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高校を卒業しても、進路は決まらなかった。

別に何かやりたいことがあるわけでもなく、ただ窮屈に生きたくなかった。

私は明日過ごせればいいくらいのお金と楽しさを求めるだけだったし、それ以外は頭悪いから何も考えたくなかった。

私って、悪い人間かな?


「だめだな」

「即答かよ、裏切り者」

「何が裏切りだよ、行きたいとこ見つけて何が悪い」

 人が真剣に悩んでるのに、『だめ』の一言だけだと些か気分が悪い。楽しそうに笑われると尚更に。

「私は悩んでるんだ、適切なアドバイスを頼むよ」

「死んでやり直せば」

「…なんでそういうこと言うわけ?」

 私が聞けばアンタは黙る。ほら、感覚でもの言ってんじゃないよ。

「…一度死んだら違う『自分』だろ。だからだよ」

「生まれ変わるとか本気で言ってんの?夢見がちだねェ」

「自分の意識ってのは絶対にあると思うんだよ。バカにはわからねえか」

「悪かったな」

 アンタは悪びれた様子もなくタバコを灰皿に押し付けた。

「大体まだ十代の女に死ねとかよくいうね、アンタが死ねよ」

「…オレ、昔よくそんなこと考えてたなー」

「うわ、根暗男」

「ちげーよバーカ」

「もういいって。帰るわ」

 席を立ち、千円札をテーブルに置いて私は店を出ていく。

アイツはまだコーヒーを口に運びながら私を眺めていた。

 まったくもって気分が悪い。

死ねだのダメだの言いたい放題。別にいいけどちょっと言い過ぎなんじゃないの?

 考えごとをしながら歩いていたら、すでに横断歩道のど真ん中まで来ていた。

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