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最弱スキル【反転】で無双する異世界冒険譚  作者: いわたん
第三章 強くなるために
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47.アルターとの模擬戦

月明かりの下、トーマとアルターの模擬戦が始まった。アルターは大剣を躊躇なく振り下ろし、風を切る音とともにトーマに迫る。トーマは【反転】を使い、その攻撃の軌道をずらして間一髪で回避した。


「相変わらず重いな、その剣は」


「お前が避けられる程度じゃ意味がないってことだ」


アルターが即座に返答すると、さらに間合いを詰め、横腹を狙って剣を突き出す。トーマは身を反らしてそれをかわすと、反撃の拳を放ったが、アルターは大剣でその攻撃を受け止めた。


「バニングのスピードはこれより速いぞ」


「分かってるさ」


トーマは息を整えながら応じ、攻防が続く。アルターの力と技術の前に、トーマは受け流しながら反撃の機会を探ったが、アルターの隙はほとんどない。それでもトーマは【反転】を駆使し、一瞬の隙をついてアルターの剣を弾き飛ばした。


「やるじゃないか」


アルターは笑みを浮かべる。


「だが、バニング相手にその程度じゃまだ足りない」


そう言いながら構えを変えたアルターの全身から黄金の気配が漂い始める。


「これが【闘気】だ。ここからはお前を敵だと思って全力で行くぞ!」


アルターは大剣を薙ぎ払い、その攻撃範囲と威力に圧倒され、トーマは避けきれず吹き飛ばされる。さらに追撃が続き、トーマは必死に対応したが、攻撃の威力は増し、次第に追い詰められていった。一旦アルターから距離をとったが、


「トーマ、そこは俺の攻撃範囲だぞ!裂空斬!」


アルターが大剣を垂直に振り下ろすと、空間を裂くような真空の刃がトーマを襲う。


「…!?【反転】!」


トーマは方向を変えようとするが、完全には防ぎきれず右腕を切り落とされる。


「ぐぁぁぁぁぁ!」


裂空斬で斬られた傷口はズタズタに切り裂かれ、トーマは左手で傷口を押さえながら叫び声を上げる。その様子にアルターは容赦なく檄を飛ばした。


「この程度の攻撃を喰らって悶えるようなら闘技大会に出るな!無駄死にするだけだ!」


「ふざけるな!…俺は…絶対に生き残るんだ!」


そう言うと、トーマの【不屈】が発動し、再びアルターに向かって動き出す。切断された右腕に【反転】をかけながら。


「くらえ!」


アルターがトーマへ薙ぎ払いを放つが、トーマはアルターの薙ぎ払いを逆にアルター自身へ向ける。【反転】を使った攻撃でアルターは驚きながらも回避するが、その隙をついてトーマは脇腹に拳を繰り出した。しかし、アルターはその拳を腕で受け止め、カウンターの拳を放つ。だがトーマは再び【反転】でその攻撃を回避し、距離を取った。


その後も互いに隙を突こうと死闘が続き、夜が明けるまで攻防は繰り返された。ついに両者は力尽き、地面に倒れ込む。トーマは【反転】の使い過ぎと【不屈】の効果切れ、アルターは【闘気】による魔力切れだった。


「ハァ、ハァ、ハァ…くそ!」


トーマは悔しげに地面を叩き、アルターは息を切らしながらも笑みを浮かべる。


「ハァ、ハァ、ハァ…どうやら…差は以前より詰まったようだな」


アルターはグラスとして負けた前回と違って、トーマと引き分けたことが嬉しい様子だった。


「だが…トーマ。お前は強いな。正直今回は勝てると思ってたが…やはりステータス以上の力がお前にはある。」


アルターがトーマを称賛する。


「…だとしても勝てなければ意味がないけどな」


「は!一応大ベテランの冒険者と引き分けて悔しがれるなんてどんだけ大物なんだ。」


アルターは笑いながら言う。


「俺も闘技大会に出るが…お前の闘いが楽しみだよ」


「俺はお前の闘いには興味ないが、俺以外に負けるのは許さない」


トーマがアルターを脅す。


「ははは…そうしたらお互い決勝でこの闘いの決着をつけようじゃないか。」


「そしたらどちらかがバニングと当たってボロボロだろ」


「その時は…運だから仕方ないな」


2人はさっきまで闘っていたことが嘘のように、朝日に照らす中、倒れながら談笑していた。


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