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第三十三話「響きあう記憶」
番人が再現した音は、奏人がまだ演奏を恐れていた頃の旋律だった。
不協和、未完成、乱れたテンポ。
それは、かつてティアが音を失った事件と同じ旋律。
「……これが、俺の音……だった」
ミーレが静かに言う。
「違うよ。今の私たちの音は、もっと……深くて強い」
ルゥが笑う。
「そう、あの頃の不協和も、今に繋がる旋律だ」
奏人は、過去の自分に向かって演奏した。
そして番人の胸に、ほんの一瞬、微かな“和音”が生まれ——道が開かれた。
番人が再現した音は、奏人がまだ演奏を恐れていた頃の旋律だった。
不協和、未完成、乱れたテンポ。
それは、かつてティアが音を失った事件と同じ旋律。
「……これが、俺の音……だった」
ミーレが静かに言う。
「違うよ。今の私たちの音は、もっと……深くて強い」
ルゥが笑う。
「そう、あの頃の不協和も、今に繋がる旋律だ」
奏人は、過去の自分に向かって演奏した。
そして番人の胸に、ほんの一瞬、微かな“和音”が生まれ——道が開かれた。
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