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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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黒き天使(ブラック・エンジェル) 第二期 第35話

ここまで『黒き天使ブラック・エンジェル』を読んでくださり、本当にありがとうございます。

 第35話では、レオンの成長と現実の壁、そしてアレスの側で起きている出来事が同時に描かれます。

 力とは何か、正義とは何か――それぞれの立場によって答えが変わっていく回になります。

 リーは剣で道を切り開き、レオンは心で人を守ろうとし、そしてアレスは秩序で世界を支配しようとする。

 同じ「平和」を求めているのに、三人はまったく違う方向へ進んでいます。

 今回の話は、これから始まる大きな衝突の前触れになります。

 ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

「砕けた鎖と天の声」

 訓練室の空気は張り詰めていた。

 誰もが息を呑んでいた。

 レオンとオメガ組織の長――その対峙に、視線が集中している。

 レオンは深く息を吸い、構えた。

「本当に強いのか……確かめさせてもらう」

 次の瞬間、床が爆ぜた。

 衝撃波と共に、レオンの身体が一気に前方へ跳ぶ。常人の目では追えない速度だった。

 オメガの長は無言で手をかざす。

 緑色の防壁が展開される。

 しかし――

 ガキィン!!

 狼の爪がそれを切り裂いた。

 防壁は崩壊し、レオンの一撃が届く――はずだった。

 だが、彼の背後に気配が現れる。

「遅い」

 声と同時に、空間が歪んだ。

 瞬間移動。

 次の瞬間、レオンの体は見えない圧力に押し潰され、床へ叩きつけられた。

 空気が震え、周囲に風の渦が巻き起こる。

 電撃が弾け、訓練室の壁が軋んだ。

 やがて拘束が解け、レオンは膝をつく。

(……強い)

 彼は息を整えながら立ち上がる。

(まだ奥さんは動いてないのに……)

 再び突進する。

 拳と蹴りの連撃。

 だが、オメガの長はわずかに身体をずらすだけで全てを回避した。

「それだけか?」

 冷たい声だった。

 レオンの目が光る。

 次の瞬間――

 身体が膨れ、骨格が変わる。

 完全な狼形態。

 口を開き、咆哮と共に光線が放たれた。

 轟音。

 再び防壁が展開される。

 その時だった。

 空中から、優雅な影が降りる。

 オメガの女長官だった。

 彼女が指を振ると、黄金の鎖が出現し、レオンの体を拘束する。

 体が動かない。

 だが――

 黒いオーラが、レオンの体から噴き出した。

 バキンッ!!

 鎖が砕ける。

 同時に、背後に現れた長がレオンの後頭部へ正確な一撃を入れた。

 視界が白く弾ける。

 レオンは人の姿に戻り、そのまま床へ倒れた。

 周囲から笑い声が起きる。

「リーとは全然違うな」

「弱いじゃないか」

 ダリアムが鼻で笑う。

「安心したよ。あれは負け犬だ」

 その時、扉が開いた。

「レオン!」

 ララだった。

 彼女は駆け寄り、倒れた彼を支える。

「何してるの?!」

「ただの……準備運動だ」

 女長官は穏やかに微笑む。

 ララは彼女を警戒したまま、レオンの腕を引いた。

「今日は終わり!」

 レオンは苦笑した。

「楽しかったよ。本番が楽しみだ」

「夫婦対決になりそうね」

 その言葉にララの頬が赤くなる。

「行くよ!」

 彼女はレオンを引きずるように連れて行った。

 去った後、二人の長は顔を見合わせた。

「素質はある」

「問題はリーだ」

 その頃――

 クリザンド王宮。

 暗い玉座の間に、二十体の預言種族“ヴィデウ”が鎖で拘束されていた。

 玉座の前に立つ男。

 アレス。

「なぜだ」

 低い声が響く。

「なぜ、リーの行動を予知できなかった」

 沈黙。

「答えろ」

 彼は一体の首を掴み上げた。

「言わなければ殺す。お前たちは最後の生き残りだ」

 震えながら、一人が立ち上がる。

「……我らの視界が……遮られているのです」

 その瞬間、アレスの爪が喉を裂いた。

 血が落ちる。

 すると、残ったヴィデウたちが同時に叫んだ。

「イェシュア! イェシュア! イェシュア!」

 玉座の間が凍りつく。

 ――回想。

 暗い牢に光が差し込む。

 そこに、ひとりの男が立っていた。

「恐れるな」

 穏やかな声。

「大きな出来事が近い。だから、君たちの力は一度取り去られた」

 彼らは膝をつく。

「私に従うなら、自分の十字架を背負いなさい。

 告白して死ぬか、沈黙して闇に仕えるか。選ぶのは君たちだ」

 光は消えた。

 現在。

 一人のヴィデウがアレスを睨む。

「創造主は戻られた。もう従わない」

 彼らは歌い始めた。

 祈りの歌だった。

「やめろ!!」

 アレスの体から黒炎が噴き出す。

 炎が彼らを包み込む。

 その時――

 炎の奥に、両腕を広げた光の姿が立っていた。

 静かに、魂を迎えていた。

 やがて炎は消えた。

 沈黙。

 アレスの瞳が、わずかに揺れる。

 だが彼は何も言わなかった。

(続く)

第35話を読んでいただき、ありがとうございました!

 今回はアクションだけでなく、「信念」の違いを特に意識して書いた回です。

 レオンは救いを信じ、リーは犠牲を選び、アレスは支配による平和を信じています。

 誰が正しいのかは、まだはっきりしません。

 ですが、この三人の思想がぶつかった時、物語は大きく動き始めます。

 そして物語はいよいよ、トーナメント編とアレス側の動きが本格的に交わっていきます。

 次の話から、さらに緊張感が増していく予定です。

 ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 もしよろしければ、ブックマークや感想をいただけると大きな励みになります!

 次回もよろしくお願いします!

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