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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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85/407

黒き天使 第三章 – 第85話 「過去の影」

第三章、第85話です。

今回は戦いの前に、それぞれが背負う「過去」を描きました。

トーナメントは力だけでなく、想いもぶつかる場所です。

次回、第一フェーズ最後の試合が始まります。

時の守護者たちの勝利から数時間。

闘技場の熱はまだ冷めていないが、第一フェーズ最後の試合を前に、選手たちはアルファ組織の大広間に集められていた。

長いテーブルには高エネルギー食と異星の果実。

だが誰も、味を楽しむ余裕などない。

それぞれが、来る戦いを思っていた。

ヴァンダーは豪快に笑いながら食べ続けている。

リーとリウは小声で戦術を確認している。

その少し離れた場所で――

ララは俯いていた。

レオンがそっと隣に立つ。

◆過去

炎に包まれた大広間。

アレスの襲撃。

崩れ落ちる柱。

血を流すローラが幼いララを抱き締めている。

そこへ現れたのが、ディレクター・ドリアだった。

彼の隣には幼いダリアム。

「あなたと娘は、私の庇護下に置く。」

ドリアは静かに言った。

「誰も二度と触れさせない。」

その日から、ララはドリアの家族のように扱われることになる。

だが。

それは保護であり――同時に、鎖でもあった。

時は流れる。

惑星G26。

若き日のダリアム。

傲慢。力に溺れ、常に中心にいる男。

十八歳でK11に戻った彼は、成長したララを見た。

その瞬間。

恋ではなく、所有欲が芽生えた。

だがララの視線は――

レオンへ向いていた。

その笑顔は、本物だった。

そしてその時。

ダリアムの心に生まれたのは、愛ではなく憎悪だった。

◆現在

「大丈夫だ。」

レオンが静かに言う。

「俺たちは準備してきた。感情に飲まれるな。」

ララは顔を上げる。

「……うん。」

遠くでダリアムが二人を見ていた。

拳を強く握り締めながら。

ドリアは息子に近づく。

「怒りに支配されるな。」

「勝ちたいなら、冷静に戦え。」

ダリアムは目を細める。

「分かっている。」

だがその瞳には、炎が宿っていた。

リーがレオンに歩み寄る。

「緊張してるか?」

「少しだけ。」

レオンは笑う。

「でも、始まれば消える。」

リーは肩を叩く。

「驚かせてみろ、弟。」

その時。

黄金の光が大広間を包む。

ローラが現れた。

ララを強く抱き締める。

「誇りに思うわ。」

「でも無理はしないで。」

ララは母の腕から離れる。

その瞳は揺れていない。

「私の目的はダリアムじゃない。」

「お兄ちゃんを止めること。」

リーは遠くから見守り、わずかに微笑んだ。

闘技場の鐘が鳴る。

第一フェーズ最後の試合。

レオンとララが階段を上る。

反対側から、ドリアとダリアムが現れる。

家族。

約束。

歪んだ想い。

すべてが交差する。

四人が中央で向き合う。

空気が凍りつく。

――始まる。

(続く)

第85話を読んでくださり、ありがとうございます。

本日は新しいワンショットも公開しました。

本編とは少し違う雰囲気の物語になっていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

また、作者ページでは:

・世界観楽曲

・キャラクタープロフィール

・外伝ストーリー

も掲載しています。

ブラジルで働きながら、少しずつ書き続けています。

応援や感想が本当に励みになります。

次回、第86話はいよいよ激突です。

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