33.休息
ゲヘナの森の中層を進むトーマたちは、休息を取るため安全な場所を探していた。
「この辺りは大丈夫そうだよ!」
フィーナが周囲を確認しながら教えてくれたため、一同はその場で休憩を取ることにした。周囲のモンスターの気配がないことを確認しつつ、全員がそれぞれ体を休める準備を始める。準備を終え、一息ついている時に、アルターがアイテムバックから一枚の板を取り出し、トーマたちに提案を持ちかけた。
「みんな、ちょっと提案がある。今の全員の能力を改めて確認しておかないか?この板は魔晶板って言って、自分のステータスを簡単に確認できるんだ。」
トーマは興味深そうにその板を見つめながら尋ねる。
「ギルドの魔水晶と何が違うんだ?」
アルターは説明を続けた。
「ギルドの魔水晶は名前やランク、スキルなんかも含めた詳細な情報を表示する。でも、この魔晶板は単純なレベルとステータスしか表示されない。だから、余計な情報を省いて純粋な実力を確認するには便利なんだ。今後の戦略を立てる上でも役に立つ。」
そう言って、アルターがまず自分のステータスを確認するため、魔晶板に手をかざした。板には以下のステータスが浮かび上がった。
Lv: 120
ATK: SS
DEF: SS
INT: D
RES: B
AGI: A
リアナはアルターの能力の高さに驚いた。
「え?アルターのATKと DEF、 SSなの!?初めて SS見たわ…」
「まあ長年冒険者をやっていたからな…」
とアルターは謙遜する。
そのステータスに感嘆しながら、次にリアナが魔晶板を手にした。目を輝かせながらリアナが表示された数字を確認する。
Lv: 70
ATK: C
DEF: B
INT: D
RES: D
AGI: S
「レベルが10も上がってる!しかもAGIがSになってる!」
リアナが嬉しそうに飛び上がるのを見て、フィーナも笑顔を見せる。そして次にフィーナが魔晶板を受け取り、自分のステータスを確認した。
Lv: 40
ATK: E
DEF: E
INT: A
RES: B
AGI: D
「どうかな?」とフィーナがアルターに尋ねると、アルターは目を細めて言った。
「フィーナ、お前は天才だな。冒険者にもなっていないのにINTがAだなんて滅多にいない。Aがつくということは、その分野で天才的な能力を持っているということだ。」
フィーナは少し恥ずかしそうに笑い、次にトーマが魔晶板を手にした。以前確認した時点でステータスが全てSに達していたトーマは、自分の成長を確かめるように板を覗き込む。
Lv: 100
ATK: S
DEF: S
INT: S
RES: S
AGI: SS
「全てS以上…しかもAGIがSSか。」
トーマは予想通りの結果に少し納得しながらも、淡々とした様子で板を戻した。それを見たアルターが驚愕した声を漏らす。
「トーマ…お前のステータスは異常だ。普通、これほど均等な数値になることはあり得ない。Aが複数つくこと自体が稀なのに、Sがこんなに揃っているのは…S級冒険者でもおそらくいない。」
アルターはトーマのステータスをそう評し、如何に異質かを述べた。そのアルターの言葉にリアナは納得し、フィーナは「トーマはやっぱりすごい!」と嬉しそうにしていた。
そんな周りを他所に、トーマは少し考え込んだ後、アルターに問いかけた。
「俺は魔法を使うことが出来るのか?」
アルターは呆れた様子で答える。
「むしろ使えてなかったのがおかしいステータスだな。ただ、俺は魔法適性があるものの、実際に魔法を使えたことはない。スキルに転化されているのかもしれない。」
それを聞いたトーマはフィーナに話しかけた。
「お前はどうやって魔法を使っているんだ?」
フィーナは少し考えた後、手振りを交えて答えた。
「風を感じて、その風にイメージを送るの。それから呪文を唱える感じかな。」
トーマはそのフィーナの説明通りに試してみたが、魔法は発動しなかった。落胆するトーマに対してフィーナがアドバイスをする。
「風にトーマのイメージが届いてないのかも…?」
トーマはそれを聞いて首を傾げてしまう。
(イメージが届いていない?)
困っているトーマにアルターが言う。
「おそらく魔力を風に送れていないということじゃないか?まずは魔力を感じることが必要かもしれない。」
アルターの言葉にトーマは得心していた。
「ならまずは魔力を感じることから練習だな。」
トーマは魔力を感じ取ることを身につけられるよう、フィーナに聞きながら魔力のイメージを身につけるように練習するのであった。
ステータス表記はLv、ATK(攻撃力)、 DEF(防御力)、INT(魔力)、RES(精神力)、AGI(素早さ)です。




