であるクーゼル・フィン・アストライトは黒髪黒目で顔に常時優しさが滲み出てるイケメンだ。
そして会話に出てきてるシルとは俺の3歳年上の兄だ。容姿は母さんに似ていて金髪緑目の美少年!3歳とは思えないぜ!
これは俺の容姿も期待できるかも?
でも、一番のこの家族の特徴は愛情の深さと優しさだろう。みんな俺のことを本当に大事にしてくれている。転生して1週間くらいだが屋敷の使用人達もみんないい人なのだと良く分かるくらい親切だ。
この家に生まれて来れてよかった。
そう思いながら俺は静かに瞼を閉じだ。
ーーーーーー
転生して7ヶ月が経ちました…
え?7ヶ月も何してたのかって?ハイハイも出来ないからベッドの上ですやすやですよ!
でも、父や母が寝る前にしてくれる物語からわかったことがある。
1つ目はこの世界の星は元いた世界とほぼ同じということ。というのもこの世界の魔法は星に関係してる分天文学が進んでいるのだ。だから地動説が支持されてたりする。
2つ目にこの世界には地球と同じくらいの重力がある可能性が高いことだ。これはただの感覚でしかないが体の動かしやすさがほぼ同じなのと地動説を支持していることから少なくとも重力は存在しているのだろう。
この二つの点から基本的な物理現象はほぼ地球と同じであると仮定してみることにした。
「あ!あぅあぅあーあーあぅああ!(さぁ!テンプレ本読みの天才児の始まりだ!)」
まだ生後7ヶ月、ハイハイするには難易度が高いのでほぼ這いずっている状態だが仕方ない。これで書斎を目指す!
「ゼェーゼェー」
とても赤ちゃんが出す音とは思えないな…
兎にも角にも!書斎にたどり着けたことを祝おう!
とりあえず一番下の棚に入ってる本を引っ張り出してみる。
まぁ、なんて書いてあるか分からないんだけどね…
こういう転生ってボーナスで自動翻訳とか貰えるんじゃないのかな!あ、でも話し声とか音だと日本語に聞こえるんだよね。うーん。あの神のことだからサボったか…?
ふむ…
本を読み始めて20分、文字はよく分からないが複雑な図形の合わさりみたいなのがたくさん書いてある本だった。多分これが魔法陣というやつなんだろう。
しかしこれだけの数の図形にさらに立体図形らしきものまであるのでこの世界は本当に魔法基準で進んでいるんだと思い知らされる。
「あら、ナオちゃんそろそろお昼寝の時間よ」
あ、お母さんだ…
ふぅ、こうやってお母さんに見つかるのもテンプレだよな…
ナオはリアスにベッドへと連れてかれるのであった。
読んでくださってありがとうございます!
誤字脱字などがありましたら教えていただけると嬉しいです!(コメントや反応もお待ちしてます!)
この作品での以下の言葉のおおまかな意味は下記のとおりです。(一般的な意味と所々違っている点があるかもしれませんが温かい目で見守っていただけると幸いです!)
地動説:地球は他の星と同じく太陽の周りを回っているとする説
重力:物質同士が引き合う力(引力)+星の回転による遠心力




