アンジョ・ネグロ 第二部 ― 炎の覚醒 第8話「炎の目覚め」
前書き:
読んでいただきありがとうございます!
『アンジョ・ネグロ 第二部 ― 炎の覚醒』第8話です。
今回は新しい星「ティロン」での物語が始まります。
このエピソードでは、レオンたちが“救うこと”の意味に向き合うことになります。
少し重たい始まりですが、この出来事が後の展開に大きく関わってきます。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
ティロンと呼ばれる惑星は、静かな星だった。
大地は赤く、山脈の奥には誰も近づかない場所がある。
そこには、何千年も眠り続けている火山が存在していた。
「なあ、本当に行くのか?」
夕暮れの中、ひとりの少年が足を止めた。
「近づくのは禁止されてるんだぞ……」
前を歩く少年は振り返り、笑った。
「ただの迷信だよ。怖がりだな」
二人はさらに上へ登っていく。
その時だった。
足元の岩が、微かにひび割れた。
赤い蒸気が、地面の隙間から立ち上る。
「……え?」
次の瞬間、前を歩いていた少年の足が滑った。
「――っ!」
体が宙に浮き、そのまま火口へ落ちていく。
「待て!!」
伸ばした手は届かない。
少年の姿は、燃え上がる光の中へ消えた。
直後、地面が大きく揺れた。
轟音とともに火柱が空へ噴き上がる。
眠っていた千年火山が、ついに目を覚ましたのだ。
少年は村まで走り続けた。
息を切らし、長老たちの前で倒れ込む。
「ぼ、僕じゃない……わざとじゃないんだ……!」
涙を流しながら叫ぶ。
「友達が……火山に落ちたんだ……!」
村人たちの顔色が変わる。
「禁忌を破った……」
「この星は終わりだ……!」
人々のざわめきの中、少年は膝を抱え、震えていた。
その頃――
アルファ組織の司令室では、緊急報告が届いていた。
「リー隊長!ティロンの千年火山が噴火します!
爆発すれば、この星だけではありません。周囲の五つの惑星も消滅します!」
リーは静かに立ち上がる。
「出動準備。すぐ向かう。」
レオンは空を見上げた。
「神が私たちを遣わされたのなら、必ず意味がある」
ララは端末を操作する。
「避難部隊、百名を動員します」
リウは小さく息を吐いた。
「……嫌な予感がするな」
赤い雲を突き抜け、輸送艦がティロンへ降下する。
着陸と同時に、エージェントたちが整列して進む。
恐怖に震える住民たちの前へ、リーが歩み出た。
「恐れるな。我々は救うために来た。
一人も見捨てない」
その時、ひとりの少年が彼らの前に崩れ落ちた。
「僕のせいなんだ……!」
涙を流し、叫ぶ。
「友達を殺した……みんなを滅ぼした……!」
レオンが近づき、そっと肩に手を置く。
「違う」
少年が顔を上げる。
「人は誰でも過ちを犯す。
だが創造主は、その過ちさえ救いへ変えることができる」
遠くで火山が再び噴き上がる。
空は赤く染まり、世界は炎に包まれようとしていた。
だが――
その炎こそが、まだ希望が残っている証だった。
第8話 終わり
後書き:
第8話を読んでくださり、本当にありがとうございます!
いよいよ「火山編」が始まりました。
この章では戦いだけでなく、レオンの信念や成長、そして“炎”の力の意味が少しずつ明かされていきます。
ここから物語は大きく動いていきますので、ぜひ楽しみにしていてください!
また、作品をもっと楽しめるように作者ページにいくつかの追加コンテンツを公開しています:
・『アンジョ・ネグロ』の世界観音楽(挿入歌/テーマ曲)
・外伝ワンショット(短編ストーリー)
・キャラクタープロフィール(設定資料)
興味があれば、ぜひ作者ページからチェックしてみてください!
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