アンジョ・ネグロ 第二部 ― 第24話「決意」
前書き:
第24話を読みに来てくださり、ありがとうございます!
今回は大会の直前となる準備の回です。
大きな戦いの前に、それぞれのキャラクターが何を思い、何を背負っているのかを描きました。
リーの決意、ララの不安、そしてレオンの覚悟――
戦闘は少なめですが、物語にとってとても重要なエピソードになります。ぜひ感情の変化にも注目して読んでいただけたら嬉しいです!
アルファ組織の艦内は、静まり返っていた。
司令室。
ホログラムの光だけが机を照らしている。
リーは椅子に座ったまま動かない。
そこへリウが入ってきた。
「呼んだか?」
リーは顔を上げる。
「リウ……大会の本当の理由を話す」
空気が変わる。
「ヴァロンは私の力を測ろうとしている。
父と戦えるかどうかをな」
リウは眉をひそめた。
「もうか?早すぎる……
アーリスだけじゃない。スピリアン、五元素評議会……政治も絡む」
リーは拳を握る。
「分かっている。だが計画はある」
彼は低く続ける。
「この話はお前だけが知る。
もし私が失敗したら……母とララ、そしてレオンにすべてを伝えろ。私の遺志もな」
リウの表情が揺れる。
「やめろ、リー……」
リーは微笑む。
「もし私が父に勝てなければ――
レオンが継ぐ。あいつは特別だ」
そして少しだけ表情を緩める。
「それに、ララと賭けをした。
彼女が私に勝てば、父とは戦わない」
リウは驚き、そして笑う。
「なるほどな……あの様子はそれか。
分かった。あいつらを鍛えて、お前を倒させてやる」
二人は手を握った。
「約束だ」
訓練室。
黄色い光が弾ける。
ララが怒りのままに光の構造体を放ち、レオンへ叩きつける。
巨大な拳が何度も振り下ろされる。
「ララ!落ち着け!」
レオンは爪で受け流す。
彼女の目は涙で揺れていた。
レオンは一瞬で距離を詰める。
金色の瞳が輝く。
「もうやめろ!」
空気が静止する。
彼はララを抱き止めた。
「何があった?」
ララは声を震わせる。
「……リーが父と戦う。
夢で見たの……兄が殺されるところを」
レオンは優しく言う。
「つまり、俺たちが勝てばいいんだな?」
ララは頷く。
「そう……」
レオンは真っ直ぐ彼女を見る。
「なら約束する。
俺は負けない」
ララは戸惑う。
「私を責めないの?」
「責めない」
静かに言う。
「怒りに支配されるな。集中しよう」
彼は穏やかに続けた。
「怒ってもいい。でも、その怒りに飲まれるな」
彼女は涙を拭いた。
「……ありがとう、レオン」
その様子を、扉の外からダリアムが見ていた。
拳を握り締める。
「……許さない」
作戦室。
ラウラがリーに向き合う。
「一ヶ月も離れるの?」
「必要な準備だ」
彼は映像を映す。
ララを守るレオンの姿だった。
「もし私が倒れたら、彼が続く」
ラウラの目に涙が浮かぶ。
「そんなこと言わないで……」
リーは微笑むだけだった。
出発前。
リーは三人を集める。
「私はしばらく不在になる。
指導はリウに任せる」
リウが腕を組む。
「覚悟しろ。地獄の訓練だ」
ララは笑う。
「絶対に勝つ」
レオンも笑う。
「もちろん」
リウはため息をついた。
「……聞こえてるぞ」
笑いが広がる。
リーはその光景を見つめる。
優しい笑みと、隠しきれない寂しさ。
やがて彼は一人、廊下を歩き去る。
背中が闇に溶けていく。
物語は、静かに次の戦いへ向かっていた。
第24話 終わり
後書き:
第24話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このエピソードでは、戦いの前の静かな時間と、仲間たちの絆を中心に描きました。
大会編はいよいよ本格的に始まり、物語はさらに大きく動いていきます。
また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しめるように、
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