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最弱スキル【反転】で無双する異世界冒険譚  作者: いわたん
第三章 強くなるために
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31.ゲヘナの森中層

トーマは早速ブラッドグリズリーへ向かって走り出した。以前のトーマと違い、ブラッドグリズリーの懐に入り、拳を打ち込む。しかし、ブラッドグリズリーにはその拳が効いた様子はなく、右腕がトーマを襲う。その右腕の攻撃をトーマは【反転】で向きを変え、腕はトーマの横を空を切る。すかさずトーマはブラッドグリズリーの腹に一発を入れるが、再び左腕が襲いかかってきた。


(ちぃっ、俺の攻撃じゃ有効打が打てないか...)


そう思いながらトーマは一旦距離を取る。彼には今の自分に足りないものがあることを理解していた。それは攻撃力だ。グラスとの戦いでも、相手に有効打を与えられなかったことに焦りがあった。


トーマは横目で別の戦いの様子を見る。アルターが大剣に持ち替え、ブラッドグリズリーと対峙していた。リアナが死角からの投擲で撹乱し、ブラッドグリズリーのヘイトがリアナに向くとフィーナが魔法でさらに撹乱する。そしてアルターが大剣で攻撃するという流れるような連携を見せていた。


(アルターあっての戦い方だが...羨ましいな。)


トーマは心の中でそう思う。やはり【剛力】の有用性は圧倒的だと感じた。アルターの技術があるとはいえ、ブラッドグリズリーが怯むほどの有効打を与えられている。


「悔しいけど...俺は正当派にはなれないな。」


そう言ってトーマは決アルターと対峙しているブラッドグリズリーに【反転】をかけ、リアナに攻撃を仕掛けようとするブラッドグリズリーの攻撃をアルターの横に向ける。勢いのついて向かってくるブラッドグリズリーの体にアルターは一瞬驚いたが、そのまま攻撃しブラッドグリズリーを真っ二つに切り倒した。


「本当に羨ましいよな...」


トーマはそう呟きながら目の前のブラッドグリズリーに向かう。そして自らの戦い方を決意する。


「結局...俺はこう戦うしかないな!」


トーマは再びブラッドグリズリーに突っ込んでいく。ブラッドグリズリーは攻撃を仕掛けてくるが、それを【反転】でかわし、トーマはブラッドグリズリーの左目に拳を打ち込む。ブラッドグリズリーは一瞬怯んだが、すぐにトーマを掴もうとする。その攻撃も【反転】でかわし、再度左目に拳を打ち込む。


何度も何度も同じ動作を繰り返し、ようやくブラッドグリズリーが息絶えた。トーマは肩で息をし、相変わらずのタフさに疲れ果てていた。


そこにアルターが近づいてきた。


「驚いた...本当に1人でやっちまうとは。」


アルターは感心していたが、トーマは答える。


「俺は強くないからな...どんな形であれ相手を倒す。今回はたまたま前と同じ相手だったから勝てただけだ。」


実際、前回と状況が違うとはいえ、知っている相手に苦戦させられたことはトーマにとってショックだった。しかし、慢心を捨てられたことには感謝していた。


「そっちはどうだ?」


トーマが尋ねると、リアナが答える。


「全然大丈夫!思ったよりも戦えることがわかったわ。」


フィーナもコクコクとうなずいている。アルターも笑顔で言った。


「お前さんに助けられたから楽だったよ。体力もほとんど使ってないしな。」


「よし、このまま進むぞ。」


トーマの号令に、パーティメンバーは意気揚々とついていくのであった。


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