三部作
「人の不幸は蜜の味」
さてさて問題はあの二人組みは誰の命令でここに来たか?と言うことだ。
「ありがとうクズ共、最高の褒め言葉だ。さしずめ君達はあのヤロウから命令されて来た殺人鬼か?それともなんだ?医者のヤロウ僕が偏食ばかりしているからついに脅しにきたか?」
ニッコリと僕は彼と彼女に微笑んだ。
が、二人は答えることなく首をかしげて頭にクエッションマークをうかべている。
「ケホ?ゲホゲホ!!あのヤロウ?ってかクズ共って言われました?(小言)」
「医者にぃ?Who is this?クズ共ってクズは禁玉だけなのに…にゃ(小言)」
そうか、あえて知らないフリをしているのか?まぁ、どちらにせよ…誰かから命令しないとここの部屋に入ってこれるのは不可能だ。
なんせ、外には軽く僕専用の警備員が20人いるはずだ。
「フーン…だったらお前ら、死神か鬼か分からないが…その証拠をみして見ろよ」
僕は意地悪そうにクククと笑いを喉でおしこらえるように笑う。それは絶対無理だという確信をしているからだ。
まさか、死神代行だと言って大きな刀をだすはずがない、ましてや大きな鎌なんてだすはずもないよな。
さぁ…どうする?
僕は横目で金髪の女性を見た、禁玉という女性ははふぅと息を吐くと言葉をゆっくりとつなげ始めた。
「子どもですが、私達の仕事な上この際はっきり言わせて貰いますね。ゴホン、田中太郎。小学二年生の男の子。ただいま人気上昇中のゲームのパピコの会社の社長の一人息子。箱入り息子として育ってきたせいか、わがまま…そして小学二年生にしてIQ200という将来、期待されている天才少年。
そして、ガンのため病院に滞在中
余命はあと一ヶ月もない…ってところですね、ゴホン」
禁玉の口から発せられた淡々とした軽快な言葉数。
隣に並んでいたイカ味噌は、「いいすぎではにゃい?相手は子どもだよ?」と禁玉の腹のわきくらいを軽く肘でつついた。
「………それで?それくらい僕は知ってるけど?」
僕は始めから知っていた。自分がガンということも、余命も…。
三年前、僕がこの病院にやってきた。
この何も飾らない白い部屋、少し香る死者の香り、周りの人の目が僕を哀れんだ目で見ていた。
IQ200の僕には十分すぎる要素だ。このことを理解することは―…。
が、今はそんなことどうでもいいだろう。
「へ?ゴホゴホ」
「フィ?」
二人はそれぞれ別の言葉でそれぞれの驚きを表す。
「僕はだから何だ?って聞いたんだよ?まさか、余命が一ヶ月もないから死神登場ってなベタな落ちではないよね?それくらい猿でもできるんだけど?ちなみにここの病院で僕のことを知らない人はいないね。
だって僕は有名だもん」
「うぐ…グググ、ゲホン、ちょっと!!なんですか!?本当にこの子ぉぉぉおお!!」
禁玉、彼女はとても悔しそうに歯を噛み締めて僕をただ睨んでいる。
「ぅおおおおぃ!!すこしは…すこしはものごとを信じるべしナリ!!」
イカ味噌、彼はそう言って手を真っ直ぐに人差し指を僕にむけた。
「はッ!!」
僕は二人を見下して鼻で思いっきり笑ってやった。
こういうバカ達が絶望に落ちる瞬間は嫌いではない。
いや、僕にとって人が絶望した瞬間ほど楽しいものはないだろうな。
『人の不幸は蜜の味』
そういう言葉がある。それにまさにピッタリだ。
さてさて、かと言って正直この二人に付き合うのは疲れた。
二人のテンションや、性格、行動、何もかもが僕の苦手なタイプだ。
何も知らない顔のバカや平和に埋もれたアホを見るだけでも鳥肌が立つ。
ここらへんで終わりにしようではないか?
死神か鬼か分からないが、イカの禁玉味噌チームさん達。
期待はずれだったが、想像以上のバカ達だったよ、君達二人とも。
僕は枕元にあるボタンを親指で軽く一度押す。
このボタンは押すと外にいる僕専用の20人の警備員につながっている。
ようするに…もう、わかるよね?
――バン!!
扉が大きく開かれると、そこからサングラスをかけた銃を持つ人が次から次へと続々と登場。
はぁ〜、正直、この後の警備員の話が面倒だから呼ぶのが嫌だったんだけどね。
でもこの二人の話聞くよりも、20人の警官を相手にした方がいくらかいいだろう。
「どうかなさったのですか!?田中様!!太郎様!!」
警備員のボスらしき人心配そうに急いで僕に駆け寄る。
正直こういうのウザイ。
「いちいち苗字と名前を区切って様をつけなくてもいいよ」
同じことをこの警備員に注意するのは、これで何度目だろう。
「いやいや、滅相もございませんよ!!むしろ私の気持ちとしては一文字一文字に様をつけたいくらいでございます!!」
「それだけはやめてくれ…俺の名前が悲惨なことになる」
「はい!!でもでも、ビックリしましたよ…まさかお体の様子が…いや、失礼しました。これそれで用件はなんでしょうか?」
警備員は僕のいつもどおり反応を見て安心したのか肩をおろす。
警備員のちょうど後ろにいる口論をし合っている男女二人組みはまったく眼中に入っていないようだ。
「あの男女二人を追い出してくれ」
僕は簡単に一言告げて、口論している二人に指をさす。
「はい?」
が、警備員は僕の指をさした方を見ては僕の顔を再び先程よりも、もっと心配そうな顔を僕に向ける。
何か僕が変なことでも言ったのだろうか?
不愉快に思い僕は眉間にシワを寄せてそいつを思いっきり睨んでやった。
「あ…あの太郎様…誰もいないのですが…?」
警備員はたしかにこう言った。
「はぁ!?!?」
僕の後ろでは相変わらず二人組みが口論を続けていた。
目目目目目目目目目目目目
ここまでお読み頂きありがとうざいます!!
というか…さり気に個人的には警備員のキャラがとても好きです(笑)
ははっ(汗)すいません。
次回こそ…たぶん、田中太郎君死す!?
だと思います…。




