アンジョ・ネグロ 第三シーズン 第109話 「炎狼の咆哮」
こんにちは、作者です。
いつも『アンジョ・ネグロ』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
ついに始まったリーとアレス王の戦い。
宇宙中の人々が見守る中、二人の王の衝突は想像を超えるものとなりました。
この第108話では、戦いはさらに激しさを増し、
リーとアレスは炎の狼の姿へと変貌します。
それはただの戦いではありません。
王と王。
誇りと誇り。
そして宇宙の未来を懸けた衝突です。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
第109話
「炎狼の咆哮」
二つの拳がぶつかった瞬間――
世界が燃え上がった。
轟音と共に巨大な爆発が起き、アリーナの半分が炎に包まれる。
観客たちは思わず身を守り、熱風に顔を覆った。
ナレーターの声が響く。
「二人の王が出会う時――」
「宇宙そのものが震える。」
リーとアレスは後方へ跳び、互いに距離を取る。
しかしその身体から溢れる炎のオーラはさらに膨れ上がっていた。
二人はゆっくりと前屈みになる。
骨が軋む音が響く。
筋肉が膨れ上がる。
皮膚が裂け、体毛が生え始める。
変身。
リーとアレスは――
炎の狼の姿になっていた。
アレスの体毛は深紅の炎のように赤く燃え上がり、
巨大で圧倒的な体躯を誇っている。
一方、リーの狼の姿はより細身だが、
その瞳は鋭く、獣のような殺気を放っていた。
観客席。
ララは思わず叫ぶ。
「そんな……!」
「兄さんが……!」
彼女は両手で口を覆う。
「怪物になった……!」
レオンは静かに首を振る。
「違う。」
彼の目は戦場から離れない。
「怪物じゃない。」
「それが……彼の本当の力だ。」
リウは腕を組み、戦いを分析していた。
「二人とも同じ炎の属性。」
「でも……」
彼は小さく息を吐く。
「アレスのオーラは異常だ。」
「息が詰まるほどの圧力だ。」
次の瞬間。
アレスが消えた。
いや、速すぎて見えない。
次の瞬間、彼はリーの背後に現れていた。
巨大な爪が地面に叩きつけられる。
しかしリーはすでに空中へ跳んでいた。
炎を纏った爪が振り下ろされる。
衝突。
KAAAABUUUM!!
衝撃波がアリーナ全体を揺らす。
魔法障壁がひび割れ、観客席が激しく揺れる。
ナレーターが低く語る。
「速度。」
「力。」
「破壊。」
「これは戦いではない。」
「これは――」
「大災害だ。」
別室。
五人の元素顧問たちが戦いを見ていた。
風の長が驚いた声で言う。
「この速度……」
「我々の魔法でも追えない。」
大地の長も唸る。
「そしてあの爪……」
「魔法を切り裂く。」
「絶対的な武器だ。」
惑星ギガ2。
巨大な巨人たちが地面を叩き、戦いを見守っていた。
ドン!
ドン!
ドン!
それはまるで戦争の太鼓のようだった。
長老の巨人が言う。
「小さな戦士だ。」
「だが……」
彼の目が細くなる。
「アレスを相手に退かない。」
再び戦場。
リーとアレスの姿が空中で消え、次の瞬間別の場所に現れる。
衝突。
爆発。
地面が砕け、巨大なクレーターが次々と生まれていく。
カメラは360度回転し、観客の混乱を映す。
レオンは息を呑む。
「……見えない。」
「俺には……攻撃が見えない。」
リウが答える。
「リーは耐えている。」
「でもアレスの一撃は……」
彼は言葉を止める。
「重すぎる。」
その瞬間。
アレスの攻撃がリーを吹き飛ばした。
リーの体は岩に叩きつけられる。
血が口から流れる。
しかし――
リーは立ち上がる。
血を手で拭う。
赤い瞳がさらに燃え上がる。
「……俺は。」
彼は低く唸る。
「簡単には倒れない!」
アレスの子供たちが戦いを見ていた。
長男が驚く。
「ありえない……」
「父上とここまで戦う者など……」
次女が静かに言う。
「この男……」
「普通じゃない。」
別室。
ローラの手は震えていた。
「私の息子……」
「こんな怪物に勝てるわけが……」
ヴァロンが静かに言う。
「それでも――」
「彼は立っている。」
別の惑星。
ヴァンダーが戦いを見ていた。
彼は小さく呟く。
「もう……」
「ただの少年じゃない。」
アレスが腕を上げた。
炎が渦巻き、巨大な炎の刃が形成される。
それは巨大な太陽のようだった。
アレスがそれを振り下ろす。
炎の斬撃がアリーナを横断する。
爆発。
リーは跳び上がる。
しかし――
肩をかすめた。
彼は地面に落ちる。
アレスが笑う。
「それだけか、リー?」
その声は冷たかった。
「これが宇宙の希望か?」
リーはゆっくり立ち上がる。
呼吸は荒い。
しかしその瞳は燃えていた。
「……まだだ。」
彼は叫ぶ。
「俺は――」
「諦めない!」
リーは全ての力を拳に集中させた。
深紅の炎が拳に集まる。
一方、アレスは炎の刃を構える。
二つの攻撃がゆっくりと近づく。
ナレーターが語る。
「意志が不可能に挑む時――」
「神でさえ……見下ろす。」
衝突。
世界が裂けた。
アリーナの地面が真っ二つに割れる。
煙と砂が空を覆う。
観客席は沈黙に包まれる。
やがて――
煙が薄れる。
二つの影が見える。
リーとアレス。
互いに立っていた。
リーは血まみれだ。
体は震えている。
しかし瞳はまだ燃えている。
アレスは無傷だった。
彼は冷たく笑う。
「しぶといな。」
「だが……」
「もう限界だ。」
リーは血の付いた歯で笑う。
「限界?」
彼の目が燃える。
「それは……」
「ここからだ。」
リーが再び突進する。
画面が暗転する。
第109話を読んでくださり、本当にありがとうございます。
ついにリーとアレス王の戦いが本格的に始まりました。
そして二人は炎の狼の姿へと変貌しました。
この戦いはまだ終わりません。
次回、第109話では戦いはさらに激化し、
リーは限界を超えた戦いへ突入します。
もし作品を楽しんでいただけたら、ぜひ作者ページも見てみてください。
作者ページでは:
・キャラクタープロフィール
・物語のテーマソング
・特別ストーリー(ワンショット)
などを公開しています。
本編とは別に、キャラクターの背景や世界観を深く知ることができます。
次回――
リー vs アレス王。
戦いはさらに激しくなります。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。




