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21.共有



トーマ、リアナ、フィーナは今後の行動に備えて最低限の情報を共有することにした。利用するにせよ、共に行動するためには情報の共有が不可欠なためだ。


トーマはベッドに腰掛け、腕を組んでリアナとフィーナを見据えた。


「まずはお互いの能力を確認しておこう。俺たちはそれぞれの得意なことを理解して、協力していく必要がある。」


リアナはトーマの言葉に頷き、静かに口を開いた。「分かったわ。私のことを話すわね。私は見ての通りアサシン、元々、隠密として行動していたから戦闘スタイルは相手の撹乱と中距離からの攻撃、近接もある程度闘えるわ」


リアナの言葉には、自信と経験がにじみ出ていた。実際に以前見た彼女の身のこなしは敏捷で、その動きには一切の無駄がなかった。


「アサシンか…その割に俺に捕まえられてたけどな」


「それは…トーマが規格外なのよ…」


トーマの言葉にリアナはしょんぼりする。


次にフィーナが、少しためらいながら話し始めた。「私は…相手のマナを増減させることができるの。でも、この力を使うためには私自身を媒介としなければならなくて…。この力を使うと、立てなくなっちゃうの…」


トーマは眉をひそめた。


「つまり、相手の力を弱めたり、逆に強化することもできるが、その代償としてお前自身への負担が大きいということか。」


フィーナは頷いた。


「そう。だから無闇に使えない力だけれど、必要な時には役に立てると思う。」


トーマは彼女の能力に驚いた。マナの増減、つまり魔法を強化することも弱めることも出来るということ。


(この能力…使いようによってはかなり有用だな)


「分かった。無理はするなよ。お前が倒れたら意味がないからな。」


トーマはフィーナの有用性を理解し、そして労った。


その言葉にフィーナは「えへへ…ありがとう」と笑顔で返していた。


そしてトーマは、自分の能力について話す番になった。


「俺のスキルは【反転】だ。相手の攻撃の方向を変えることができる。最弱と呼ばれるこの力だが、使い方次第では相手の攻撃を回避出来る。」


トーマはあえて、自分の【反転】の能力でケガを治すことができることについては伏せた。それはまだ、完全に信用できない二人に知られたくない秘密だった。


リアナは興味深そうにトーマを見つめた。


「前にギルド長と戦った時にも思ったけど…トーマの【反転】はすごい異質よね。トーマの身体能力があるからかもしれないけど…」


「生きるために試行錯誤したからな」


トーマはゲヘナの森での日々を思い出す。あの時は【反転】の使い方が分からず、常に瀕死の状態だった。そんな状況で使ってきたからこそ戦闘の最中に瞬時の判断で使用することが出来るのがトーマの最大の強みでもあった。


「それじゃあ、これでお互いの能力は理解できたな。」


トーマは立ち上がり、二人に向く。


「まずは実力を知りたい。アルミラ洞窟で能力を見せてくれ。」


トーマの言葉にリアナもフィーナも頷いた。


「それなら冒険者ギルドに寄ってゴブリン退治も受注して行きましょう」


リアナの提案にトーマも同意し、一行は宿屋を出てギルドへと向かうのであった。






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