四人の思い
「あぁ、静かだと思ったらもうパーティーも終わる時間なのね。
メイ、遅くまでひきとめて悪かったわね。今日はもう下がっていいわ。
別に私の話を聞くなんてのは仕事に入ってないんだから。」
「いえ、私がマスターにお仕えしているのは、私がマスターを好いているのからお付けしているのであって仕事だからどうこうというわけではないと何度も言っておりますのに。
いったいマスターはいつになったらわかってくれるのでしょか。」
伯父の勧めで初の女性親衛隊員として軍に入ったはいいものの、男だらけで居心地の悪さを感じていたメイにとって少女が天使のようにみえていたのだが、それは少女には知る由もないことであった。
「メイ、あなたはいつでも私に優しくしてくれるのね。だから大好きよ。
じゃあ私はもう寝るわ。だからメイも早く床に就くように。」
そう言ってベットに入り寝るふりをした。
地下室におかれたベットは最高級とはいかないが、よいものだと一目でわかる高級な品だ。これが王から少女への唯一の気遣いであった。
「はい、ではマスターおやすみなさいませ。」
少女が寝ていないことなどわかっていたがこれ以上言っても無駄なことも分かっていた。
だからメイがまだしばらく寝ずに少女の部屋の前で待機しているであろうこともわかっていながら少女はもう一度メイにおやすみと言ったのだった。
-少女は母を思い、王は娘を思い、メイドは少女を思った。母の思いはいずこへいったのかそれを求め少女は夢をみた。少女の瞳には涙がたまっていた。-
こんにちは、こんばんは、姫歌です。
今回はいつもよりちょっと長くしようとか思ってたらちょうどお話の句切れが来てしまったのでこんなもんで終わりです。
次の話にはまた新たな登場人物がきます。
イケメンです。乞うご期待(←一回言ってみたかっただけです)
いつものごとく批判や感想等々お待ちしております。
では、綺麗な茜色がさすその日まで。