「兄妹の契約(きょうだいのけいやく)」
こんにちは、作者です!
いつも『エンジェル・ネグロ』を読んでくださってありがとうございます。
今回はララとリーの兄妹関係に焦点を当てた回です。
大きな戦いの前に、それぞれの心の動きや選択を描きたくて書きました。
レオン、ララ、そしてリー――
三人の関係が少しずつ変わっていく重要なエピソードになります。
ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです!
第24話「兄妹の契約」
シーン1 ― リーの部屋
朝の柔らかな光が小さな窓から差し込んでいた。
リーは背を向けたまま、軍人のように正確な動きでリュックを整えている。水、エネルギーカプセル、そして短い武器を慎重にしまう。
ジッパーが乾いた音を立てて閉まった。
その瞬間――
空間に小さな歪みが走る。熱の揺らぎのような光が広がり、ララが転送術で部屋の中央に現れた。彼女の頬は涙で濡れている。
言葉もなく、彼女は駆け寄りリーに強く抱きついた。
ララ(涙声)
「リー……私、結婚したくない……。彼のことも知らないの……お母さんに言って……助けて……お願い……」
リーはため息をつき、静かに見下ろした。
リー
「一つ聞く。今まで、この“知らない相手と結婚する伝統”を疑ったことはあったか?
お前も母さんも、ずっとエクスピリアンの伝統に厳しかった。
……今回はなぜ違う? 正直に言え。レオンのせいか?」
ララは目を逸らす。
ララ
「ち、違う……ただ知らない人と結婚したくないだけ……」
リー(眉を上げ)
「案外いい奴かもしれない。明日わかるさ。」
ララ
「違うの、兄さん……お願い……」
リー
「本当のことを言えば助ける。
覚えてるだろ? 俺たちの“約束”を。」
回想 ― 「契約」
幼い頃のララ。
ホログラム画面と配線に囲まれ、リーに不満をぶつけている。
ララ
「どうしてママは兄さんばかり? 私だって任務に行きたい! 強くなりたい!」
リー
「お前は技術が得意だ。俺よりな。
秘密任務を与える。守れるか?」
ララ
「やる! やりたい!」
リーは特殊なデータチップを渡す。
リー
「ある人物の情報を追え。それが最初の任務だ。」
――
ララは一人で監視カメラを操作し、ローラを侮辱するエージェントの映像を発見する。
記録をリーへ渡す。
リーは満足そうに笑う。
リー
「今日からお前は俺の“目”だ。全部教えろ。俺が鍛えてやる。」
回想終了。
ララは現在に戻り、俯いた。
ララ(小声)
「……好きなの。レオンが。
あの人の前で結婚の話をされて……恥ずかしかった……」
リーは少し考える。
リー
「何とかしてみる。だが昼食には出ろ。
ディレクターは俺たち家族を守ってくれた。母さんを憎むな。
それに……俺はエクスピリアンを信用していない。
クリザードと同じだ。血を流さないだけで、偏見は同じだ。」
シーン2 ― レオンの部屋
リーが扉を叩く。
レオンは床に座り、聖書を膝に置いて祈っていた。
リー
「レオン、昼食に来い。母さんが呼んでる。」
レオン(穏やかに)
「今日は遠慮します。御言葉で心を強めたいんです。」
リーは理解して頷く。
リー
「分かった。だが今夜は訓練だ。心も鍛えろ。」
レオン
「はい。」
シーン3 ― 昼食
豪華な料理が並ぶテーブル。
しかし空気は重い。
やがて、ディレクターの息子が現れる。
長身、整った姿、後ろへ流した緑の髪。
ダリアン・ヴァルロス。
彼はララの手を取り、口づけした。
ダリアン
「ララ様……噂以上に美しい。」
ローラは満足げに見守る。
ダリアンは旅と戦いの武勇伝を語り、場を盛り上げる。
そして――
ダリアン
「ローラ様。許しを。ララとの結婚を申し込みたい。」
その瞬間。
ドン!!
キッチンが炎と共に爆発。煙が部屋に広がる。
ディレクターが即座に防御フィールドを展開する。
ララ(演技しながら)
「ドレスが! リー、料理くらい覚えてよ!」
彼女は走って部屋を出た。
リーは小さく笑う。
リー
「失礼。事故です。」
ローラは鋭く睨む。
ダリアンは冷静に微笑んだ。
ダリアン
「大丈夫です。また機会はあります。」
シーン4 ― 再びの契約
夜。
ララが再びリーの部屋へ転送してくる。
ララ
「ありがとう、兄さん……」
リー(冗談めかして)
「結婚を壊しただけだろ?」
二人は笑う。
リー
「次は母さんから逃げるな。
権力が絡んでいる。
……本当のことを彼に言え。それが一番だ。」
ララは一人になり、考え込む。
どうやって真実を伝えるべきか――
光が消え、静かに幕が下りる。
― 第24話 終わり ―
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このエピソードでは、戦いではなく「心の葛藤」を中心に描きました。
ララ、リー、そしてレオンの関係は、これから物語に大きな影響を与えていきます。
次回から物語はさらに緊張感が増し、
アーリスの過去とレオンの運命が少しずつ繋がっていきます。
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それでは、また次のエピソードでお会いしましょう!




