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5. 苦痛の目覚め

次に東真が目を覚ましたのは、鈍い痛みが全身を走った瞬間だった。目を開けると、視界に広がるのは昨日と変わらない森の風景だった。地面は冷たく、空は薄曇りで、薄暗い森の中は静寂に包まれていた。体を起こそうとするが、全身に激痛が走り、東真は歯を食いしばった。


「まだ…生きてるのか…」


全身の至るところが痛み、特にウルフに噛まれた傷は深手だった。しかし、奇跡的に血は止まっていた。体をゆっくりと確認し、重傷を負いながらも致命傷には至っていないことを知り、東真は少し安堵した。どうやら、異世界に召喚された影響で、身体能力や回復力が上がっているらしかった。


「それでも…痛えな…」


東真は苦笑しながら、体を少しずつ動かしていった。体力は限界に近いが、それでもここで倒れたままでは再びウルフや他のモンスターに襲われる可能性が高い。周囲を見回しても、幸いウルフたちの姿はなく、他のモンスターもいないようだった。


「運が良かったのか…」


東真はつぶやきながら立ち上がり、傷ついた体を引きずるようにして森の奥へと進んだ。食料も水もなく、傷ついた体では長くは持たない。しかし、ここで止まるわけにはいかなかった。人間不信と警戒心が彼の心の中で強まっていた。王宮での扱い、ウルフたちとの死闘――全てが東真に「誰も信用するな」というメッセージを叩き込んでいた。


「俺は一人で…生き抜いてみせる…」


歩きながら東真はそう決意した。森の中にはまだ多くのモンスターがいることはわかっていた。だが、それでも彼は止まらなかった。スキル【反転】――この力を使って、なんとか生き延びていくしかない。


東真は次の戦いに備えて、【反転】の力について検証を始めた。まずわかったのは、【反転】は連続で使用する際に限界があり、今の自分では5回が限度であること。さらに、対象の向きを変えることができるのはもちろんだが、自分自身にもこの力を適用できることを発見した。これにより、相手の攻撃をかわす際に自分の体の向きを調整することが可能になった。また、方向をある程度指定することができ、相手の動きを巧みにコントロールすることが可能であることも理解した。


さらに、物体に対しても【反転】が使えることがわかった。ただし、固定されているものには現時点では反転が効かない。これにより、転がっている石や木の枝などの小さな物体を利用して相手を混乱させることができるが、大きな岩や木自体には影響を与えられないという限界もあった。




痛みをこらえながら、東真は次のモンスターとの戦いに備えて、自分の力を信じ、進むことを決めた。次第に森の奥深くへと足を踏み入れる東真。その姿には、かつての平凡な高校生の面影は消えつつあった。


「次は…もっと上手くやってやるさ…」


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