第四話 金目鯛 蒸し物
翌日から従業員の帰った
深夜のレストラン アフリカの調理場では
香津美と真理奈の新料理の研究が始まっっていた。
それはレストラン アフリカの希望の光。
香津美と真理奈が考えたのが
毎日食べても飽きないもの。
それは定食で魚料理。
香津美が北京ではじめて食べた
魚料理がとてもおいしかった。
そんな単純な理由でこの料理は始まった。
北京で食べた魚は日本では手に入りにくい。
思い切って煮つけで食べてもうまい
金目鯛を代用することにした。
金目鯛とはキンメダイ科の深海魚。
全身は色鮮やかな紅色で目は大きく金色。
にしき鯛とも呼ばれている。
作り方は
金目鯛はウロコとエラを取る。
腹側に切り目を入れて内臓を取除いたら
水でよく洗い、
水気をふき取る。
次に白髪ねぎを作る。
ねぎの白い部分を
5~6cmの長さに切って芯を除く。
千切りにして10分ほど
水に漬けたら水けをきる。
皿にねぎの青い部分を使って
枕木状に並べ、
下処理をした金目鯛の
頭を左にしてのせ、
その上に生姜の薄切りを散らす。
上から全体に塩コショウなどをふり紹興酒をふりかける。
蒸気の上がった蒸篭に
入れて8~10分蒸す。
ねぎを敷いたのは
蒸気が全体に回るようにするため。
早く火を通せば魚の旨み汁が逃げないですむ。
鍋にたれの材料を入れて、
ひと煮立ちさせる。
蒸し上がったら、
ねぎと生姜を除き、
白髪ねぎをのせて
香菜を飾って熱したピーナツ油を回しかける。
これが金目鯛の蒸し物。
洋食風のスープで作った
ラーメンスープにねぎをたくさん入れた
ネギのスープ。
洋食レストランには珍しい中華風の魚料理。
何度目かの失敗を重ね、最後に出来た絶品の味。
洋食の副長に中華料理の味を持ってきたのは
香津美と真理奈の賭けだった。