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転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。  作者: 椎名 富比路
第三章 魔王、本格始動

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第21話 魔族が人を襲う理由

「ただいま」

「おかえりなさいませ、モモチ。今日は大丈夫ですか?」


 家に帰ると、レクシーがメンタルを気遣ってくれた。そうやって、レクシーはオレに寄り添ってくれる。


「ああ。今日はワイバーンが取れた。唐揚げにしよう」


 切る作業をオレが担当し、レクシーに食べられるように加工をしてもらう。


「このワイバーンの素材、いけると思うんだよ」


 モンスターの死骸を解体しながら、ニョンゴと相談をした。 


「移動には最適かもね。ただドラゴンと違って飛ぶことしかできない種だから、攻撃手段には向かないかも」


 ドラゴンは体格もあり力も強い分、燃費が悪く生命活動を維持しにくい。

 エサを大量に消耗するため、生きているだけで環境を脅かす。

 ワイバーンは大きさと攻撃力を犠牲にして、ブレスなどの特色を退化させて生き延びてきた種族だ。


 ドラゴンライダーは、ブレスを吐かないワイバーンを、魔法で洗脳して操っている。


「オレが気に入っているのは、このウロコだ。空気抵抗が少ない素材でできている。それでいて、熱伝導率がそうでもない。ウロコを開閉させて、体温を変えているところも興味深い」

「あえて皮膚を露出させて熱を放出し、ウロコの凍結を防いでいるんだ」

「では口の中は? 乾燥しないのか?」

「元々ドラゴンなんだ。そこはブレスの出番だよ」


 退化しつつも、ワイバーンの口内は放熱用の構造になっているらしい。

 唾液も、航空機に吹き付ける『不凍液』のような成分があるという。

 これは、使えるかもしれない。


「考えているんだなぁ。モンスターも」

「知恵があるのは、モンスターも人も同じなんだけどね」


 しんみりした話になりかけた所で、レクシーが料理を運んできた。


「難しいお話はわかりませんが、頭が凝り固まりそうならなにか食べましょう。ゴハンができましたよ」


 唐揚げには、米と相場が決まっている。さすが、我が家の奥方様だ。


「いつも豪勢だなあ。ありがたやー」


 オレは、レクシー神に祈りを捧げる。


「ウフフ。ふざけてらっしゃらないで、いただきましょう」

「おう。いただきます!」


 カラッとした歯ごたえがたまらん! それをライスで追いかける。


 幸せだ。唐揚げって幸せの味がする。


 さっきまで空を飛び回っていた悪魔だというのに、レクシーの手にかかれば極上のディナーへと変わるとは。


 続いてレクシーが持ってきたのは、バカでかいモモだった。まるで、こういう武器みたいだ。オレの刀より大きい。


「このモモ肉が、自慢なのですよ」

「おおーっ! マンガ肉みてええ!」


 極太のモモに、豪快にかぶりつく。ああ、うまい! デカすぎてもっと大味だと思っていたのに、こんな上手に焼けやがって。


「食材は少々保存をきかせて、他は食べきれないので孤児院の子たちに分けてあげてもよろしいでしょうか?」

「OKです! こんなうまい料理を独り占めしたらバチが当たっちまう!」


 元々、人にも分けるつもりで大量に狩ってきたわけだし。


「いつもありがとうね、レクシー。ワタシはモモチの外部的な問題解決方法なら考えられる。けど精神メンタル関連は、彼の奥さんであるキミにしか頼めない」

「わたしも、そのつもりでモモチを支えています。ニョンゴ様も、お辛ければ相談に乗りますよ」

「ホント? じゃあ、今夜は女同士で話し込もう。女子会って一度やってみたかったんだ」

「それもいいですね」

 

 二人をそっとしておく間、オレは腹を休めた後、風呂へ。


 魔王軍は、自分の生活環境を拡大させるために戦争を起こしている。強い魔物を過ごしやすくするためには、存在するだけで自然破壊に繋がる人類が邪魔なのだ。


 どっちもどっちだというのに、お互いに一方的な戦いを続けている。


 オレも、その環の中に入ってしまった。


 とにかく、オレはオレのできることをするだけ。 


 そんな意思は、レクシーに背中を流してもらっている間に等しく流れていってしまった。

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