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森、攻略開始 その3

眼前には4体の魔物、そしてこの森のお宝であるダヴィスの実。

食べれば強くなれるというその実を、出来れば手に入れたい。

そして食べたい。

しかし、それを成す為のリスクがとても高い。

実を食べるために、死んでしまっては元も子もない。

この状況における最善の選択肢は、戦略的撤退をする。

レベルを上げた後、好機を狙う。

だが、時間的猶予がそれを許してくれるか?

レベリングは行き詰っている。

屋敷に戻り、ルートを変えて進むことが今回のルートよりイージーという保証があるのか?

もっと強力な魔物達がウロウロしているかもしれない。

それに引き換え、目の前の魔物達は同レベル程度。

更に強化チャンスという成功報酬まで用意されている。

この場でとる選択肢が決まった。


『セレスティ』


『はい、如何いたしますか?』


『少し、リスクを取る。ダヴィスの実を手に入れる』


『承知いたしました。ご武運を』


オーラの循環量と放出量を最大にする。

産み出される量と消費される量が一気にバランス崩壊し、オーラの貯蔵量が急速に減少していく。

肉体強化を限界まで引き上げると共に、転生特典である『超演算能力』もフル回転させる。

今なら元の世界のどのスーパーコンピューターとも処理能力で勝負できる気がする。

並列思考…スペース…ワン…ツー…スリー…フォー…。

自意識とは別に思考するスペースを4つとそれぞれに疑似人格を持ったAIを配置する。

並列思考スペースもAIもその気になれば百単位で同時展開できるが、増やせば増やしただけ個々の処理力は落ちてしまう。

今回は4体の敵に合わせて4体のAIが相対する。


『ワンはハチ型、ツーはカマキリ型、スリーはクワガタ型、フォーはトンボ型をそれぞれ応戦』


『『『『了解』』』』


AI達が同時に応答を返した直後に、早速ワンがハチに向かって攻撃を仕掛ける。

マジックランスを四方から囲むように照射。

空中をホバリング移動しそれらを避けつつ、炎に包まれた針を無数に飛ばしてくる。

『コールドナイフ』

マジックランスよりだいぶ小さな魔法の氷の刃が、針を迎撃しそのままハチへと向かって飛翔するが、それをいとも簡単に避けてしまう。

カマキリとクワガタが左右から囲むように向かってくる。

その2体に対しツーとスリーは、どちらの進行方向にも『バリア』を展開する。

強固な魔法障壁により信仰妨害された2体の昆虫達は足が止まる。

『ロックスパイク』

カマキリの足元から鋭利な石の杭が突き出す。

カマキリは背後の羽を羽ばたかせると、大きくジャンプし石の杭を避けながら、魔法障壁をも飛び越えた。


バキィン


ガラスの割れるような音共に、クワガタの前に展開していた魔法障壁が崩れ落ちた。

クワガタの自慢のクワでバリアは切り裂かれてしまっていた。

スリーはすぐさま新たなバリアを展開させた。

今度は半分程度の大きさのバリアをクワガタを囲むように何枚も何枚も展開させた。

クワで挟まれるたびにバリアは破壊されるが、その度に新たなバリアが邪魔をして歩を進めることはできなかった。

バリアとバリアの間からマジックナイフとマジックランスを撃ち込む。

しかし、硬い殻の装甲と高い対魔法防御力によって殆どダメージを受けていないようだった。


上空を舞っていたカマキリを、全方向からその弱点である炎属性の魔法の槍、ファイアーランスが襲い掛かる。

次々に着弾し、カマキリは燃え上がった。

地面を転げ苦しそうにしている姿、こちらにはダメージが通っているようだ。

追撃をと再びファイアーランスを展開しようとしたときに、ワンから警告が。

ハチの攻撃が飛んできた。

それをバリアで防ぐと共に、お返しで魔法で攻撃を行うが動きが俊敏で命中しない。

その間に、カマキリが起き上がっていた。

先ほど炎の槍で与えたダメージが消えている。

フォーから報告によると、高高度を旋回しているトンボが回復魔法で直したらしい。

加えて、トンボは他の3体の昆虫魔物に対し強化系のスキルを付与しているとのこと。

ハチが素早く避けながら、遠距離攻撃を加えて来る純粋アタッカー。

カマキリは接近してきているので、近距離型のアタッカー。

クワガタは鈍足ながら、堅い守りと重い一撃を持っている重戦士。

最後にトンボはそれら3体を回復支援するヒーラー兼バッファー。

見事なテンプレのパーティーが出来上がっている。

ならば、こう攻めるのが定石。


『フォー、全力で攻撃を加えるんだ』

『了解』


杖を天高く振り上げると、頭上の空の上に居るトンボ目掛けて魔法攻撃が始まった。

トンボは更なる上昇をしつつ、右へ左へと飛来する魔法の槍を避ける。

直撃しそうな攻撃は魔法障壁を展開し、防いでいる。

魔法障壁で攻撃を防ぎ切れておらず、ダメージは通っているようだがそれも回復魔法ですぐに回復していて決定打にならない。


『警告、魔法の対象になっています。解析……完了、オーラ循環の妨害系魔法と判明』


こちらの弱体化、デバフまで使ってくるようだ、間違いなく一番厄介なのはトンボだ。

デバフは解析して無効化させる。

トンボに意識を向けている間もワン、ツー、スリーがそれぞれ他3体に向かって魔法を放っていた。

戦闘技術に乏しい俺のとれる戦法は限られている。

相手の攻撃を受けないようにしながら、こちらの攻撃を与える。

ただそれだけだ。

攻撃は最大の防御とばかりに魔法攻撃を繰り出し相手を貼り付け。

バリアを壁として利用して行動を妨害。

相手の攻撃はバリアで防ぐか、射程外まで後退する。

今のところ、4体を相手に危なげなく戦えている。

同レベル4体を相手に健闘しているのは、屋敷で借りた装備による恩恵が大きかった。

を包む防具はオーラの循環量と放出量にかなりのバフを与え。

杖が魔法の展開速度、精度、威力にかなり寄与している。

小さくも大きくもない戦力差。

それを活用しているのがAI達。

同時に分析、監視し4体の魔物が攻勢を強める前に先手を打って頭を押さえている状態だった。

しかし、有効打を与えられるにいたっていない。

大量の魔法を展開して釘付けにしているが、オーラは高速で消費されている。

オーラが枯渇する予測時間は残り20分。

20分後には肉体強化も溶け、魔法攻撃も防御もできない無防備な状態になるということだ。

しかも、この戦闘がゴールというわけではない。

先に進むにしろ、戻るにしろ今後も戦闘があることを考慮すると最低限でも半分のオーラは残すべき。

するとどうだ、残り10分で勝負を決めるか後退を判断しなければならない。

また、目的を忘れてはいけない。

あくまで目的はダヴィスの実を手に入れること。

魔物達は障害ではあるが、必ずしも倒す必要があるわけではない。

魔物達を避けつつ、実を手に入れることを最優先事項にする。

AI達も作戦に賛同する。


作戦が決まると、魔物達を避けて迂回するように走り出す。

魔物達もそれに気づいて追ってくる。

一番危険性の高いクワガタに魔法を集中して引き続き足止めする。

少し攻撃の手が緩んだハチとカマキリが一気に距離を詰めて来る。

魔法攻撃を放つが、ハチは避けカマキリはガードして防ぎつつ上空のトンボから回復を受けてダメージにはならない。

構わず実へと回り込む。

すると、魔物達が実の方へと近づくように後退した。

俺の意図がバレたようだ。

そう簡単に実を渡してくれないようである。

やはり魔物達を倒さない限り、実の奪取作戦も難しそうだ。


オーラの残量が減っていく、戦闘を継続できる猶予が短くなっていく。

攻めきれない時間が続いている。

進展がないままいたずらに消耗しているかに思えたが、魔物達にも相応の傷が付いていることに気付く。

ワンの撃ちだした複数のマジックナイフは、ハチの高速空中ホバーリングで回避されるが、数発命中している。

堅牢な殻の装甲に包まれたクワガタも、防御の薄い関節部分を集中攻撃されダメージを受けている。

カマキリは片方の鎌と羽を魔法でやられている。

先程までは頻繁にパーティーメンバーに回復をかけていたトンボであるが、己に降りかかる攻撃への対処に追われてしまっている。

AI達が魔物達の行動を収集し、分析しているおかげだ。

行動パターンと弱点を解析し、攻撃の精度が回数を重ねるごとに上がっているのだ。


『マスター、一気に崩します』


ワンが攻撃を畳みかけることを宣言する。

攻撃パターンスケジュール表が視界内に表示される。

優秀なAI達だ、これじゃどちらが主人かわからなくなるが作ったのは自分だと呑み込むことにする。


上空のトンボに向かって魔法を集中する。

トンボは全身を守るようにバリアを展開して身を守る。

バリアに防がれて決定だは与えられない、しかし、魔法攻撃に押されて徐々に高度を下げていた。

攻撃しながら、クワガタに接近する。

クワガタは度重なる攻撃でダメージが蓄積しており、片膝をついていた。

鈍足なクワガタだったが、接近した俺に繰り出したクワで挟み込む攻撃は早く鋭かった。

しかし、それを避けてクワガタの眼前に滑りこむと、杖を首の殻と殻の隙間に突っ込む。

杖にストックしてある、魔法を開放する。

『オーラブラスト』

強烈な輝きと熱量を持った魔力の光の柱が上空に向かって伸びる。

上空のトンボはフォーの魔法攻撃の誘導により、レーザーの斜線へと追いやられていた。

バリアを容易く破り、その身を貫通。

クワガタとトンボを同時に貫くマジックレーザー。

クワガタはガクリと力が抜け崩れ落ち、トンボは落下を始めた。


ツーが反応していた。

振り向くとカマキリが残り一本の鎌で切り付けてきていた。

しかし、ツーの行使したマジックランスがカマキリの腕を撃ちぬいた。

鎌のなくなった腕を振りぬくが、空を切るだけ。

両腕の鎌を失ったカマキリだが、英史の頭を喰らおうと口を大きく開けた。

口の中に杖を突っ込む。

ハチからでは、カマキリに隠れた英史の姿が良く確認できなかった。

『オーラブラスト』

再び杖から発射された魔法によって、カマキリの頭部は蒸発。

そしてハチもまたレーザーの斜線に誘導させられていて、カマキリの後頭部より不可視の超速の熱戦を避けるすべはなくその身を貫かれた。

上空から落ちてきたトンボが地面に叩きつけられるのと同時に、カマキリもハチもこと切れていた。

4体の魔物は絶命し、オーラへと姿を変えていた。

もう少しで区切りがつきます。

区切りがつきましたら、第一部からストーリーの改変を行って行きたいと思っています。



ここまでご視聴、本当にありがとうございました。

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