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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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207/228

黒き天使 第207話――血の重み

ここまで『黒き天使』を読んでいただき、ありがとうございます。

前回、ララは連れ去られ、組織は崩壊の一歩手前まで追い込まれました。

そして今回は、その直後――戦いの“後”に残された者たちの心に焦点を当てています。

それぞれが抱える後悔と決意。

そして、新たな戦いの始まりです。

戦いの後。

組織の中庭は、完全に破壊されていた。

瓦礫。

崩れた壁。

焦げた地面。

誰も動かない。

誰も話さない。

ただ風だけが、静かに吹き抜けていた。

――初めてだった。

この組織が、敗北したように見えたのは。

――――

キラは、まだ立っていた。

だが、そのオーラは徐々に弱まっていく。

燃え上がっていた力は消え、瞳も元の色へと戻っていく。

彼女は、ララが消えた空間を見つめた。

声が震える。

「……私……」

胸に手を当てる。

「……遅すぎた……」

唇がかすかに震えた。

「ごめん……」

涙が静かにこぼれ落ちる。

――――

そのすぐ近くで。

レニが膝から崩れ落ちた。

ヴィニーが彼にしがみついている。

彼の身体は震えていた。

「俺は……」

拳を握る。

「全部を裏切った……」

声がかすれる。

「俺を救ってくれた人たちを……

 家族を解放してくれた人たちを……」

涙が止まらない。

「……俺は……宇宙を滅ぼしかけた……」

ヴィニーはさらに強く抱きついた。

「パパ……」

その声だけが、彼を現実に繋ぎ止めていた。

――――

ナンドは、ゆっくりと歩き出した。

そして、ラウラの前で止まる。

静かに膝をついた。

周囲の視線が集まる。

「ラウラさん」

顔を上げる。

その瞳には迷いがなかった。

「XPは……どこにありますか」

沈黙。

ナンドは拳を握る。

「俺が……ララを連れ戻します」

低く、だが強い声。

「命をかけても」

ジラは何も言わなかった。

だが、その瞳はすでに答えを示していた。

――彼女も行く、と。

――――

そのとき。

ダリアムが叫びながら駆け寄る。

「父さん!」

倒れているドリアのそばに膝をつく。

「何やってんだよ……!」

彼の肩を掴む。

「なんでそこまでして守るんだよ!」

怒りが爆発する。

「こんな家族のために……!」

彼はラウラたちを睨みつけた。

「この家族は呪われてる!」

声が中庭に響く。

「全部こいつらのせいで起きてるんだ!」

――――

その瞬間。

空気が変わった。

重く、冷たい圧力。

キラがゆっくりと顔を上げる。

その瞳が再び赤く染まる。

彼女はダリアムを見た。

ただ、それだけで。

見えない力が彼を押し潰す。

「……っ!」

身体が動かない。

呼吸が乱れる。

恐怖が全身を支配する。

「お前……」

ダリアムの視界が揺れる。

記憶がよみがえる。

あの男。

リー。

同じ目。

同じ圧力。

同じ絶望。

「やめろ……」

声が震える。

「もう……やめてくれ……」

――――

その時。

ラウラが立ち上がった。

傷だらけの身体で。

ゆっくりとキラに近づく。

そして肩に手を置いた。

「もういい」

静かな声。

キラの呼吸が荒い。

だが、少しずつ――

その圧力は消えていった。

ダリアムはその場に崩れ落ちる。

激しく息を吐きながら。

――――

ラウラは周囲を見渡した。

その瞳には、深い悲しみがあった。

だが同時に――

確かな決意も宿っていた。

「……彼の言う通りよ」

誰も言葉を返せない。

「私たちの家族は……

 ここまで多くの問題を引き起こしてきた」

彼女は一度目を閉じる。

そして開いた。

「だからこそ――」

顔を上げる。

「終わらせるのも、私たちの役目よ」

静寂。

ラウラはキラを見る。

まっすぐに。

「アレスのところへ連れていって」

風が吹いた。

瓦礫の間を通り抜けていく。

その場にいた全員が理解した。

これは――

新たな戦いの始まりだと。

――――

誰も言葉を発しなかった。

だが、全員が同じことを感じていた。

戦争は終わっていない。

むしろ――

今、始まったばかりだ。

――続く。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

このエピソードでは「戦いの後に残るもの」をテーマに描きました。

勝敗ではなく、その選択が何を残したのか。

そしてそれぞれが、次に何を選ぶのか。

ナンド、キラ、レニ、そしてラウラ。

それぞれの決意が、次の物語を大きく動かしていきます。

次回もぜひよろしくお願いします。

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