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第十一話「音律評議会と“予言の協奏曲”」
リリアとの小競り合いのあと、俺たちはオクタヴィアの“音律評議会”へと呼び出された。
そこには八属性の代表が揃っていた。
「鳴海奏人。君の即興奏術が“協奏の予言”と合致した。今後、世界の調律において要となる可能性がある」
「協奏の……予言?」
「《グラン・アルモニア》が崩壊を始めた今、“即興の者”が調和を取り戻す鍵になると記されている」
つまり、俺の力が“世界の調律”に必要らしい。理由はまだわからないが、ただの転生奏者ってわけじゃなかったようだ。
「なら、協奏を始めましょう」
誰かがそう言った瞬間、空気が震えた。
——この世界の音が、変わり始めている。