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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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202/228

アンジョ・ネグロ — 第五季 第202話「選択の重さ」

選択には代償がある。

だが――

その重さを理解してもなお、

人は選ばなければならない。

K11の衛星。

音のない世界。

風だけが、静かに金属の山をなぞっていた。

その頂上。

巨大兵器が空へ向けられている。

クライザドを滅ぼすための装置。

脈動するエネルギー。

そして――

その前に立つ二人。

レオン。

レニ。

互いに一歩も動かない。

だが、空気はすでに張り裂けそうだった。

レオンが先に口を開く。

「……ここで終わらせる」

低い声。

レニはわずかに目を細める。

「終わりじゃない」

静かに言う。

「始まりだ」

沈黙。

レオンの拳が強く握られる。

「知ってたんだな」

一歩踏み出す。

「この計画を」

レニは迷わない。

「知っていた」

その一言。

レオンの呼吸が重くなる。

「数十億だぞ……!」

声が震える。

レニは空を見た。

「数十億はもう死んでいる」

静かに言う。

「クライザディアンのせいでな」

視線を戻す。

「今日は、その借りを返す日だ」

――――――――――

同時刻。

母艦。

巨大な中央広場。

数えきれないエージェントたちが集まっていた。

その中央に映し出される映像。

月。

兵器。

そして二人。

上部には数字。

カウントダウン。

00:14:59

オーディンが前に立つ。

手を上げる。

BOOOOM

転送装置が爆発する。

光が消える。

「これで終わりだ」

冷たい声。

「誰も月へは行けない」

沈黙が広場を支配する。

――――――――――

隔離室。

ララとラウラが拘束されていた。

その隣にドリア。

同じ映像が映る。

ララは震えていた。

「レオン……」

声がかすれる。

ラウラが手を握る。

「大丈夫」

だが――

その目は揺れていた。

――――――――――

広場。

ナンドとジラが駆け込む。

映像を見た瞬間、止まる。

「……一人かよ」

ナンドが拳を握る。

ジラが低く言う。

「転送は?」

ナンドが睨む。

「壊された」

視線がオーディンへ向く。

ジラの目が鋭くなる。

「最低だね」

オーディンは何も言わない。

ただ見ている。

すべてを。

――――――――――

その中で。

一人の女性が泣いていた。

ケル。

レニの妻。

その腕の中で震える少女。

ヴィニー。

「ママ……」

小さな声。

「パパ……死んじゃうの?」

ケルは答えられない。

ただ強く抱きしめる。

涙が止まらない。

――――――――――

月。

レオンの身体に光が走る。

五元素が解放される。

炎が燃え上がる。

水が流れる。

土が隆起する。

風が唸る。

雷が裂ける。

レニも応える。

黒いオーラ。

重く、暗い。

「お前は強い」

レニが言う。

「だが俺は――」

拳を握る。

「すべてを失った」

踏み込む。

BOOOOM

衝突。

衝撃波が山を揺らす。

レオンが雷を放つ。

レニが回避。

反撃。

拳。

直撃。

レオンが吹き飛ぶ。

岩に激突。

CRASH

だがすぐに立ち上がる。

「やめろ!」

叫ぶ。

「まだ戻れる!」

レニの表情が歪む。

「戻れない!」

怒号。

連撃。

一撃ごとに地面が砕ける。

レオンが風で消える。

背後へ。

斬撃。

だが止められる。

「分かってない!」

レニが押し返す。

「この宇宙は腐ってる!」

「終わらせるしかないんだ!」

レオンの目が燃える。

「違う!」

剣を構える。

「希望はまだある!」

――――――――――

母艦。

カウントダウン。

00:09:42

誰も動かない。

ただ見ている。

ダリアムが笑う。

「やれ……」

「終わらせろ」

――――――――――

月。

レオンの力が爆発する。

五元素が融合する。

嵐が生まれる。

炎と雷の竜巻。

レニも限界まで解放。

黒い衝撃が広がる。

二つの力が激突する。

BOOOOOOOM

山が崩れる。

兵器が震える。

エネルギーが乱れる。

――――――――――

母艦。

ヴィニーが泣き崩れる。

「パパぁ……」

カウントダウン。

00:07:18

誰も止められない。

――――――――――

月。

煙が晴れる。

二人。

立っている。

傷だらけ。

息が荒い。

それでも。

倒れない。

互いに見つめる。

この戦いの意味を知りながら。

それでも――

止まれない。

――続く。

正しさとは何か。

それは立場で変わる。

だが――

命の重さは変わらない。

次回、決着へ。

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