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20.宿屋にて

宿屋の一室で、トーマ、リアナ、フィーナの三人は今後のことについて話し合っていた。部屋の中は狭く、簡素なベッドと机が一つあるだけだったが、今の彼らには十分だった。


トーマは窓際に立ち、外の夜空を見上げていたが、背後のリアナとフィーナに向き直った。


「で、これからどうするつもりだ?」


トーマは冷たい目で二人を見つめた。彼はこれ以上リアナとフィーナと関わりたくないと思っていた。特に、ただでさえ信用すらしていないフィーナという少女に気に入られてしまったことで、これからの自分の行動に制約がつくことを恐れていた。


リアナはフィーナのそばに座り、トーマの問いかけに少し迷った様子を見せたが、意を決して口を開いた。


「トーマ、私たちはあなたと一緒に行動したい。フィーナ様もそれを望んでいる。」


フィーナもその言葉に頷き、トーマを見つめた。彼女の目には純粋な信頼と、何かを求める強い意思が見えた。


トーマはため息をつき、腕を組んでリアナとフィーナを見下ろした。


「お前たち、本気で言ってるのか?俺は今までいろんな奴を見てきたが、信じられる奴なんて一人もいなかった。特に、俺は気に入らない奴には容赦しない。」


トーマはそこで、最近の出来事を話し始めた。


「俺はクルスとかいうやつを殺した。奴については俺にとってどうでも良いやつだったが、迷わず奴を肉塊にした。それが俺のやり方だ。気に入らない奴、理不尽なことをしてきた奴は、俺は許さない。」


その言葉にリアナは少し顔を強張らせたが、フィーナは微笑みを浮かべてトーマを見つめ続けた。「トーマは間違ってない。だって、私を助けてくれた。トーマは優しい人だよ。」


トーマはその言葉に苛立った様子を見せ、フィーナに鋭い視線を向けた。


「俺は優しくなんてない。お前たちを信用しているわけでもない。俺はただ、お前たちを利用する。それだけだ。」


フィーナはその言葉にも怯むことはなかった。


そして、フィーナの意思を汲み取ったのかリアナが言う。


「それでもいい。トーマが私たちに利用価値があって、それでお互いに助け合えるなら、それで十分。」


「俺の命を狙ったのに?」


すかさずトーマがリアナを牽制する。


「それは本当に申し訳ないと思っているわ…でもフィーナ様が無事でフィーナ様がトーマを信じているからそれだけで私はあなたへ害を為すことはないわ」


フィーナも静かに頷いた。


トーマはしばらく黙り込んだ後、再びため息をついた。


「そうか。だったら契約だ。お互いに利用し合う。それ以上でも、それ以下でもない。」


トーマは口約束であるが契約を提示した。お互いの利益のために行動し、危険が迫れば助け合う。ただし、完全に信用することはしない。それが、今の彼らにとって最も現実的な選択だった。


「わかったわ。これで問題ないわ」


リアナの言葉にフィーナも頷く。


「じゃあ、これで決まりだな。」


トーマはそう言うと、窓の外を再び見上げた。


(好き嫌いはどうあれ知ってる人間を殺したのに同盟か…本当に能天気なやつらだ)


リアナはフィーナの肩に手を置き、フィーナは満足げに微笑んでいる。トーマはそれを冷めた目で見つつ、再び窓の外を見上げた。こうして、トーマ、リアナ、フィーナの奇妙な同盟が成立した。


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