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響け、異世界のラプソディ  作者: ばんばん
第二章《封じられた旋律》
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第八話「不協の予兆」

次の島へと向かう途中、奇妙な沈黙が辺りを包んだ。


 「音が……消えてる?」


 空間から“音”そのものが消えている。風の音も、羽ばたきも、鼓動さえも——聞こえない。


 「これは……《無律結界ミュート・ゾーン》じゃ!」


 フィリナの叫びとともに、空を割って影が現れた。


 黒いマント、銀の仮面、無音の剣。


 「お前たちは……“無律協会”!」


 名乗りもせず、剣士は襲いかかってくる。斬撃のたびに、音が奪われる。


 「奏人、演奏できぬぞ!」


 「なら……演奏前に終わらせる!」


 俺は、トランペットを構えずに、息を吐いた。


 「フィリナ、ルゥ! リズム刻んでくれ!」


 地面からビート。空から風音。俺の中でそれが重なり、音なき世界に“脳内演奏”が鳴り響く。


 「《インプロ・コード:ミュート・ジャム》!!」


 口に当てることなく、俺は音を「思い出し」「再現」し、「打ち出した」。


 高音の衝撃波が、無音の剣を吹き飛ばす。


 音が——戻った。

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