アンジョ・ネグロ 第三シーズン 第112話 「希望の代償」
こんにちは、作者です。
いつも『アンジョ・ネグロ』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
リーの死、レオンの暴走、そしてアレス王の勝利。
宇宙に広がった希望は、いま大きな絶望へと変わろうとしています。
第112話では、その戦いの後に訪れた世界の変化が描かれます。
誰もが傷つき、誰もが何かを失いました。
しかし――
物語はここからさらに大きく動き出します。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
第112話
「希望の代償」
壊れたアリーナの上空。
煙と炎がまだ空に漂っていた。
地面は裂け、観客席は崩壊している。
ナレーターの声が響く。
「長い戦いの末――」
「宇宙に満ちていた希望は砕かれた。」
「リーの敗北。」
「そして……」
「アレス王の支配が再び証明された。」
カメラは崩壊したアリーナをゆっくり映す。
クリザーディアンの兵士たちが黙って立っていた。
その中央。
アリーナの運営者が膝をついていた。
彼は拳で地面を叩く。
涙が止まらない。
「レオン……!」
彼は叫ぶ。
「レオンのせいだ!」
「すべて……!」
「レオンのせいだ!」
宇宙空間。
組織の船が静かに飛んでいた。
船内は沈黙に包まれている。
ララは座席に座り、
意識を失ったレオンの頭を膝に乗せていた。
彼女は静かに彼の髪を撫でる。
何も言えない。
その隣。
リウは重傷だった。
体には大きな火傷。
ジュンが治療装置を操作している。
機械の音だけが響く。
誰も言葉を発しなかった。
遠い惑星。
強い放射線に包まれた世界。
ヴァロンの隠れ家だった。
ローラは泣き叫んでいた。
「ララを探さなきゃ!」
「どこにいるの?!」
ヴァロンが彼女を支える。
「落ち着いてくれ。」
「ララは大丈夫だ。」
「組織に向かっている。」
彼の声は低かった。
「……私がアレスを殺す。」
ローラが彼の手を握る。
涙が止まらない。
「だめ!」
「もう息子を失ったの!」
「あなたまで失いたくない!」
ヴァロンの目が揺れる。
「……すべて私の責任だ。」
彼は静かに言う。
「私が油断した。」
「アレスは我々の関係を知ってしまった。」
「そしてリーを戦わせた。」
彼は拳を握る。
「いま……」
「我々の民が危険にさらされている。」
別の惑星。
ヴァンダーが空を見ていた。
彼は低く呟く。
「恐ろしい力だった。」
彼の頭に伝説がよぎる。
「リムの伝説……」
「本当だったのか。」
彼は通信装置を起動する。
ホログラムが現れる。
「全軍に告げる。」
「XPを防衛しろ。」
「アレスは必ず攻撃してくる。」
宇宙空間。
組織の船。
突然――
警報が鳴り響く。
「敵襲!」
パイロットが叫ぶ。
「攻撃されています!」
レーダーに五つの反応。
スピリアンのアンドロイドだった。
ララが立ち上がる。
「彼らに組織の位置を知られてはいけない!」
彼女は叫ぶ。
「ヒュー!」
「小惑星帯へ!」
船が急降下する。
無数の隕石の間を飛ぶ。
レーザーが宇宙を切り裂く。
ララが両手を上げる。
黄金の光が船を包む。
防御シールド。
そして反撃。
光の弾が放たれる。
しかしアンドロイドは素早く避けた。
その時。
リウが立ち上がる。
「ヒュー……」
「船を止めろ。」
彼は膝をつく。
光が手から広がる。
鎖が現れる。
巨大なエネルギーの鎖。
それは小惑星に巻き付き――
巨大な罠を作った。
アンドロイドたちが捕らえられる。
リウは息を切らす。
「……終わった。」
彼の体が震える。
「でも……」
「船が壊れてる。」
ヒューがパネルを叩く。
「エネルギーは半分しか残ってない!」
リウが言う。
「ポータルを開け。」
ヒューは赤いボタンを押す。
組織の紋章。
宇宙にゲートが開く。
船は吸い込まれる。
リウが倒れる。
「ララ……」
彼は弱く言う。
「操縦を頼む。」
ララは操縦席に手を置く。
黄金の光が広がる。
そして――
船はアルファ基地へ向かった。
その頃。
放射線の惑星。
アレスが歩いていた。
毒の霧。
しかし彼には効かない。
炎が彼の体を守っていた。
彼は地面を殴る。
衝撃で洞窟が崩壊する。
ヴァロンが驚く。
「どうして……」
「ここが分かった?」
アレスは笑う。
「簡単なことだ。」
「スピリアンが教えてくれた。」
彼は近づく。
「お前はいつも逃げ回っていた。」
「だがここでは止まる。」
彼の目が光る。
「そして――」
「俺の妻に触れた。」
次の瞬間。
アレスの爪がヴァロンを貫く。
ローラが叫ぶ。
「やめて!!」
ヴァロンは血を吐く。
「……ローラ。」
「すまない。」
彼の体が崩れる。
ローラが泣き叫ぶ。
アレスは彼女を見る。
炎の瞳。
「お前は俺のものだ。」
「誰も触れさせない。」
彼は手を上げる。
赤い炎。
巨大な爆発。
地下基地が炎に飲み込まれる。
ローラは叫ぶ。
アレスに引きずられながら。
炎の中へ。
画面が暗くなる。
ローラの叫びが響く。
ナレーターの声。
「宇宙は闇へ沈む。」
「そして――」
「希望さえ奪われた。」
第112話を読んでくださり、本当にありがとうございます。
このエピソードでは、リーの死の後に広がる混乱と絶望が描かれました。
そしてアレス王はさらに恐ろしい行動に出ます。
レオン、ララ、そして仲間たちは、この状況をどう乗り越えるのか。
物語はここからさらに大きく動きます。
もし作品を楽しんでいただけたら、ぜひ作者ページも見てみてください。
作者ページでは:
・キャラクタープロフィール
・物語のテーマソング
・特別ストーリー(ワンショット)
なども公開しています。
物語の世界をより深く楽しむことができます。
次回――
アレスの支配がさらに広がる中、
レオンたちは新たな戦いへ向かいます。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。




