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リムの啓示

この章では、物語の大きな真実が少しずつ明らかになり始めます。

力を持つことは、必ずしもそれを制御できるという意味ではありません。

そして、真実は常に簡単に受け入れられるものでもありません。

ここからレオンは、外の敵だけでなく、自分の内側にあるものとも戦わなければならないと気づき始めます。

物語を読んでくださりありがとうございます。

このエピソードが、読者の皆さんにも何かを考えるきっかけになれば嬉しいです。

第8話 ― リムの啓示

前回、リーはレオンと話している最中にララから呼び出され、急いで部屋を出ていった。レオンには部屋から出ないよう言い残して。

夜の静寂が支配する中、月明かりが窓から差し込み、室内を淡く照らしていた。

リーは静かに扉を開ける。

そこにはベッドに横たわる母ローラの姿があった。彼女の顔色は悪く、明らかに精神的な衝撃を受けている。ベッドの傍らにはララが座り、彼女を守るような眼差しを向けていた。

「……話せる状態よ」

ララが静かに言う。

ローラは弱々しく息を吐き、ゆっくりと口を開いた。

「リー……私たちの想像より、ずっと深刻よ。ララの考えは正しかった……あの少年……レオンの中には――リムがいる」

リーの身体が硬直する。

「彼は古代クリザーディアンの神……リムの器よ。私は見たの。あの力は計り知れない……もし彼が制御を失えば、あなたでも止められないわ」

ララが息を呑む。

「母さん……何か言ってたの? その存在……」

ローラは震える手を見つめながら続ける。

「心の中に入った時……あの獣が私の首を掴んだ。そして言ったの。“お前はあの女に似ている……裏切り者だ”と……誰のことかは分からない。もしかして……女神ララのこと? でも……なぜ彼女が裏切り者なの……?」

彼女の声はかすかに震えていた。

「……あのまま、私は死ぬところだった」

レオンの精神世界は混沌そのものだった。

黒い炎が渦巻き、空間は歪み、冷たい風が吹き荒れている。

その中心に、巨大な存在がいた。

黒い翼、蛇のようにうねる尾、鋭い爪。

そして、闇の中で燃える黄色の眼。

「ここに来るべきではなかったな……」

低く不気味な声が響く。

「お前は……あの女に似ている……裏切り者に……」

次の瞬間、獣はローラの喉を掴み上げた。

声が出ない。息ができない。

その時だった。

暗闇を貫くように、白い光が差し込んだ。

時間が止まったかのように、空気が静まる。

光の中から伸びた手が、ローラの手に触れる。

「――退け」

穏やかでありながら絶対的な威厳を持つ声。

獣は怯えるように後退し、影の中へ消えていった。

光は温かく、深い安らぎを与えた。

そして――ローラは目を覚ました。

部屋へと意識が戻る。

リーとララは沈黙したまま、話を聞いていた。

「答えを見つけたと思ったら……また新しい謎だな」

リーが低く呟く。

その時、扉がノックされる。

入ってきたのは元総監督ドリアだった。

「体調はどうだ、ローラ?」

「大丈夫……でも時間がないわ。評議会を集めないと」

リーがすぐに口を挟む。

「待ってくれ。このことを全部公表するのは危険だ。評議会は状況を理解しない。ただ力を奪おうとするだけだ」

ドリアが鋭くリーを見る。

「……そこまで言う理由は?」

ローラが答えた。

「レオンは……リムの器なのよ」

ドリアの顔から血の気が引いた。

重苦しい沈黙が部屋を包む。

彼は理解していた。

クセプリオン評議会は長年、クリザーディアンから覇権を奪う機会を狙い、リーを利用して父アリスを殺させようとしている。

しかしリーもまた、妹ララの協力で彼らを密かに監視していた。

「……行こう。評議会に知らせるしかない」

ドリアが言う。

ローラは小さく息を吐いた。

「ええ……もう隠しきれないわ」

一方その頃、レオンは部屋で一人座っていた。

自分の手を見つめる。

胸の奥で何かが蠢いている。

「……俺の中に……何がいるんだ……?」

その時、頭の奥で声が響く。

「お前は私の器だ……まだ自分を知らないだけだ」

レオンの瞳が一瞬、暗い金色に輝いた。

彼は息を呑む。

「……俺は……一体、何なんだ……?」

部屋の中に、静かな不安だけが残った。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

今回のエピソードは、レオンの成長と、カイロスとリムに関わる謎にとってとても重要な回です。

これから少しずつ答えが見えてきますが、同時に新たな疑問も生まれていきます。

物語はまだ始まったばかりです。

気に入っていただけたら、ぜひ感想や評価をいただけると嬉しいです。執筆の大きな励みになります!

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