アンジョ・ネグロ 第二部 ― 第23話「揺れる絆」
前書き:
第23話を読みに来てくださり、ありがとうございます!
物語はいよいよ大会編へと本格的に入っていきます。
今回は戦いの前の静かな嵐――それぞれの想い、家族の問題、そして隠されていた感情が表に出始める回になります。
レオン、ララ、リーの関係が大きく動き始めますので、キャラクターの心情にも注目して読んでいただけたら嬉しいです!
評議会の空気は、先ほどまで以上に重くなっていた。
ララは言葉を失っていた。
隣でレオンがそっと彼女の手を握る。
「ララ……もういい。過去と争っても意味ないよ」
彼女は小さく頷く。
その時――
椅子を引く音が響いた。
ダリアムが立ち上がる。
「おい、クライザディアン」
挑発的な笑み。
「一度戦ってみないか?お前の力、見せてみろ」
レオンの目が細くなる。
しかしララが彼の手を引いた。
「行こう、レオン。相手にしないで」
場の空気が凍りつく。
ロード・ヴァロンがゆっくり立ち上がった。
一瞬で静寂が訪れる。
「大会の形式を説明する」
全員の視線が集中する。
「六つの組織は、それぞれ二組の代表を出す。
トーナメント形式で戦い、再び当たるのは決勝のみだ」
ざわめきが広がる。
「優勝した組織は、私の特別任務の右腕となる。
家族の生活は保証し、重要な機密も共有する」
彼は続ける。
「そして――負けた組織の指揮官は解任だ」
騒然となる。
「不公平だ!」
「無茶だ!」
その時、ヴァンダーの声が響いた。
「黙れ!」
一瞬で静まり返る。
ヴァロンはリーを見る。
「リー、お前とラウラは退室しろ。
お前たちには既に敬意を払っている」
二人は静かに部屋を出た。
扉が閉まると、ヴァロンの声色が変わる。
低く、冷たい。
「この後、私はリーと戦う。
そして――私は負ける」
一同が息を呑む。
「リーが父を倒せば、宇宙の勢力図は変わる。
敵になるな。賢く動け」
室内に緊張が広がった。
夜。
アルファ組織の中庭。
月明かりの下、リーが歩いていた。
そこへダリアムの声が響く。
「出てこい、レオンとララ!」
次の瞬間、リーが現れる。
「やめろ」
冷たい声。
「妹に触れたら――殺す」
ダリアムは笑う。
「脅しのつもりか?」
空気が凍る。
その後、リーの部屋。
レオン、ララ、リウが集まっていた。
ランプの灯りだけが部屋を照らしている。
「大会が始まる」
リーが言う。
「優勝者はヴァロンと戦える。名誉と権力も得る」
彼はレオンを見る。
「本当はお前と組むつもりだった。
だが、お前には成長してもらう」
「私はリウと組む。
お前は自分の相棒を選べ」
レオンは笑う。
「面白くなってきたな。
でも、最後に勝つのは俺たちだぞ?」
リウも笑う。
「夢を見るのは自由だ」
空気が少し和らぐ。
しかし――
ララが真剣な顔で言う。
「……お兄ちゃん、二人きりで話したい」
レオンとリウは部屋を出た。
静寂。
風の音だけが窓から入る。
「この大会……嘘でしょう?」
ララの声は震えていた。
「ヴァロンはあなたの力を見たいだけ。
勝てば……お父さんと戦うことになる」
リーは優しく微笑む。
「本当に大きくなったな、ララ」
彼女は涙を流す。
「夢で見たの。
あなたが……父に殺されるところ」
彼女は抱きついた。
「お願い……やめて」
リーは抱き返す。
「大丈夫だ」
しかしララの目が変わる。
「なら、私が出る」
リーは驚く。
「レオンと組む。
そしてあなたに勝つ」
「駄目だ!母さんが許さない」
ララは怒る。
「私がレオンを好きなのも反対するくせに……
自分はヴァロンと関係を持ってる!」
リーの目が見開かれる。
「……何だって?」
「知らなかったでしょ」
彼女は言う。
「だから私は止めない。
あなたにも止められない」
扉が強く閉まった。
廊下。
レオンとリウが笑っている。
そこへララが現れ、レオンの手を掴む。
「レオン、来て!」
「私があなたの相棒になる。
絶対にリーに負けない!」
レオンは驚きながら引っ張られていく。
部屋の前に残ったリーは静かに呟いた。
「リウ……話がある」
リウの表情が変わる。
闇が二人を包み込んだ。
――続く。
後書き:
第23話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このエピソードでは戦闘よりも、人間関係や過去の因縁に焦点を当てました。
大会はただの戦いではなく、それぞれの覚悟が試される場になります。
また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しめるように、
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