番外編 バストサイズ女子談義
教室。西日が長く差し込む窓際で、山城が机に突っ伏しながら、絞り出すような溜息をついた。
「……なあ、久遠。俺、この数日寝る間も惜しんで研究したんだよ。今年の1年女子、マジで『豊作』すぎるぜ」
山城は、もはや義務教育の教科書を語るような真剣な面持ちで、独断と偏見に満ちた「1年女子・バストサイズトップ3」の講義を始めた。
「まず、異論なしのボリューム第1位は、3組の佐々木陽茉だ。そうだろう湊?」
山城が椅子をガタつかせ、身を乗り出す。山城の言葉を背中で聞き、俺はつい佐々木を想う浮かべてしまった。
佐々木陽茉。彼女を一言で表すなら「生命力の塊」だ。茶髪を高い位置で結い上げたポニーテールが、彼女の快活な動きに合わせて生き物のように弾む。身長は162cmといったところか。すらりと伸びた手足は、女子校生らしい瑞々しさに満ちている。
だが、そんな彼女のモデルのようなシルエットを完膚なきまでに「破壊」しているのが、その胸元に鎮座する圧倒的な乳房だ。
「あいつの距離感の近さは反則だ。話しかけるたびに、あのポニーテールと一緒に、爆乳がブルンブルンって……。旅館関係の娘っていうサービス業の出自も効いてるよな。あいつ、男子が何を求めてるか本能的に理解してやがる。男を立て、悦ばせる仕草、視線。その際、制服のVラインから覗くあの『乳の海』……まさに歩く兵器だ…」
山城の言う通り、彼女の魅力は「サービス精神」にある。男子の輪に自然に溶け込み、時に軽く腕を触れさせ、時に前屈みになって机を覗き込む。そのたびに、佐々木の豊かなバストは重力に従い、ブラウスの内側で重厚な波形を描く。それに佐々木陽茉というグラマラスバディな美少女はいつも一生懸命な印象だ。
さらに山城が指摘するのは、その下半身の完成度だ。
「ウエストはあんなに引き締まってるのに、ケツは3人の中で一番デカい。安産型どころの騒ぎじゃねえ。あの爆乳とデカいケツを同時に持ち歩いて、なおかつ爽やかに笑える。あいつは男をダメにするために生まれてきたようなもんだ」
彼女の肌は、旅館関係の仕事を手伝っているせいか、どこか健康的な色艶がある。立ち振る舞いには「もてなし」の精神が宿り、男子生徒たちは彼女と話すだけで自分が特別な存在になったかのような錯覚に陥る。しかし、その「特別な視線」は、彼女にとっては誰に対しても平等に振りまかれる「業務用」の慈愛に過ぎないのかもしれない。
第2位:1組の一ノ瀬綾乃 —— 静寂に眠る深淵の黒髪隠れ爆乳
「で、まさかの第2位が、1組の一ノ瀬綾乃だ」
山城が声を潜め、獲物を狙う目つきになる。
一ノ瀬綾乃は、佐々木とは対照的な「静」の象徴だ。腰まで届く見事な黒髪ロングは、カラスの濡れ羽色のように滑らかで、彼女が図書室の片隅で本をめくるたびに、微かな紙の匂いと共に揺れる。
彼女はいつも、猫背気味に身体を丸め、自分という存在を周囲から消そうとしているように見える。
だが、そのような消極的な振る舞いこそが、山城のような観察者の欲情を最も激しく煽るのだ。
「あいつ、普段はダボッとしたカーディガンで隠してやがるけど、俺は見逃さなかった。棚の上の方に手を伸ばした瞬間、服がパツパツに張り詰めて、その下にある『本当の質量』がボインッて弾けたんだ。清楚な文学少女の仮面を被って、あんな凶悪な隠れ爆乳を育んでるなんて、どんな背徳行為だよ」
一ノ瀬の肌は抜けるように白く、少し冷たそうな印象を与える。だが、その白いブラウスの下に秘められた肉体は、佐々木のそれよりも遥かに「肉」としての純度が高い。
彼女が前屈みになって読書に耽る時、机に押し付けられたバストは無慈悲に変形し、カーディガンの上からでもその輪郭が浮き彫りになる。
「一ノ瀬も、あの細いウエストの下にかなりデカいケツを隠してやがる。歩く時に少しだけ横に振る尻の動き……。あれは自覚して隠してるのか、それとも無自覚に男を誘ってるのか。どちらにせよ、あのギャップに脳が焼かれない奴はいねえ」
一ノ瀬綾乃という少女は、深海のような女だ。表面は静まり返っているが、その深淵には熱を帯びた、重苦しいまでの肉の感触が眠っている。彼女と目が合うと、眼鏡の奥の吸い込まれるような瞳に、自分のドロドロした欲望まで見透かされているような気分になる。
第3位:1組の高嶺莉桜 —— 透明感という檻に閉じ込めた「究極の上向き」
「そして……最後は俺たちの女神、高嶺莉桜だ」
山城の口調から、欲望が漏れ出す。
高嶺莉桜。
155cmという小柄なフレームは、他の二人と比べても一際華奢に見える。だが、その存在感は教室の空気を支配するほどに強烈だ。陶器のような白い肌、色素の薄い瞳、そしてどこかこの世の者とは思えないほどの透明感。
しかし、その聖母のような美貌を裏切るように、彼女の胸元には「凶器」が仕込まれている。
「サイズなら、佐々木や一ノ瀬に数センチ負けるかもしれねえ。だが、問題はそこじゃねえんだ。莉桜の細い腰から繋がるバストは、あのボリュームであって、なおかつ挑発的なまでに『ツンと上を向いてやがる』んだよ。湊、分かるか? あの重力を拒絶したような張り、暴力的なまでの弾力。白ブラウスを内側から鋭角に押し上げるあのライン……あれはまさに、男を吸い寄せ、仕留めるためだけに神が設計した乳だぜ」
山城が悶絶するように机を叩く。
莉桜のバストは、単に「大きい」のではない。男に対して「挑発的」なのだ。小柄な彼女が少し胸を張るだけで、その先端は周囲を威圧するように突き出し、制服のボタンを物理的に限界まで追い詰める。
佐々木が「包容」であり、一ノ瀬が「深淵」であるなら、莉桜は「挑発」だ。
「俺の見立てでは高嶺のスリーサイズはなぁ、バスト94cm、ウエスト56cm、ヒップ92cmのHカップのドスケベボディだ。それだけに、あのデブ中年教師の肥田が許せねえ。教師の権力を盾にして、高嶺を『女子補助委員』なんかに任命しやがって……。歴代の委員もグラマラスな美人ばかりだったって聞くし、女子補助委員任命は女子達の間じゃ名誉だっていうが、あんな脂ぎったデブの至近距離に、莉桜のあの透明感と上向きバストがあると思うだけで反吐が出る」
肥田。あの太った中年教師は、確かに女子生徒から、または男子にも裏で嘲笑されている存在だ。そんな男が、莉桜に何をさせるのか……。山城は勝手な被害妄想と嫉妬に震えている。
「他にもEからFカップの美人は何人もランクインを狙ってんのによ、莉桜のあの乳圧の前じゃ、全部霞んじまうんだよな……」
山城は、莉桜が自分に微笑んでくれたあの日から、彼女という幻想に囚われている。彼女が自分を「楽しみにしてる」と言った言葉を信じ、毎日送っているメッセージに指を震わせている。
教室を支配していた山城の濁った熱弁を、不意に、鮮烈な「甘い香り」が切り裂いた。
バニラに微かな果実を混ぜたような、体温を帯びた少女の匂い。
「ねえ、きみたち」
鈴を転がすような、けれど逃げ場を奪うような凛とした声。
机に突っ伏していた山城が、弾かれたように顔を上げた。「あ、あ……っ」と声にならない悲鳴を漏らす彼の視線の先、俺たちの机のすぐ横に、高嶺莉桜が立っていた。
彼女が軽く腰を曲げて覗き込んできたせいで、視界の大部分が「白」に埋め尽くされる。
キツキツの第二ボタンまで開け放たれた白ブラウス。山城が絶賛していた、あの**「挑発的なまでに上を向いた爆乳」**が、重力に従って俺たちの目の前へとせり出してきた。机の端に、ずっしりとした質量を伴ってその双丘が乗り上げる。
「さっきから何か熱心に話してるけど……。また私や女子の体のことでも格付けしてるのかな?本当に仕方ない子たちだね」
莉桜はいたずらな猫のように目を細め、上目遣いで俺の瞳をじっと覗き込んできた。わずか数センチの距離。彼女が呼吸をするたびに、ブラウスのボタンがパツパツに張り詰め、その隙間から覗く生々しい谷間の熱気が俺の頬を撫でる。
「佐々木さんや一ノ瀬さんと比べてるの?」
彼女はわざとらしく、隣で固まっている山城をチラリと見た後、再び俺に視線を戻した。その瞳には「全部知っている」という愉悦の色が浮かんでいる。
「……そ、そんな、格付けなんて、莉桜さんに限ってそんな失礼なこと!するまでもなく一位ですッ!!」
山城が顔を真っ赤にして、壊れた玩具のように首を横に振る。だが、その鼻先わずか数センチの場所では、莉桜の爆乳が「プルンッ」と重厚に弾み、彼から正常な判断力を奪い去っていた。
「山城くんは、あんなに毎日私にエッチなメッセージ送ってきてくれるものね」
莉桜がくすくすと、鈴を転がすような明るい声で告げると、山城の顔は沸騰したヤカンのように真っ赤になった。
「はいっ!! 当然ですっ!! 湊が勝手に言ってるだけですから!!」
山城は、自分の卑猥な独白が莉桜に届いていること、そしてそれを彼女が明るく「受け入れている」ことに、絶頂に近い興奮を感じていた。だが、山城の鼻先わずか数センチの場所では、莉桜の爆乳が「プルンッ」と重厚に弾み、その圧倒的な「実物」の威圧感に、彼はもはや言葉を失い、喉を鳴らすことしかできない。
莉桜は山城のそんな狼狽を、クスッ、と楽しそうに笑うと、机についた手にグッと力を込め、さらに俺の方へと身を乗り出してきた。
「久遠くんはどうなの? 君も山城くんと一緒に、私をやっぱり『エッチな言葉』で測ってたのかな?」
彼女の豊かな胸元が、俺の腕に触れるか触れないかの距離で静止する。
山城からは絶対に見えない死角。彼女は俺にだけ分かるように、茶目っ気たっぷりに片目をパチンと閉じてみせた。
「……っ。俺は……別に、あいつと一緒にしないでくれ」
俺が動揺して視線を逸らすと、莉桜はさらに顔を近づけ、ひそひそ声で俺の耳元をくすぐる。熱い吐息が直接肌を撫でた。
「……うそつき。久遠くん、私には一通もメッセージくれないじゃない。山城くんみたいに、もっと私に興味持ってくれてもいいんだよ?」
逃げようとした俺の腕に、彼女のバストがわざとらしく「ブルンッ」と重厚に押し付けられた。白ブラウス越しに伝わる暴力的なまでの熱と乳圧。俺の理性が、限界の音を立てて悲鳴を上げる。別に送らなかったわけじゃない、毎日送ろうとしていたけど、送れなかっただけだった。
「……わかった。送ればいいんだろ、送れば」
俺が半ばやけくそでそう答えると、莉桜は「あはは、やったぁ!」と、今日一番の花が咲くような満面の笑みを浮かべた。
「約束だよ? 毎日、ちゃんと私にメッセージ送ること。山城くんのに負けないくらい、私をドキドキさせるやつ……期待してるんだからね」
彼女は満足げに、そして最後の一押しとばかりに、その重質量を俺の肩に一度だけわざとか「ブルンッ」と軽く当ててから、軽やかに上体を起こした。




