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修行しましょう何処までも

「当面は、オーラと肉体の強化のためこの屋敷の敷地内で訓練します」


「わかりました。ちなみにその期間かなにか目標はありますか?」


「生命レベル(以降レベルと略称する)600かな」


セレスティと今後の方針の打ち合わせ中。

この結論に至った経緯を説明していく。


俺はオーラの初歩的な扱いを覚えた。

次の段階として、スターリング王国へ行くためにこの森を突破するため、魔物たちと戦える力が必要。

では具体的にどれほどの力が必要なのか、という疑問に突き当たる。

魔物図鑑とも言える書物の中で、該当しそうな魔物たちに対する記述はあった、とりあえず生半可な強さでは挑まず、逃げられることを祈りながら逃げろとのこと。

逃げ切れたのは本当に結界様々と改めていえよう。

特徴や弱点のような貴重な情報はあったのだが、やはり具体的な強さが判断できない。

ということで、その問題を解決できる便利な魔法を見つけました。

その名もずばり『アナライズ(分析)』

どうやらオーラ量や質等の情報をもとに、対象の強さや特技がわかる魔法のようだ。

しかし、そこまで万能ではなく、対象が格上の場合や分析に対する防御対策を行っていた場合は無効化されてしまうらしい。

アナライズをプログラムし、使えるにし試しに自分に向けて実行してみる。

すると、思っている以上に使い勝手が悪かった。

肉体的な強さや、オーラ量の強弱は色の濃さで表現された。

俺の持っている転生特典の能力等もやはり色とその濃さで表現された。

想像していたのとなんか違う。

ゲームとかアニメじゃもっとはっきり数値と言語化されてたじゃん?

とりあえず、使いづらいので、アナライズはプログラムしなおし魔改造する。

現在の俺を基準値の100とし、そこからの強弱で数値化させるようにする。

能力を完璧に言語化したり、その練度を表示したりするのは現状では情報不足として断念。

情報を積み重ね次第、改良していくことにする。

オーラ量や肉体的強さの総合値の数値化として生命レベルを基準した。


『エクスアナライズ』


改良した『アナライズ』の魔法を俺が命名した『エクスアナライズ』を唱えた。

個の魔法は、現時点の俺の筋力や生命力、オーラ量を100と基準にして、別の対象又はその時点の自分と相対的な差を用いて分析する魔法だ。

特殊能力等も、収集した情報を元に解析していき、言語化してわかりやすく表されるようにプログラムした。

なので、現在俺の各種パラメーターは当然のことながら100と表示される。

わかりやすくいうと、今の俺の総合的な強さは100レベル、単純に俺より半分の強さの者は50、2倍強い者は200と表示されるのだ。


『エクスアナライズ』


屋敷の2階のテラスに立ち、森で見つけた魔物を対象に魔法を唱えた。

魔物の強さが分析され、視界内にウィンドウ表示される。

うーん、わかってたけど強くない?

レベルは305だった、単純比較で俺の3倍強い。

現時点の俺では、傷一つつけられないし逆に一撃貰えば即死できるだろう。

他に森の上空を飛んでいる鳥類っぽい魔物も分析する。

280レベルもした。

もし、最初にこの鳥類の魔物に狙われていたら気付く前に連れ去られて巣に餌として持ち帰られていただろう。

くらりと立ち眩みをする。

森の魔物との絶望的な差に落胆したせいではない、エクスアナライズで消費したオーラの量が多かったからである。

この改良魔法は、本来格上に対し効果を出せない分析を無理やり可能にしているため、相手が格上であればあるほど消費するオーラ量も増える。

2度のエクスアナライズの行使で、すでに俺のオーラは残り僅かになっている。


話は冒頭に戻る。

この様に、森の魔物達との差を知ることができたため、現状を打開するために必要な修行の目標を宣言したのであった。

森の魔物達の強さを平均300レベルと仮定し、単純に同じ300レベルではギリギリの戦いになってしまう。

ましてや、こちらは戦闘において素人も良いところで戦い方のイロハのイもわからない。

野生で命のやり取りを繰り返している魔物達が相手。

加えて、そのような魔物達が何体も同時に戦わなければいけない状況で、森を抜けるまでそれなりの日数を過ごさなければいけないことを考えると、

大幅な余力を持っていたい。それで導き出された目標であった。


エクスアナライズを2回行使しただけでオーラが枯渇寸前では、全く持って話にならない。

森への進軍を始めたら、エクスアナライズも多様するだろうし、敵に囲まれいつ襲われるかわからない常に戦闘状態でオーラの消耗は激しく、莫大なオーラの蓄えが必要だろう。

兎にも角にも、やはりオーラの強化が最優先課題だ。

オーラの量を増やすこと、それと同じくらい扱いに長けることも必要だろう。

その両方を同時に鍛える算段がある。

現在、先刻のエクスアナライズ行使のためオーラの残量がわずか。

このオーラ量に応じて自動的に循環オーラ量を絞って、回復モードに移行している。

本来は、意識的に行わなければならないこの状態を、そのようにプログラムを組んで自動化し、オーラの運用をしている。

自動化しているため、他の行動に多く余力を割くことができる。

オーラを回復しながら、筋トレをしたりマルチタスクができ、効率的に活動が可能。

自動化プログラムの応用と複数併用により、操作の上達はブーストできるはず。


オーラを強化する修行をする、といって具体的に何をしたらよいかは書物から知識は得ている。

2つのパターンがあり、1つは以前いった通り他の生物を倒しオーラを得る。

自分より強力なオーラを持つ者を倒すと、その者が持っていたオーラの一部を得ることができる。

経験値のようなものか?

そしてもう一つが、オーラを使うこと。

使うと言っても、いくつもパターンがある。

魔法の行使や肉体強化等で消費する。

消費すると、消耗した分を補おうとして新たにオーラが生成される。

これを繰り返すと、徐々にオーラの余力…つまり最大値と、回復速度が増していく。

加えて操作する、放出量を増やしたり減らしたり、放出速度を早くしたり遅くしたりすることも細胞が刺激され育っていく。

すでにオーラ量は最初の計測から5%程度増えていた。

ファイアーボール換算で一発分も増えたのである。


庭にある、倉庫のような小屋の中に入る。

小屋の中では、魔具が稼働している。

魔具は、森から魔素を吸ってそれをオーラに変換している。

変換したオーラを結界の維持や、各種屋敷の設備の稼働の為に供給していた。

この魔具から漏れ出たオーラで小屋内はオーラで満たされており、近くにいるとオーラの回復が早くなる。

よい回復ポイントを見つけたものだ。


オーラが回復すると、自動的に循環するオーラ量が増え。

そのオーラを使って、肉体強化状態にしつつ加えて、肉体を束縛する魔法『バインド』を自分にかける。

バインドによって身体に重りを背負ったような負荷がかかる。

魔法を行使しているので、オーラも消耗する。

更に、魔法を受けた状態への抵抗、魔法体制もつく。

それらを自動プログラムで同時並行して行いながら、結界内の敷地をランニングや筋トレをすることでその効果も倍増する。

ランニングしながら思うのは、転生前は運動まったくしてなかったなーということ。

陽の光をあびることも少なかったので、陽に全く焼けていないさぞ青白い肌をしていただろう。

不健康極まりなかったであろう。

それが今はどうだ、気持ちの良い汗をかきながら走り回っているではないか。

必要に駆られて、ではあるがこれはこれで気持ちが良い。

肉体が健康的…というより成長していくにつれて、清々しい気持ちになり自分に自信もつくというのを感じていた。

この状況も悪くはないかもしれない。

と一瞬思ったりするが、結界の外に時折現れる魔物の恐ろしい姿を見て、直ぐにその思いは虚空へと消え去っていった。


筋トレで肉体が疲れたら、休息も兼ねつつ今度は魔法の実習に移る。

ファイアーボールやウォーターボールといったボール系の火力系魔法。

地面から土の壁が飛び出すアースフォールは物理防御に有効そうだ。

空中に魔法障壁を展開できるマジックバリアは、強度や範囲を細かく調整可能で様々な応用が可能で便利だと感じた。

マジックバリアの運用に長ければ長けるほど、戦闘を優位に出来そうだ。

魔法は種類が多い為、使いこなせると非常に心強いだろうがそれには膨大な経験が必要だろう。

とにかく、戦闘経験と技術がない為、格闘や武器を使った近接戦闘はできないに等しい。

成長してレベル上がってもそれは変わらない。

屋敷の倉庫に上等そうな剣や槍といった武器はあったものの、それらを使った戦い方の知識と経験がないため使おうとしても付け焼刃にしかならないだろう。

剣とかかっこよく振るって、敵を真っ二つにして「またつまらぬものを斬ってしまった」とか言ってみたい気もするが。

もしこの世界に銃火器が存在していたとして、素人の俺では動く敵の急所を的確に当てることは無理だろうし、メンテとかもできない。

つまり、能力を最大限に生かせる、魔法を使った戦闘を主軸に考えている。

戦闘経験のない、といういより積めないので、状況を想定し、状況に応じた反応を複数プログラミングし自動化させる。

自動防御や自動迎撃といったもの。

自動化していれば、不意打ちにも対応出来るだろうし長期間の森での戦闘の安定度も増すはず。

火力で上回って、遠距離から一方的に倒す。

それが一番安全で効率的なのだ。


ここまでご視聴本当にありがとうございました。

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