「偶然か、それとも運命か?」
皆さん、読みに来てくれてありがとうございます。
この物語は、ただの戦いの物語ではありません。
力や運命に翻弄される少年と少女が、少しずつ「自分の存在理由」を見つけていく物語です。
今回の話では、レオンとララの距離が少し近づきます。
激しい戦いの後だからこそ、人の本音や弱さが見えてくる――
そんな時間を書きたくて、このエピソードを描きました。
静かな回ですが、とても大切な回です。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
第14話 「偶然か、それとも運命か?」
ゆっくりと目を開けたとき、レオンの視界には揺れる光が映っていた。
風が草木を揺らし、異星の匂いが空気に混じっている。
体を起こそうとした瞬間、全身に痛みが走る。
「……ここは……どこだ?」
少し離れた場所で、少女が静かに座っていた。ララだった。
彼女はレオンの様子を見て、安堵したように息をつく。
「まだK11よ。脱出カプセルは……壊れた。しばらく、ここから動けない」
レオンは周囲を見回す。焼け焦げた金属片、砕けた機体の残骸。
記憶が断片的に蘇る。
「リウは……無事か?」
「大丈夫。まだ意識はないけど、命に別状はないわ。でも……」
ララは少し間を置き、まっすぐレオンを見た。
「ねえ、レオン。あなた……いったい何者なの?」
レオンは答えず、空を見上げた。
緑がかった雲が速く流れている。
「……わからない。ただ、一つだけ確かなのは……あれは“力”じゃない。重荷だ」
ララは静かに聞いていた。
「フェラ……あの姿。怖かった。でも、怒りだけじゃなかった。悲しみも感じた」
レオンの瞳がわずかに揺れる。
「カイロスが言ったんだ。俺の時間が来るって……痛みは武器になるって」
一瞬だけ、彼の瞳が黄色く光った。
ララは息を呑む。
やがて夕日が地平線に沈み始める。
ララがぽつりと尋ねた。
「ねえ、レオン。何歳?」
「17だ。……明日、18になる」
ララは驚いた表情を浮かべる。
「嘘……私も明日、誕生日」
レオンは目を瞬かせた。
「こんな星で、それが分かるって……」
ララは小さく笑う。
「偶然が多すぎるわね」
レオンも少し笑った。
「……いや。もしかしたら、偶然じゃないのかもな」
夜になり、二人は簡単な焚き火を起こした。
炎が揺れ、影が地面に踊る。
「家族もいない。誰もいない場所なのに……」
レオンは火を見つめる。
「……初めて、ひとりじゃない気がする」
ララは静かに言った。
「私も。今、この時間が……本物に感じる」
「ララって、ちゃんと笑うんだな」
「あなたは……ちゃんと聞いてくれる」
その時、風が急に強くなる。
焚き火の炎が揺れ、小さくなった。
レオンが顔を上げる。
「……感じたか?」
ララも周囲を見渡す。
「ええ。何かが来る」
空の上を、音もなく一つの影が横切った。
偵察ドローンだった。
レオンの表情が引き締まる。
「終わらせに来たか……」
ララは立ち上がる。
「なら、間違いだったって教えてあげましょう。私たちを生かしたことが」
―――
その頃、XP本星。
ラウラは報告書を確認していた。
ホログラムの画面を操作していた手が止まる。
「……待って」
彼女の瞳が見開かれる。
「第二カプセルが……消えてる?」
次の瞬間、顔色が変わる。
「……ララは? どこにいるの……?」
ラウラは勢いよく立ち上がり、部屋を飛び出した。
―――
暗い空間。
無数の赤いモニターが並んでいる。
機械のような声が響いた。
「対象確認。古代封印の保持者……生存」
一つの画面に、獣の姿のレオンが映し出されていた。
物語は、静かに新たな局面へと進み始めていた。
第14話を読んでくださり、本当にありがとうございます。
K11での出来事は、これからの物語の大きな分岐点になります。
レオンの中にある力、カイロスの存在、そしてララとの関係――
すべてが少しずつ動き始めています。
そして、偶然のように見える出来事にも意味があります。
この物語では、「運命」と「選択」のどちらが人を決めるのかも描いていきます。
ここから先、戦いも、感情も、さらに大きくなっていきます。
次のエピソードも、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
応援、本当にありがとうございます!




