欠陥勇者として王国に殺されかけたけど、バグったギフトが最強すぎたのでお前ら裏切ります。
異世界召喚×バグギフト×裏切り系の物語です。
テンプレ展開から始まりますが、主人公は“普通の勇者”ではありません。
クラス全員召喚、神のバグ、そして――欠陥勇者の覚醒。
ゆっくり読んでいただけたら嬉しいです。
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俺の名前は鈴木健人。
趣味は読書と執筆。特に“異世界もの”が好きだ。
異世界に行けたら、どんなにワクワクするだろうか。
暇なときはだいたい、そんなことばかり考えていた。
──けれど、その日。
俺たちクラスメイトの運命は、本当に“変わった”。
⸻
それは授業中のことだった。
教室の床一面に、突如として巨大な魔法陣が浮かび上がったのだ。
「え……なにこれ!?」「床が光ってる!?」
「ちょ、やばくない!?」「先生ーー!!」
クラスメイトたちが騒ぎ出す中で、
俺だけは……心のどこかで、ワクワクしていた。
だってどう見てもこれ、異世界召喚のテンプレ展開じゃないか!
次の瞬間、視界が真っ白に弾けた。
⸻
目を開けると、そこは豪華な宮殿のような場所。
前方には玉座、そして杖を持つ男が立っていた。
──あぁ、なるほど。
この人が、俺たちを召喚したんだな。
杖を持つ男が、重々しく口を開く。
「諸君、此度の勇者召喚の儀に応じてくれて感謝する。」
「は?意味わからねぇんだけど!」
「どこだよここ!?」「帰してくれよ!!」
教室中が一瞬でパニックになった。
泣き出す女子、怒鳴る男子、みんな混乱している。
杖の男が地面を杖で突き、怒声を放った。
「静まれ!王の御前だ!」
玉座に座る男――国王らしき人物が立ち上がる。
「皆の者、今回の勇者召喚に応じてくれたこと、心より感謝する。
だが混乱するのも無理はない。私から説明しよう。」
王はゆっくりと語り始めた。
「そなたらを召喚したのは、魔王討伐のためだ。
異界より勇者を呼ぶ“召喚の儀”を行った。
勝手とは思うが、どうか我々に力を貸してほしい。」
「……なんだよそれ、ふざけんな!」
「帰してくれ!」「おかあさーん!!」
混乱の中、王はさらに告げた。
「召喚の儀は“来る”ことしかできぬ。
元の世界へ帰る術は、存在しない。」
その言葉に、場が凍りついた。
「もしこの国が魔王の侵攻を受ければ、そなたらも巻き込まれて滅ぶだろう。
だからこそ、共に戦ってほしい。」
沈黙のあと、一人の男子が声を上げた。
「帰れねぇのは分かった。でも、戦わなきゃ死ぬんだろ?
だったら戦うしかねぇじゃねぇか。」
「なに言ってんのよ……もう嫌だよ……!」
泣き崩れる声。
だけど俺は、冷静だった。
《ふーん……テンプレ展開だな。
そろそろ来るはず――“召喚ギフト”ってやつが。》
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「皆には、召喚の儀を受けたお礼として“ギフト”が与えられている。
頭の中で“スキル”と念じてみなさい。」
杖の男が言った瞬間、視界に光の文字が浮かぶ。
《おお、きたー!俺のギフトは……ん?二個?》
《虚写……と、虚空因子?
聞いたことねぇスキル名だな。
でもなんか……めっちゃ強そうじゃね?》
「君、ギフトは貰えたのかね?」
「え、あ、はい……」
「ふむ、だが奇妙だな。君からは“二つ”のギフトを感じる。」
《(やばいやばいやばい!普通一人一個だよな!?)》
「えっと……初級水属性魔法と、初級火属性魔法です!」
杖の男は一瞬ぽかんとした後、鼻で笑った。
「ふむ、水と火では相殺する。まったくの欠陥ギフトだな。
王よ、勇者の中に一人、欠陥品が混じっておりましたぞ!」
「欠陥品だなんて……」
王妃が微笑を浮かべ、扇子で口を隠した。
「まあまあ、他の勇者様方に失礼ですわよ?」
杖の男が続けた。
「勇者召喚に欠陥が出たとなれば、貴族が黙っておりませぬ。
最悪、反乱の火種となるやもしれませんぞ。」
王は沈黙し、やがて重々しく口を開いた。
「……名は?」
「鈴木健人です。」
「そうか。ケントというのか。
ならばケント、早速で悪いが──消えてもらおう。」
「……は?」
杖の男が呟く。
「ケント殿、王には逆らえぬ。──《メタスタシア》。」
視界が闇に包まれる。
音が消え、世界が溶けた。
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……次に目を開けたとき、俺は“どこか”にいた。
湿った空気、岩肌、闇。
そこは――底知れぬダンジョンの奥地だった。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
第1章は「召喚~処刑」までの導入編でした。
健人のギフト《虚写》《虚空因子》はまだ“本領未発揮”です。
次章から、彼がダンジョンで目覚め、“存在しない勇者”として歩み出します。
次回:「第2章 ──虚空に堕ちた欠陥勇者」
ぜひ今後も応援よろしくお願い致します!




