第二十九話 ミッション・イン・Color00(前編)
読者の皆さま、こんにちは。
『黒天使ユニバース(ブラック・エンジェル)』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
前回までの出来事で、レオンたちは多くの真実に近づき始めました。
しかし宇宙の戦いは、まだほんの始まりに過ぎません。
今回の任務の舞台は「Color00」という不思議な惑星です。
命が宿っているかのように輝く砂漠、そしてその裏で動き始める新たな脅威――。
仲間と共に進むレオンたちの戦いと成長を、ぜひ最後まで見守っていただけたら嬉しいです。
それでは、第29話をお楽しみください。
色の海のような空だった。
赤、青、紫――
空そのものが生きているかのように、ゆっくりと揺れている。
その下に広がるのは、果ての見えない砂漠。
夜になると、砂粒が星のように輝く不思議な惑星――Color00。
輸送船のハッチが開いた。
「……すごい」
ララが思わず息を呑んだ。
「この星……まるで呼吸してるみたい」
隣に立つリウが静かに周囲を見渡す。
「その通りだ。Color00は“生きた惑星”と呼ばれている。だからこそ――」
彼は空を見上げた。
「スピルリアンが欲しがっている」
レオンはゆっくりと地面に降り立つ。
足元の砂が淡く光った。
「……任務を確認する」
振り返り、仲間たちを見る。
「今回の目的は、ある家族の護衛だ。彼らを砂漠の反対側の都市まで送り届ける。何があっても守る。いいな?」
「了解!」
三人のエージェントが同時に返事をする。
少し離れた場所で、保護対象の家族が怯えた様子でこちらを見ていた。
幼い子供が母親の服を強く握っている。
レオンは膝をつき、目線を合わせた。
「大丈夫。俺たちがついてる」
子供は少しだけ安心したようにうなずいた。
砂漠の移動は過酷だった。
強風が砂を巻き上げ、視界が白く霞む。
その時――
銃声が響いた。
「敵襲!」
岩陰から武装した略奪者たちが飛び出す。
レオンが前に出た。
「家族を守れ!」
彼は手をかざす。
風が巻き上がり、砂が壁のように盛り上がる。
――土と風の同時制御。
砂の防壁が弾丸を弾いた。
「す、すごい……」
家族が息を呑む。
ララはすでに走り出していた。
「そこ!」
光の刃が円を描く。
一瞬で三人の敵の武器が弾き飛ばされる。
リウは指を鳴らした。
空気が歪む。
見えない衝撃が敵の一団をまとめて吹き飛ばした。
「数は多いが、弱いな」
数分後、略奪者は全員倒れていた。
子供がレオンの手を掴む。
「お兄ちゃん……ありがとう」
レオンは少し驚き、そして微笑んだ。
「当然だ。守るって言っただろ」
やがて都市が見えてきた。
しかし――
煙が上がっていた。
「……おかしい」
リウの声が低くなる。
門を越えた瞬間、地獄の光景が広がった。
家々が燃え、住民が逃げ惑っている。
鎧を着た戦士たちが暴れていた。
クライザード軍。
ララの目が見開かれる。
「……レオン。あれ」
炎の中に、一際大きな影が立っていた。
真紅の鎧。
燃え上がるようなオーラ。
レオンの表情が変わる。
「将軍クラス……」
男はゆっくり振り向いた。
「ほう……増援か」
圧倒的な威圧感。
空気が震える。
「この星はもう終わりだ。退け、雑兵」
レオンが前へ出る。
「退かない」
静かな声だった。
「俺がいる限り、この星は終わらせない」
将軍の口元が歪む。
「面白い。では――」
炎が爆発した。
戦闘が始まる。
レオンは風と雷を同時に纏い、突進する。
ララが横から援護。
リウが背後へ回る。
三方向からの同時攻撃。
しかし――
将軍の拳が地面を叩いた。
衝撃波。
レオンたちは吹き飛ばされた。
「ぐっ……!」
立ち上がるレオン。
将軍はまだ無傷だった。
「その程度か」
空が赤く染まっていく。
大地に亀裂が走る。
レオンは歯を食いしばる。
(強い……!)
それでも、一歩前に出た。
「まだだ……!」
その時、地面が大きく震えた。
空が裂けるように光る。
将軍が笑う。
「始まったな。この星の終焉が」
レオンは拳を握る。
「……絶対に止める」
砂嵐の中、両者が再び構えた。
――続く。
第29話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回のエピソードでは、チームとしてのレオン、ララ、リウの連携を意識して書きました。
一人の強さだけでは守れないものがあり、仲間と信頼こそが本当の力になる――そんなテーマを描いています。
そして、ついに現れたクリザードの将軍。
Color00の戦いは、ここからさらに激しくなっていきます。次回は戦闘の続きと、レオンの新たな決断が描かれる予定です。
作者ページでは、
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・ワンショットストーリー
・『黒天使ユニバース』の楽曲
なども公開しています。興味があればぜひご覧ください!
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