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最弱スキル【反転】で無双する異世界冒険譚  作者: いわたん
第三章 強くなるために
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41.ロンドにて

トーマたちはイニツィオからロレアルに向けて出発した。ロレアルまでは馬車を2回乗り継ぐ必要があるとのことで、


「長い道のりだからな。まあ、身体を休めるには良い時間だな」


とアルターが言う。リアナとフィーナは馬車に乗ることに大はしゃぎしていたが、トーマは気持ち悪そうに寝込んでいた。


(そう言えば、元々乗り物酔いが酷かったのを忘れていた…)


と心の中で嘆くトーマ。馬車は現実世界の車や電車より揺れが激しく、特に路面の凸凹の影響で「ガタンッ」と衝撃が走るたびに「うぷっ」と苦しげな声を上げていた。その様子を見たフィーナが


「大丈夫?」


と心配そうに背中をさすっていたが、アルターとリアナはそんなトーマの姿を見て大笑いしている。


「普段あんなに強気なのに、このザマとはな…(笑)」


「ぷぷっ…こんなトーマ、滅多に見れないもんね(笑)」


トーマは心の中で(お前たち覚えていろよ…)と毒づきつつも、ただただ耐えるしかなかった。




そんな環境が2日ほど続き、経由地であるロンドの街へようやく到着する。本来なら別の馬車に乗り換える予定だったが、トーマが完全に限界を迎えていたため、1日この街に滞在することが決まった。


「本当にだらしないわね…」


とリアナが言うが、トーマは弱々しく


「…うるさい」


と答えるのが精一杯だった。


「まあ、闘技大会はまだ先だからな!1日遅れたところで大差ないさ」


とアルターがトーマを励ます。フィーナも


「大丈夫だよ!」


と優しく微笑み、トーマを元気づけようとしてくれた。


「みんなトーマには甘いわね…まあ私もゆっくりできるからありがたいけど!」


とリアナは市場を散策する気満々で、アルターも


「じゃあ今夜の宿は『ロンバルディア』だから、そこに帰ってこいよ!」


と言い残し、我先に酒場へと向かっていった。


「じゃあ私たちも行きましょう!」


とリアナがフィーナを誘うが、フィーナは


「私は行かないよ、トーマといる」


と言い、リアナは


「え!?…そうですか…わかりました…」


としょぼくれながら市場へと歩いていった。




「本当に行かなくていいのか?」


とトーマがフィーナに尋ねると、フィーナは


「うん…たまにはゆっくりするのも良いなと思って」


と答え、トーマの隣に座った。


「そうか…」


とトーマは短く返し、2人はしばらく無言で座っていた。そして、フィーナがトーマにぽつりと話しかける。


「トーマ…あなたはこの世界の人ではないよね?」


その問いにトーマは驚いた表情を浮かべる。


「あ、だから嫌だとかそういうことじゃないんだ」


とフィーナはすぐに弁解し、トーマに害意がないことを伝えた。


「実はトーマだけ…色の見え方が違うの。」


「どういうことだ?」


とトーマが聞く。


「この世界の人たちはみんな、その人の周りに色みたいなものが漂っているの。でも、トーマだけは…胸の辺りにしか見えないの。まるで宝石のような…でもその色が、トーマの気持ちが変わるたびに変わるの。」


それを聞き、トーマは今までのフィーナの行動を振り返った。(なるほどな…だからか)と腑に落ちた。フィーナは要所要所でトーマの気持ちを支えてくれていたのだ。


「だから…今トーマの側にいた方がいいかなと思ったんだ。」


その言葉にトーマは短く「そうか」とだけ返すが、胸の内では感謝と不思議な安堵感が広がっていた。


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