其ノ陸~頂き物紹介(FA&応援イラスト)~
こちらは『真夏の雪に逢いに行こう』へ頂いた素敵な贈り物の紹介でございます。嬉しいことに第二弾。贈り物を下さった作家様、応援して下さる皆様へ感謝の想いでいっぱいです。
語り手は引き続き夏呼で参らせて頂きますので、著者はまた後書きまで引っ込んでおります。是非是非、お楽しみ下さいませ。
皆様、この度はお越し頂きまして誠にありがとうございます。物質世界の日本国、横浜市内、秋瀬邸にてメイドを務めております夏呼と……
「幽体世界、稀少生物研究所、植物管理班、名前……ヤナギ」
そう、私は前世、ヤナギは今世。長くの歳月を超えた現代に於いて、私と彼女は一体の魂でございます。
ゆえに時折、語り口調が入れ替わり立ち替わりすることが予想されます。大変恐縮ではございますが、何卒ご容赦頂けましたら幸いです。
それではいざ。
皆様方の応援のお気持ちと織り成す、艶やかな冒険の旅へ……!
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まずはこちらでございます。
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嗚呼……なんと儚げで麗しいこと。“忘れないで”と願う切なさ迫る表情。痛みと共に流れ落ちる雫さえもがまるで宝石のよう。
「ああ……ナツメ、ナツメ……っ、ううう」
ヤナギも私も思わず涙してしまいます。なんたって最愛なるあの方の涙なのですから。
こちらを描いて下さったのは『空玩具』、『コトノハ薬局』などの作品でおなじみの九藤朋様でございます。
九藤朋様のマイページ
→http://mypage.syosetu.com/476884/
小説『空玩具』
→http://ncode.syosetu.com/n9814cw/
小説『コトノハ薬局』
→http://ncode.syosetu.com/n1862cs/
私は先日『空玩具』を拝読させて頂いたばかりでございます。不思議な力を持つ所長様と麗しき秘書様が営む“空玩具探偵事務所”を舞台としたこの物語には、もう一つ、密やかなる営みがございます。決して公には出来ぬ想い。それはまさに背徳の恋。私は……私は、とても他人事などとは思えず。幻想的な秘め事に頬を染めては酔いしれてしまうのです。
今回、九藤様は我が最愛なる方を描いたこの素敵な芸術作品を『わすれなゆき』と名付けて贈って下さいました。作者の七瀬はこの人物を“秋瀬”と紹介させて頂いております。
言うまでもなくそれは
「秋瀬ナツメ」
そして秋瀬夏南汰様です。
時を経て一体の魂となったこの二人が想いを馳せる先はただ一つ。九藤様も混然一体となった人物として描いて下さったとのこと。
「ナツメ」
夏南汰様。
雪の君を追い求めるこの魂の気持ちを感じ取って頂けたのは、今もなお変わらずに想い続ける、私とヤナギの気持ちを感じ取って頂けたも同然なのです。
どうかこの切なる願いを勿忘草が導いてくれますことを。
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続けてご紹介させて頂きます。
大変ありがたいことにこの度『第五回ネット小説大賞』のイラストプレゼントにお選び頂きまして、この物語の登場人物を一名、イラストレーター様が描いて下さることになったのです……!
それではお言葉に甘えてと、七瀬はこのようにお願い致しました。
✴︎中性的顔立ち
✴︎身長百五十七センチ
✴︎作中では二十三〜四歳が主であるが、外見的には十六歳くらい。
✴︎物語のキーワードに“勿忘草”がございます。
そう、ここはやはり物語の起点となった人物。
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…………!
「…………!」
おわかり頂けましたでしょうか。先日樹様ともお話したばかりですが、この! お目々が……っ、凶器なのです!!
『秋瀬夏南汰』。天真爛漫で純粋で、誰よりも愛情深い、私の最愛の人でございます。
ため息が溢れます。なんて瑞々しく美しいのでしょう。その澄んだ円らな瞳も、絹のように滑らかな肌も。いつか私に下さった花弁のように……しっとりと……柔らかなぁ……ああぁぁ……っ!
「夏呼、しっかり」
これがしっかりしていられますか、ヤナギ。
こちらを描いて下さったのはイラストレーターの弦芭様でございます。
性別と時を超越した存在。七瀬もまさにそんな意識で夏南汰様を動かしてきた、などと申しております。脳内に描いていた彼の姿そのものであると。
もちろん私の目と心に映るのも。少年のような少女のような、それでいて力強い。柔らかな南風。波の如くみなぎる躍動に、眩しい夏。透き通る青色と勿忘草の似合う人。
尊く愛おしい、愛くるしい、“唯一無二”なのでございます。
もう自分自身も過去となってしまった、夏呼の願いがもし叶うのなら、夢の中でもいいのです。元より幻想世界のようだったあの胡蝶の夜へ舞い戻って……
もう一度、抱き締めて差し上げたい。
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此度の冒険も実に心踊る素晴らしきものでした。込み上げる涙も切なさもどうしたって付いてくるものですが、私はこの痛みさえ手放したくはないのです。
まさに幻想でございましたね、ヤナギ。めくるめく万華鏡の如く。
「現代、なら、プラネタリウム」
なんですか? それは。
「星、いっぱい」
星……ですか。
そうですね、あれは人生そのものを示しているようです。今、この目に映る瞬きも同じ時のものではない。今となっては実在するかどうかさえわからない。
人の想いもまた然り。長くの時を超えてやっと届く一欠片もあるのでしょう。
私は多くを望みません。あの方の笑顔の為に、その生き方を守る為に、伝えるべきではないと思う事実がございます。
孤独だなんて思いません。
魂になってなお、そして姿形、性さえ転じてなお、めまぐるしく躍動を続ける唯一の存在がある限り、私たちの冒険は何処までも続いていくのです。
白紙に戻したこの手記の題名はあともう少し、考えさせて下さいね。必ず相応しい名を見つけ出してみせますから。
なんと言っても私・七瀬は皆様の応援やお気持ちこそが最大の糧なのでございます。
まだまだ未熟かつ勉強中の身ではありますが……これは書き続けている以上ずっと付いてくるものだと思うのです。もっとお楽しみ頂きたい。そう思う以上、満足する日などきっと訪れないのでしょう。
それでも締め括りは「やりきった!」という清々しい気持ちでありたい。登場人物である彼らにはそんな自らの想いを託しているつもりです。
実はこの物語には幾つかのルートがございました。
そして今、用意していたルートのどれからも若干外れた方向に進んでおります。本筋は変わってないのですが、ある人物がそちらに引っ張っているのです。
正直なところ額からひやりと流れる感覚を覚えました。それでいいのか。本当に君は後悔しないのか、と。
しかしそのルートを辿ってみるとどうでしょう。締め括りとなる場で、時代で、実に満ち足りた笑みを浮かべている“あの人”がいるのですから……
私の決意もいよいよ固まりつつあるのです。
最後に。ご閲覧頂きました全ての皆様、そして九藤朋様、弦芭様に、重ねて感謝申し上げます。
七瀬渚




