シーズン6 第225話 — 戻ってこい
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
激しい戦いが続く中でも、
本当に人を救う瞬間は、静かな場所で訪れることがあります。
怒り。
恐怖。
喪失。
そして、それでも誰かを信じる強さ。
今回のエピソードでは、
レオンとララの絆が、最も苦しい形で試されます。
力では届かないものに、
想いは届くのか。
ぜひ最後まで読んでください。
■シーン1 — 混沌のあとの静寂
基地の隔離区画。
戦いの音はない。
爆発もない。
ただ――
呼吸だけ。
レオンは立っている。
ララを腕の中に抱きながら。
だが、彼女はまだ抗っていた。
体が震えている。
オーラはまだ脈打つ。
不安定。
危険。
■シーン2 — まだ消えていない獣
その瞬間――
ララがレオンを突き飛ばす。
激しい衝撃。
彼女は距離を取る。
荒い呼吸。
瞳はまだ獣の色。
「来ないで!!」
その声は響く。
完全に彼女自身のものではない。
「近づかないで!!」
オーラが再び爆発する。
床が割れる。
壁が震える。
■シーン3 — レオンは退かない
レオンは構えない。
力も使わない。
攻撃もしない。
ただ――
歩く。
「もう終わったよ、ララ」
ララが唸る。
「来るなって言った!!」
飛びかかる。
凄まじい一撃。
だが――
レオンは反撃しない。
受ける。
壁まで吹き飛ばされる。
■シーン4 — 選ぶ強さ
ゆっくり立ち上がる。
口元に血。
それでも笑う。
「昔のお前のほうが、もっと痛かった」
沈黙。
ララの動きが止まる。
ほんの一瞬。
■シーン5 — 記憶
レオンが静かに話す。
「覚えてるか?」
「俺が初めて暴走した時」
ララのオーラが揺れる。
「俺は止まれなかった」
「みんなを傷つけるところだった」
一歩近づく。
「でもお前は――」
声が少し震える。
「怖かったはずなのに」
「俺の前に立ってくれた」
■シーン6 — 響く言葉
ララが頭を押さえる。
呼吸が乱れる。
「……やめて」
レオンは続ける。
「お前が、俺を戻してくれた」
沈黙。
「今度は――俺の番だ」
■シーン7 — 約束
レオンが一瞬目を閉じる。
思い出す。
リー。
傷つき。
倒れ。
光が消えていく。
「二人を頼む……」
その声が響く。
レオンが目を開く。
強い意志。
「俺は約束した」
ララを見る。
「リーに誓ったんだ」
「お前を守るって」
■シーン8 — 崩れ始める壁
ララの体が震える。
オーラが乱れ始める。
「私……無理……」
声が変わる。
人間らしさが戻る。
弱く。
震えている。
「苦しい……」
レオンはさらに近づく。
恐れず。
「分かってる」
■シーン9 — 触れる手
ララがまた腕を振るう。
だが――
途中で止まる。
腕が震える。
レオンがその手を取る。
優しく。
力ではなく。
「俺はここにいる」
瞳が変わっていく。
荒々しい黄色が。
少しずつ。
消えていく。
■シーン10 — 帰還
呼吸が落ち着く。
オーラが弱まる。
爪が戻る。
獣の姿が。
少しずつ消える。
ララがレオンを見る。
正気に戻った瞳。
戸惑い。
「……レオン?」
沈黙。
「どうして……?」
涙があふれる。
「どうして生きてるの……?」
■シーン11 — 再会
レオンが笑う。
疲れている。
でも穏やかだ。
「俺ってさ……」
少し近づく。
「なかなか死なないんだ」
ララが泣き出す。
そのまま飛び込む。
強く抱きつく。
「失ったと思った……」
レオンも抱きしめる。
「俺もだ」
静寂。
二人の呼吸だけが響く。
■シーン12 — 口づけ
ララが顔を上げる。
涙を浮かべたまま。
レオンが見つめ返す。
言葉はいらない。
少しずつ。
距離が縮まる。
そして――
キス。
急がず。
争いもなく。
ただ――
そこにいることを確かめるように。
■シーン13 — 代償
その直後――
ララの体から力が抜ける。
膝が崩れる。
「レオン……」
意識を失う。
そのまま。
彼の腕の中へ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
今回のエピソードでは、戦いの中で最も大切なもの――
「誰かを諦めないこと」を描きました。
レオンは、力ではなく想いでララに手を伸ばしました。
それは彼自身が、かつて救われた記憶を持っているからです。
守られた者が、今度は守る側になる。
その連鎖こそ、この物語の希望でもあります。
そして、ララはついに戻ってきました。
ですが、その代償は決して小さくありません。
次回、戦場ではさらに状況が動きます。
静かな再会の裏で、止まらない戦争が待っています。
引き続き『黒き天使(Anjo Negro)』をよろしくお願いします!




