第六話 リボン到着、そして再会
2015/8/18
【吸収】の説明、一部追記
「転移……魔法陣……」
シャルロットさんは未だ茫然自失としたまま。
今ならきっと、背後に回り込んでおっぱいモミモミしてもばれない。
しないけどね。リリス様に怒られるから。
「実在したのですね。お伽話かと思っていました……」
「へえ。転移魔法の昔話とかあるんですか」
なるほど。そりゃ呆然とする訳だ。
元の世界で鬼が島や竜宮城を目撃したら、俺だってきっとこうなるもん。
「偉大なるリリス様は、転移の魔法を使って世界中を旅している、って昔話が」
「ああ、そうですね。リリス様は確かに使ってますよ。これ」
「……なんだかずいぶん親しそうですね? リリス様と」
「そりゃそうですよ。俺をこの世界に召喚した張本人ですもの」
三年前にリリス様が考えた策というのが、魔王城への奇襲。
しかしそれには、この転移魔法陣を使わなくてはいけない。
そして現在、この世界に転移魔法の消費魔力に耐えられる人材はいない。
……ということで。
「俺、特異体質なんですって。蓄えられる魔力総量が異常なほど多いんだとか」
現代社会にいた俺には、そんな特技があったらしい。
元の世界にいたままでは、一生開花しないし、役にも立たない体質だよね。
何しろ元の世界には魔力も魔法も存在しなかったからなあ。『奇跡も魔法もあるんだよ!』な、この世界だからこそ生きるスキルである。奇跡があるかどうかは知らないけど。あ、リリス様に出会えた奇跡があった。神に感謝しよう。
「この転移魔法陣を作動させて、魔王討伐パーティーを魔王城にまで最速で送り届けること。それがこの世界に召喚された俺の、本当の役割だったんです」
便宜上、勇者なんて呼ばれていたけど、実はその正体はタクシー運転手。
だいたいね? 異世界にきて僅か数ヶ月の訓練で魔王と戦える訳ねーっすわ。
ロ○の剣を持ってたって、レベル1のままじゃ竜王には勝てませんって。
そもそもあのパーティー、アホみたいに強い人ばかりだったしなあ。
魔力だけは有り余っている俺は、もっぱら雑魚敵掃討が担当でしたよ。
雑魚殺しのユウキさんと呼んでくれ。
……さて。
「すぐに転移してあげたいところなのですが、その前に俺の魔力を回復します」
「はい! ……え? 魔力総量は高いって、さっき言ってませんでしたっけ?」
「そうなんですけど、この施設を出現させるのに、相当な魔力を使いましたから」
「あ、そ、そっか……」
しょぼんとしてしまう、シャルロットさん。
くるくる表情が変わって、ほんと可愛いコだよなあ。
たまに言動がおかしい時があるけど。
「ま、そんなに落ち込まないでください。魔力の回復なんて一瞬で済みます」
「……一瞬? え? 魔力って、きちんと休まないと回復しませんよね?」
そう。それがこの世界の一般的な常識。
魔力は体力と同じく、しっかり時間をかけないと回復しない。
魔力自体は、この世界の大気にとけ込んでそこらじゅうに存在しているけど、それを人の体が取り込むのには時間がかかるのだ。
普通ならね。
「巻き込まれちゃうと大変なんで、ちょっと離れていてください」
「は、はい。……でも、何に、ですか?」
「俺の魔力の回復に、です」
そういいつつ、俺は部屋の中央に立つ。
天井に向け、まっすぐ右手を上げる。
ここは転移魔法陣が置かれるほどの、言わば、魔力の吹きだまり。
この濃い魔力の中でなら、多分、本当に一瞬で事は終わる。
「――【吸収】」
複雑な呪文を唱えるでもない。何か特別な魔導具を使用する訳でもない。
ただの一言で、それは起こる。その現象は発生する。
ごうっ! ……と。密閉された室内であるにも拘らず大気が揺れる。
地面は唸りを上げ、石壁は細かく振動し、世界は揺れる。
大地から。空気から。そしてこの神聖な建物自体から。
何かが、見えない何かが俺の右腕から吸い込まれて行くのを確かに感じる。
これが俺の、リリス様から貰ったチート能力。――【魔力吸収】。
読んで字の如く……というか、まんまだな。
俺の右腕は、大気中に漂う魔力を強制的に吸収する。
膨大な俺の魔力総量を、一瞬にして満たすほどの勢いで、だ。
魔力版の、吸引力の変わらないただひとつの掃除機だ。ダイ○ンだ。
転移の魔法を使うたびに魔力が空っぽになって動けなくなる、そんな事態に陥らないように、と、リリス様が直々に授けてくれたこの力。
ちなみにこれ、周囲の誰かが魔法の詠唱中に使うと、それも吸収しちゃう。
また、右手で人の体に触れた状態で使うと、その人から魔力を吸い上げる。
逆に魔力を分け与えることもできる。
簡易版のドレインタッチのように使うこともできるのだ。
リリス様に頂いたチートマジパネェのである。
「……ふぅ。こんなもんだな。お待たせしました。シャルロットさん」
体内の魔力総量を体感で確認。
残念ながら、目で見て計れるものではないので、あくまでも体感だ。
あれだな。魔力の量が見れるスカウターとかあると便利なのにね。一般人に向かって悪そうな笑顔を浮かべつつ、『魔法力……たったの5か……ゴミめ』とか言ってみたい。ああ。でもそれ負けフラグだわ。やめとこ。
改めて転移魔法陣の前に立ち、その前に膝まづく。
その位置にある、異色の比較的小さな石板。大人の手のひらサイズのそれを一気に押し込むと、再びあの、遺跡の外でも味わった魔力を吸われる感覚、あれの数倍酷い奴に襲われる。
あれだよ。どう例えればいいのか分からないけど、なんというか、そう。巨大なイソギンチャクに手のひらごとに張り付かれたら、きっとこんな感じなのかも?
その不快感に耐えつつ、魔法陣を見る。青白かったそれが、少しずつ少しずつ明るい黄色に変わっていく。これが全部太陽の色に染まると、起動完了だ。
「ハ、ハルキさん……? 大丈夫ですか?」
「ん。へーきへーき。でも、ちょっと離れててくださいね」
近づいてきて、今にも背中とかさすってきそうなシャルロット嬢を牽制。
美少女に触れられるのは大歓迎なんだけど、今はちょっとまずい。
この石板から一瞬でも手が離れると、起動キャンセルになっちゃうからだ。
複数の魔術師を交代で使って、魔法陣を起動させられない理由がそこにある。
その仕様、これを作った神様の設けたセキュリティーシステムなんだろうな。
神様以外には使えないように……っていう。うまくできてる。
「……よし。起動完了」
「い、いよいよ、ですか?」
「はい。いよいよです。準備はよろしいですか?」
「あ、は、はい! うん、だ、大丈夫です!」
と、強気で応えた割に、一向にこちらに寄ってこないシャルロット嬢。
一歩踏み出して、二歩下がり、と。結果としてずるずる後退していく。
「……どうかしました?」
「あ、いえ! その! あ、あの! ……やっぱりちょっと、怖くて……」
……ああ、なるほどね。
確かに怖いかもしれない。あんな巨大な魔法陣の中に入っていくのは。
起動音がグォングォン唸ってるし。黄色く光り輝いてるし。
よし。強引に行くか。
俺はシャルロットさんの手を握りしめ、さっさと歩きだす。
「え!? あ!? ちょ、ちょっと!? なにするんですか!?」
「何って……。ここまで付いて来ておいて、そんな風に言われても……」
「わ、わたし! 困ります! そんな! 強引になんて!」
「大丈夫。最初は怖いかもしれないけど、我慢してください。すぐ慣れます」
壁際で震えたまま抵抗する彼女。
「いやっ! やだ……。怖い……」
「目をつぶっていればすぐに終わりますよ」
「そんな……。わたし、こんなの初めてなのに……」
「天井のシミでも数えていてください。その間に終わりますから」
魔法陣の前で最後の抵抗をする彼女。
「お願いです……。痛い……もっと、優しく……」
「ああ。すいません強すぎましたが。(握り締めた手の力が)」
「こ、ここに、入るんです、か……?(この魔法陣の中に?)」
「ゆっくりでいいです。ゆっくり自分で入れてください(魔法陣の中に足を)」
……なんか、会話が無駄にエロく聞こえるのは気のせいだろうか?
これ、何にも知らない人が声だけ聞いていたら、悪い男が清純な女の子を騙して暗がりに連れ込んでイケナイナニカをしようとしていると勘違いしないかな?
いやまあ。いっか。別に俺ら以外に誰かいる訳じゃないしな。
いないよね? いやいない筈なんだけどさ。
何かさっきから、妙に人の気配というか、殺気みたいなものを感じるんだよな。
ま、気のせいか。うんうん。気のせいだ。そうそう。
それにしてもシャルロットさんはナチュラルでエロイ。
将来はきっと、ご主人さまを惑わす魔性のメイドになるだろう。
そんな彼女を連れ、俺は魔法陣の中に足を踏み入れる。
――地面の感覚が消える。視界が光に覆われる。ふわふわとした妙な浮遊感。
それが消えて、再びしっかりした石畳の触感が足に戻ってきた時。
俺たちは先程と同じような、でもどこかが微妙に違う地下室の中にいた。
「え、えっと……?」
恐る恐るという感じで目を開けたシャルロットさんの手を引き、俺は階段を上がる。出口を覆っていた石聖の扉を開ける。新鮮な空気を胸いっぱい吸い込み。そして一言。
「本当にお待たせしました。……スズの国です。あなたの故郷ですよ」
街道から程良く外れた、スズの国のその遺跡は、周囲を日本でいうところのススキのような首の長い草に覆われていた。東の国、スズを好んで群生すると言われる雑草の一種だ。その穂先を手にとり、愛おしそうに撫で、胸いっぱいに息を吸い込み、そして最後に夜空に浮かぶ月を見上げてから彼女は、そっと呟いた。
「ありがとうございます。ハルキさん……。本当に、本当に……」
――その頬を伝う涙は、夜空を彩るどの星よりもきれいだなと、そう思った。
× × ×
翌日。
転移魔法陣の設置してある遺跡を抜けだし、たまたま近くで夜営していたキャラバンにこっそりと紛れ込んだ俺たちは、朝一番でそこを出発。半日ほどの旅を経てスズ公国首都、リボンの街に辿り着いた。
「シャルロットさんの実家って、貴族なんですよね?」
「わたしの実家という訳ではないですけど、まあ、そうですね」
「なら、お住まいは街の北のほうですよね。馬車で行きましょう」
俺たちが入ってきたのが南門。
だいたいどこの街も、南側は一般庶民の住む地域で、中央が王宮。
貴族の屋敷は王宮よりもさらに奥、北側にあることが多い。
徒歩で行けない距離ではないが、当たり前だが馬車の早さには負ける。
雇うのには結構な金額が必要だけど、ここは必要経費というものだろう。
ここまでさんざん焦らされたシャルロット嬢を、これ以上待たせたくはない。
城門前の受付で一台の馬車を雇う。
二人で乗るものだから、それほど大きくはない。
行き先を告げ、代金を支払う。
乗り込んだ俺たちを見ながら、気の良さそうな御者のおっちゃんがいろいろ話しかけてくるが、正直、空気を読んで欲しいと思った。俺はともかく、さっきから無言できつく唇を噛みしめているシャルロットさんに返事をする余裕はないのだから。
……無事だといいけどな。シャルロット嬢の親父さん。
大通りを走る馬車は、王宮をぐるりと回り込むようにして迂回し、そしてまた直進。風光明媚な、よく手入れされた庭付きの豪邸が並ぶ、北側居住区に辿り着く。そしてそのうちの一軒、他の貴族にも負けない立派なお屋敷の前で止まった。
「ありがとうございますっ!」
お礼の言葉もそこそこに、屋敷内部に向かって走り出したシャルロットさんは、お庭で庭師と何やら相談していた、執事っぽいダンディなお爺さんの胸に向かって飛びこむ。
「スベールさん!」
「はい? ……これは、も、もしかして、シャルロットお嬢様、ですか?」
離れていた五年で、シャルロットさんがどれほど変化したのか俺は知らない。少なくとも胸は立派に育ったんじゃないかなと、そう想像するくらいだ。
だが、スベールと呼ばれた爺さんは、一目で彼女の正体を見抜いたようだ。皺だらけの顔に満面の喜色の色を浮かべ、孫に接するようにして、シャルロットさんの頭を優しく撫でる。
「お元気そうで……。よくぞこんな遠い地まで……」
「ハルキさんが、ハルキさんがここまで送ってくれたから!」
「ハルキ……?」
爺さんの視線がこちらを向く。何となくペコリと頭を下げておく。
俺の自己紹介はあとでいいだろう。それよりも、今は。
「……! そうだ。スベールさん! 父様は! 父様は!?」
「ああ、はい。そうでした。さあ、お嬢様早く。早くシュミット様にお顔を!」
シュミット様ってのがシャルロットさんの父ちゃんかな?
あ、早くお顔を、ってことは、父ちゃんまだ生きてるのか!?
よかったね。シャルロットさん。間に合ったよ。
さて。依頼も果たしたことだし、部外者の俺はそろそろ……。
「ハルキさん! 早く! 早くこちらへ!」
……と、言う訳にはいかないようだ。
× × ×
屋敷の廊下を歩きながら、手早く、情報を交換する。
この善良そうなお爺さん、スベールさんは執事長の地位にあるらしい。
この一年くらいで、シャルロットさんの父であり、スズ公国貴族の一員であり、アルフォンス家当主でもある、シュミット・フォン・アルフォンス氏は体調をどんどん崩していった。その病の進行はけっして早いものではなかったが、だがしかし、主治医の治療を受けても完治はせず、逆に悪化する。
そこでシュミット氏の妾であり、シャルロット嬢の母親でもある女性が、父親の容体の急変を告げる手紙を娘に書く。これが半年前。
その後もシュミット氏の容体は回復に向かうことなく、現在はベッドで寝たきりだという。
「間に合ってよかった……。本当に良かった。リリス様に感謝を」
「そうですね。リリス様は完璧な女神様ですからね」
神に祈るスベールさんに深く同意する。俺は元の世界にいた頃はもちろん神なんて信じちゃいなかったが、今ではちゃんと信仰すべき女神様の名を知っている。
「お嬢様が無事、お手紙を受け取れたのも、リリス様のお導きですな」
「いやあ。奇跡みたいなものですけどね。何しろリリス様のすることですから」
シャルロットさんの母親が出したという手紙が届くのに半年。
それを受け取ったシャルロットさんが帰ってくるのに半年。
本来は合わせて一年かかる道のりを半年でこなした訳を、俺はこう話した。
もともと、手紙とは関係なく、シャルロット嬢は帰省の旅に出ていた。
旅を続ける最中、手紙を託されたこの家の使用人と出会った。
その場で手紙を受け取ったシャルロットさんは、更に急いで帰郷した、と。
ちなみに俺は、そんなシャルロット嬢を助けた旅の冒険者ってことになってる。
まあでも、我ながら穴だらけの理論である。
本当にこんなことがあったとしたら、それはまさに奇跡だ。
この爺さんも、よくもまあ、こんなヨタ話を信じたもんだ。
でもまあ、ほら。真相を話す訳にはいかないし。
本物の、手紙を託された使用人がここに戻ってくるのは半年後だし。
その頃には俺はもう、とっくにノアの街に帰っているだろうし。
まあいいかな、と。
「ところで、御当主様のご容体は……?」
「……どうぞ、こちらへ」
スベールさんがノックの後に開けた、ひと際豪奢な扉の向こう側。
焦燥した顔で椅子に座る中年の女性が、シャルロットさんの母親か?
その顔が驚きで固まる。目が大きく見開かれる。
その手が、ベッドに横たわったままの男の体をそっと揺する。
顔に死相を張り付けた、骨と皮だけで出来ているような男の手を取る。
「旦那様。旦那様。娘です。娘が、シャルが……。ああ、神様……」
「……う、ん? ……お、おお。おお。シャル。本当にシャル、なのかい?」
シャルロット嬢が、ととっ、と、足を進める。
目の前にいるのは、会いたくて会いたくて、夢にまで見た母。
ベッドで横たわるのは、往年の面影をとどめてはいないのだろう、衰弱した父。
感情に、現状の認識が追い付いていない。
でも。それでも。それだからこそ。
今はただ、感情のままに。幼い子供のように。素直に。
「父様、お母さん、帰って、帰ってきました……。シャル、シャルです、よ」
あとはもう言葉にならず。
あとはもう言葉は必要とせず。
抱き締めあって泣く三人の姿を、最後に、視界に入れ。
部外者である俺は、そっと、部屋の外に出た。
× × ×
……ぜひ泊っていってくれというスベールさんの言葉を固辞。
親子水入らずの時を邪魔する気はないし。
それに貴族の家は妙に堅苦しくて苦手だし。
と、いう訳で、街の南側に戻り宿をとった俺は、ベッドに寝転ぶ。
思い出すのはシャルロット嬢の父親の顔。
あれは死相だ。
冒険者として生きていく過程で、あの表情は何度も見た。
魔物の持つ猛毒に体を侵され、紫色になって死んだ男。
迷宮の罠に引っ掛かり、腹を裂かれ臓物をぶちまけた男。
避けられない死を前にして、人が浮かべるあの表情。
それが、死相。
それがありありと浮かんでいた、親父さんは、もう、きっと……。
そんなことを考えていたからだろう。
その時の俺は完全に油断していた。
――コン。コン。
扉を叩く、控え目なノックの音。
それに反応した俺は、無防備に扉を開けてしまう。
――パァン!
いい音を立てて、俺の右頬が張られた。
「……これは、ノアの街での分、です」
――パァン!
またいい音がして、今度は俺の左頬が張られた。
「……そしてこれは、転移魔法陣の遺跡での分、です」
――ちゅ。
そして今度はそっと静かに、彼女は俺の頬に唇を押しあててきた。
「……今のは、再会の挨拶、です……」
そして部屋の奥、ベッドに押し倒される。
彼女の両手が。白魚のように白く繊細な指先が。
俺の頬を優しく挟み込む。
「『偉大なる神々の力よ。彼の者の傷を癒さん』」
ふわりと。温かい何かが流れ込み、俺の頬の痛みを瞬時に消す。
ああ。間違いない。この魔法は。優しい意志を感じるこの回復魔法は。
こいつは。一年ぶりに会うこいつの正体は。
「……お久し振り、です。ハルキ様。お会いしたかった……」
魔王城攻略パーティーの回復役にして、ミスリル王家第十三王女。
ミスリル王の秘蔵っ子にして聖級プリーストの。
「……アイリス・フォン・ミスリル、ハルキ様に会いたくて、ここまで来ました」
――頭のおかしい、聖女様、だ。