表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

か行について

「か行についてどう思う?」

「家業?」

「か、き、く、け、こ」

「ああ、そっちね」


相馬はいつも唐突だ。


「か行が何?」

「どう思う?」

「抽象的すぎて分からん、何が聞きたいわけ?」

「言いづらいと思わん?」


そういうことか。たしかに言いづらい。た行やな行、ま行より…………いや。


「なんで日本語ってこんな言いづらいひらがなが多いんだろう…」

「そこ考え出すとキリないから今日はか行に絞ろう」

「うん…」


日本語作った人出てきてくれ頼む。なんでこんな言いづらくて使いづらい日本語をたくさん作ったんだ。


「バイトしてて思ったんだよ。『お聞きください』だの『お伺いします』だのさ、言いづらくて噛むんだよ。そこで思った、か行をなくそう」

「なんでそうなるかな」


話が飛躍しすぎだ。


「敬語のか行が言いづらいんだろ?か行をなくす必要はないだろ」


か行は悪くない。そんな日本語を作った人が悪い。


「尊敬語、謙譲語じゃなくて別の敬語使えばいいんじゃない?普通に丁寧語とか」

「けんじょう、ご…?」

「あ、ダメだ頭悪かったこいつ」


しかも国語が大の苦手なタイプだ。こいつは日々脊髄反射で生きている。

「お聞きください」、「お伺いします」もきっと、バイト先で叩き込まれたのだろう。

だってそんな言葉使えるわけないもん相馬が。


「…今調べたら最初に『お』とか『ご』をつけるのを美化語って言うらしい!美化語をやめればいいんだ!」

「でもそれたしかに丁寧語になるけどさ、やっぱりお客さんに使う言葉じゃないんじゃないかな」

「じゃあどうすればいいんだよおおおおおおぉぉぉ」


頭を抱えだした。

今普通に昼休みだから大声出すのやめようね。だから友達できないんだよ。


「もう我慢して、口角意識して発音するしかないよ」

「ああんそんなめんどいことできましぇん」

「えろくするな」


おふざけでもやるな、友達がもっとできなくなる。


「じゃあどうするんだよ、今回は解決できないぞ」

「意識するしかないのか…」

「意識してゆっくり喋れば案外行けるって」

「そんな暇を与えてくれないんだよ客は」


そうか?いやたしかに急いでるときはそうかもしれない。


「なら途中で言うのやめられるから万々歳じゃん」

「………?…!たしかに!!」


今こいつブラジルにいたか?


「なあんだそっか!じゃあいいじゃん解決解決~」


これでいいらしい。安直なやつだ。


「じゃあ試しに新しく覚えた美化語使ってみてよ」

「ええ~めんどくせ、いいよ」


「理央、お好きです」

「………ん」


間違ってるし気持ち悪いけど、相馬の頭の悪さを考えて良しとしよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ