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第十二話「旅の調律、失われた旋律へ」
音律評議会での会談から数日後、俺たちは“グラン・アルモニアの乱れ”を修復する鍵——
**《失われた旋律》**を探す旅に出ることを決めた。
「それは、かつて世界の“最初の協奏曲”を記した譜面。各属性の最古の奏者たちが紡いだものです」
評議会の一員であるリリアがそう言った。
「スコアは五つに分かれ、各地に隠された。今も音を宿している可能性があるわ」
「なら、取りに行くしかないだろ」
「もちろん。だが……気をつけて。すでに**“無律協会”**が動いているわ」
彼らの狙いもロスト・スコア。だが、彼らはそれを**“沈黙の楽譜”**に変えるつもりだという。